つきさっぷ郷土資料館をご紹介

札幌市豊平区月寒東にある「つきさっぷ郷土資料館」をご紹介します。
建物は昭和16年に完成した旧北部軍司令官官舎を利用した資料館で車寄せのある重厚な二階建て赤レンガ造り。
如何にも旧軍隊の樋口季一郎中将司令官が厳めしい顔で出入りしていたのを感じる建物です。

「つきさっぷ郷土資料館」は4月から11月の夏場8か月間だけの開館で水曜日と土曜日の二日間。
開館時刻は午前十時から午後4時までで入館は無料。夏場以外の冬期間は休館しています。

正面入口を入りスリッパに履き替えて入館表に記帳をして見学は始まります。
「つきさっぷ郷土資料館」の展示品は全道各地にある博物館や資料館、記念館と同様に当時の地域開拓者達が日々使っていた生活用品を中心に展示され実際に使っていた古い農機具なども展示されています。
粗末な衣服や暖房器具を見ると現在の北海道の生活がいかに暖かいかを改めて感じます。
これも全道の博物館や資料館、記念館に展示されているのと同じ旧日本陸軍に関する資料が数多く展示されています。

ただここの資料館には他の施設では見たことのない非常に貴重な物が実にひっそりと展示されています。
もしかすると「つきさっぷ郷土資料館」を管理運営している団体の方も重要さに気が付いていないのかもしれません。

ではその貴重なものとはレオナール・フジタ、藤田嗣治が描いた「アッツ島玉砕」の絵の写真です。「なぁんだ写真か」と思わないで下さい。
展示物は随分と小さく丸められて長い間保管されていたと見えて横皺の亀裂が入り痛々しい限りです。

本物の油彩画「アッツ島玉砕」は1943年の陸軍作戦記録画として藤田嗣治が描き1943年の9月の決戦美術展に出品されました。
「アッツ島玉砕」は終戦と同時にGHQに没収され、アメリカに有りましたが戦後「無期限貸与作品」として日本に返還され、現在は東京国立近代美術館に所蔵されています。
横幅259センチ高さ193センチの大作です。

この「アッツ島玉砕」の絵画は戦時中に全紙版サイズの写真にされて悲惨な玉砕を美化した旧陸軍部のプロパガンダとして戦意高揚の為に全国を巡回展示されました。
北海道の各地でも展示されましたが敗戦と同時にこの写真は焼却処分の命令が出され廃棄されたとなっています。

巡回展示された「アッツ島玉砕」の詳しい記録は平山周吉著書「戦争画リターンズ: 藤田嗣治とアッツ島の花々」に書かれていますので興味の有る方はご一読願してみてはいかがですか。
したがってこの「つきさっぷ郷土資料館」の二階に人知れず展示されていることは奇跡に近いことなのです。

因みに写真の右下に書かれたサインと東京国立近代美術館の図録などで確認できるサインの違いを是非ともご自分の目で確認してみてはいかがですか。

Dr.sapatosu(サパトス)
退職して10年。令和2年末に車の免許証を返納して頼りは足だけになったおじいちゃんです。
ぶらぶら歩いてめずらしい物を発見しますよ。
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