雪が降る前に飛ぶ!?幻想的な雪虫の正体に驚愕!

皆さん「雪虫」をご存じですか?雪虫は北海道の空を舞う、白くてほわほわのボディをもつ幻想的な昆虫です。
本物の雪と間違われる雪虫は、北海道では馴染みの深い虫となっています。
つぶらな瞳をしていて、可愛らしい雪虫ですが……さて、その正体はいったい何なのでしょう?

目次

雪虫が発生すると「雪」が降るってホント?

北海道では雪虫を観測すると「雪が降る前触れ」として受け取られることもあります。
雪虫は、本物の雪と見間違えてしまうほど、可憐に飛ぶ、美しい虫でもあるのです。

雪虫が発生する事により、北海道民は冬の到来を予感します。
これは、雪虫がたくさん発生する時期が秋であるため、雪の降る時期が近いという事もあります。雪が降り始める前に飛ぶ虫なので、冬の訪れを教えてくれる虫として北海道の人々に親しまれています。

また、雪虫の大量発生から実際に雪が降るまでの期間が、平均で21日という調査結果も報告されているようです。
(2012年1月12日 weathernewsより)

秋の風物詩である雪虫

突然ですが、皆さんは秋の風物詩といったら何を思い浮かべますでしょう?
紅葉にサンマに運動会、赤とんぼにスズムシなどを思い浮かべる方が多いと思います。そんな秋の風物詩ですが、北海道の秋の風物詩のひとつにユニークな風物詩があるのをご存じでしょうか?

北海道の秋、紅葉

北海道の秋の風物詩のひとつ……それは「雪虫」です。

雪が降る前触れと言われた雪虫たちですが、実は秋の風物詩でもあるのです。雪虫は北海道でよく見られるため、北海道の人々の間で雪虫たちは秋の風物詩として位置付けられているようです。

雪虫のあれこれ

北海道では例年のように『雪虫大量発生!』のニュースが発信されていますが、それでは雪虫とはいったいどのような虫なのでしょうか?

雪虫の正体とは?

実は雪虫、正式名称を「トドノネオオワタムシ」というアブラムシの仲間なのです。
体長は最大で約4ミリ程度しかない、小指の先より小さな虫です。

本物の雪が舞うように、上空を白色で埋めつくすことから「雪虫」の愛称がつきました。

雪虫の特徴

日本では北海道や東北などの寒い地域を中心によく見られます。

雪虫たちはゆっくりと飛行する昆虫なので、簡単に手で捕まえることが出来ます。雪虫を近くで観察してみると、綿毛のような真っ白な雪に手足、翅(はね)がにょきりと生えているように見えます。まるで雪だるまの妖精です。薄いグレーの翅は透明感が強く、見る者を魅了します。

雪虫のアップ

口先に伸びた細いストローのような管を通して、主に植物の汁を吸って生活している雪虫たち…彼ら雪虫のからだについている白い雪は「蝋(ロウ)物質」の綿毛です。
雪虫は子供を産み、その生まれた子供がまた子供を産むというサイクルを一年間で約7回繰り返しています。

雪虫大量発生の理由

例年のように10~11月の北海道では、雪虫の大量発生に関するニュースが注目されます。
なぜ、その時期になると雪虫は大量に発生するのでしょうか?

大量発生している雪虫

10~11月頃になると、雪虫は子どもを産む為にトドマツという木から、ヤチダモの木へ引っ越しをします。
その引っ越しの途中で観測される雪虫たちが「大量発生」と呼ばれ、「雪の前触れ」と囁かれ、「秋の風物詩」と謳われる現象となるわけです。

さらに専門家によると、その年の気温によっても雪虫は大量発生するとのことです。記録的な残暑の影響などにより、雪虫が大量発生するのに恰好の条件が整います。雪虫は気温が高いほど成長が早く、発生数が増えるといいます。

雪虫によるアレルギー

雪のように純白なからだで空中を舞う雪虫は、幻想的なイメージの強い虫ですが、その反面で厄介とされることもしばしばあります。

あるものに過敏に反応する状態をアレルギーと言います。
口から雪虫を大量に吸い込んだり、ヒトの皮膚に付着することで反応する可能性があります。雪虫によるアレルギー反応では「皮膚アレルギー」が報告されています。アレルギーを防ぐためには、皮膚などに付着した雪虫を安易につぶさないことが重要となります。

アレルギーの他にも、雪虫が車などへ大量に付着することで被害が出ているようです。

潰さないように雪虫を払うのは一苦労です…。

さいごに…

今回は秋の風物詩である雪虫についてご紹介させて頂きました。
さいごに、雪虫の儚い一面を書いておわりにしようと思います。

実は雪虫たち、ヤチダモの木へ引っ越しをしている途中で、ヤチダモでない別の場所へ付着してしまうことがあります。
車のフロントガラスがそれに当たります。そうなると、雪虫はどこへも移動することなく、その場で生涯を終えてしまうのです。なんと儚いことでしょう…。

そんな雪虫たちは、今日も一生懸命に命を繋いで生きています。
今年もまた、秋の風物詩として北海道でその姿を披露することでしょう!

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