室蘭女子高生失踪事件を推理する

2001年、北海道で女子高生が失踪する事件が発生しました。
交際相手と電話したあと、アルバイト先のパン屋へ向かう途中に行方不明。
約束時間が迫っていたにも関わらず、目的地の近くにあるバス停では降りていません。

警察はこれまで延べ4万人以上の捜査員を投入していますが、手がかりは得られませんでした。
女子高生はどこへ消えたのか、彼女に身に何が起こっていたのか。
今回は、現在も情報提供を募る「室蘭女子高生失踪事件」を推理します。

目次

事件概要

2001年3月6日午後1時46分頃、北海道室蘭市に住む道立室蘭栄高校1年の千田麻未さん(当時16歳)が行方不明になりました。
彼女は自宅近くのパン屋でアルバイトしていましたが、学校帰りにバイト先へ立ち寄れるよう希望し、7km離れたパン屋の本店でコーヒー講習を受けることになります。
当日は公立高校の入試日。
そのため学校は休校で、講習を受けるにはちょうど良いタイミングだったのです。
ところが冒頭でお伝えしたとおり失踪し、23年以上経った現在も発見には至っていません。

失踪までの経過

当日の午前11時30分、本店へ「午後1時すぎに行きたいのですが、オーナーはいらっしゃいますか?」と電話。
午後12時25分、自宅近くのコンビニに立ち寄ったあと、室蘭市東町3丁目にある「白鳥台中央」バス停から乗車しました。
午後12時56分、パン屋から15m離れた「東通り」バス停へ到着。
本来であればここでバスを降りますが、麻未さんは3つ先の「東町2丁目」で降ります。

そして1時4分~26分までの間、ショッピングセンターの化粧品売り場を歩き回りました。
この様子はお店の防犯カメラに残されているため、本人であることは間違いありません。
1時41分、再び本店へ向かうバスに乗車。
到着した1時42分、交際相手から彼女のPHSに連絡が入り、麻未さんはこのとき「今着いた」と話します。
電話を一時中断。
1時46分に彼が再び連絡したとき「今は話せないから後でかけ直すね」と言われ、そのあと何度かけても彼女のPHSにつながらなくなり、ここで音信が途絶えてしまったのです。

では、事件に巻き込まれたと仮定し、3つの疑問を考察しましょう。

疑問点1〜講習時間の遅刻

麻未さんを知る友人によれば、「彼女は几帳面だから遅刻はあり得ない」と。
午後12時56分、パン屋から近い「東通り」バス停で降りなかったのは最初からコーヒー講習が存在しなかった、ショッピングセンターへ立ち寄ったのは時間つぶしではないでしょうか。
女性従業員の話で、「講習そのものが存在しなかった」とも言われています。
噂レベルでは「彼女がストーカーに遭って相談へ行った」「オーナーとは恋愛関係」という根拠のない話も浮上しました。
もちろん約束の時間が変更になり、時間調整だった可能性も否定できません。

疑問点2〜電話の背景音

交際相手の男子高生が連絡したとき、1度目は街の中にいるような雑踏が聞こえました。
しかし、2度目に「今は話せないから後でかけ直すね」と言われた際は、部屋の中にいるような印象を受けたそうです。
オーナーは彼女が失踪した翌年にお店を閉店させていますが、このオーナーはパン屋が入るビルの所有者。
上の空き室に居住スペースを設けていれば、お店を訪れたとき「待っていて欲しい」と誘導することも不可能ではありません。
補足するとビルと言っても3階建て、2階と3階に6部屋を設けた賃貸アパートです。

疑問点3〜オーナーの発言

当時警察からマークされていたオーナーは、アリバイを聞かれました。
そのとき「午後1時30分まで待ったけど、彼女が来ないから外出した。3時に自宅へ帰った」と発言。
しかし、あとから「1時30分に外出して、体調が悪かったから母親の前でコタツへ入って寝た」と証言を変えています。
当然のことながら、身内の証言はアリバイの基準を満たしません。

さらに取材したジャーナリストによれば、事件から10年後にインタビューを試みたとき、
「女に困っていたわけではないし、女好きでもないし、変態でもない」と主張。
容疑者扱いされ迷惑というニュアンスですが、この言葉こそ彼の本性ではないでしょうか。
「女好きではない」と言いながら、「女に困ってない」というのは矛盾しています。
「女性に興味ないから困ってない」という意味かもしれませんが、単純に連想すると「不特定多数の女性と交際しているから困ってない状況」が作り上げられる。
だとすれば、オーナーはかなりの女好きになります。

警察の捜査

容疑者扱いされたオーナーは自宅と店舗、車2台を調べられました。
しかし、そこからは麻未さんの髪の毛1本も採取できず、物的証拠は得られていません。
それもそのはず、初動捜査の段階で2階の空き部屋は対象から外されていたのです。

ネットの情報

憶測の域を出ませんが、2018年「遺体は室蘭市水元町にある水源地南方に埋められている」と書き込まれました。
ただし、そこは水源地であり一般人では立ち入れません。
そのため遺棄場所としては最適。
ただし、この情報に警察が動いたとも報じられておらず信憑性は不透明です。

事件の真相

これまでの情報から導き出せる犯人は、アルバイト先の関係者。
麻未さんは嘘をつかれて呼び出され、2階の空き室に監禁された。
そしてわいせつ行為へ及ばれそうになり、抵抗したことで命を奪われたのではないでしょうか。
遺体はネットに書き込まれたとおり、後輩もしくは仲間に手伝わせ水源地南方へ遺棄。

警察が調べても割り出せなかったのは、彼女は失踪当日あるいは翌日には手にかけられ既に運ばれていたから。
座ったと思われるイスやソファーを処分し、部屋は掃除したあとだったのでしょう。
まだ捜査は継続されていますが、それは単なる形だけのもの。

おそらく進展はなく、ネットの情報を鵜呑みにしないため水源地南方が捜索されることもありません。
ただし、事実かどうか調べれば分かるので掘り起こす価値はあると考えられます。
その情報が間違いだったと証明されてこそ、ストーカー説も濃厚となり、別の角度から検証できるかもしれません。

※画像はイメージです。

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