大学進学を機に北海道に引っ越してきた際、道内各地をとことん回ってやると意気込んでいた私は自動車免許を持っておらずいわゆるドライブが出来ませんでした。さらにお金もない。
運転が出来ない+お金が無い=北海道観光は絶望的
そんな方程式を作り上げそうになった時でした。
「いや、電車があるじゃないか。」
確かに電車やバスといった公共交通機関を用いると自動車よりは自由度も低く、目的地も絞られてしまいます。しかし、いざ実践してみると電車に揺られながらのんびりと進んでいく旅は目的地に至るまでをも思い出にしてくれる素敵なものでした。
そんな電車旅の魅力を「JR北海道のおトクなきっぷ」の1つである「一日散歩きっぷ」を用いたMy電車旅行記を通して伝えていきたいと思います。
1日散歩きっぷとは
JR北海道が発行している乗り放題切符の1つで下の写真に示すフリーエリア内の普通列車・快速列車の自由席に1日間自由に乗り降りすることが出来ます。一方で特急・急行列車は適用外なので移動時間を出来るだけ節約したいという方にはお勧めしません。
利用可能日: 土日・祝日
利用期限: 購入日当日のみ
料金: 大人 ¥2540 子供¥1270 (払い戻しはない)
販売駅などの詳細はJR北海道のHPで確認することが出来ます。
いざ出発! 第1の目的地「ファーム富田」へ
今回の日帰り電車1人旅のテーマはズバリ「夏の北海道大満喫」
目的地を
・ラベンダー畑見学の王道「ファーム富田」
・ずっと行ってみたかった美瑛にある「四季彩の丘」
と決めてラベンダーが見頃であった7月中旬に決行しました。そう、この切符を使えば乗り降り自由で富良野や美瑛まで行けてしまうんです。
7:00 札幌駅発 JR函館本線 滝川行に乗車
約1時間半後、滝川駅に到着しJR根室本線に乗り換えて富良野駅を目指します。
10:50頃 富良野駅着
このまま再び乗り換えて「ファーム富田」の最寄り駅であるラベンダー畑駅に向かいたいところですが、時刻表を見るとまだ1時間くらい待たなければいけないようです。焦ったさもありますが、この時間が新たな発見を誘発してくれる電車旅の醍醐味です。
富良野駅を少しお散歩してみます。小腹が空いてきたので何か食べたいなぁと考えながら歩いていた時、一軒の小さなジェラート屋さんを見つけました。
こちらのお店は「はっぱジェラート」といって富良野で採れた季節の食材を個性豊かなジェラートにして提供している可愛らしいお店です。注文した2種類のうちの1つである「とうきび味」は本当にとうもろこしを食べているのではないかと思うほどに濃厚な味わいで驚きました。
■店舗情報
住所:北海道富良野市朝日町2-2
富良野駅正面口から出て徒歩3分
ジェラートを満喫しているとあっという間に電車の発車時刻に。夏季限定で走っている「富良野・美瑛ノロッコ号」に乗車して10分程で12:20頃ラベンダー畑駅に到着です。
着いた瞬間に目に飛び込んでくるラベンダーで染まった紫色の斜面に息を呑みます。
無事第一の目的地「ファーム富田」に到着した訳ですが、実はもうフリー切符の元が取れてしまっているんです。下記に示すように普通列車のみを利用した場合の運賃を計算すると
札幌-富良野間 ¥2860
富良野-ラベンダー畑間 ¥300
合計 ¥3160
移動時間は自動車での移動に比べ普通列車なこともありかかってしまいましたが、このお得感はラベンダー畑と同様に息を呑みますよね!
ラベンダーの香りに魅せられてお土産にラベンダーの花束とサシェを買い、名残惜しみつつ再びノロッコ号に乗車して第2の目的地「四季彩の丘」へ向かいます。
第2の目的地「四季彩の丘」へ
「四季彩の丘」の最寄り駅をご存知の方は意外と少ないのではないでしょうか。駅名は「美馬牛駅」でビバウシと読みます。この駅なんと2020年夏の青春18きっぷのポスターに抜擢されています。
美馬駅から30分ほど歩くと目的地である「四季彩の丘」に到着です。歩いている途中に見た耕地風景がまたなんとも言えない美しさで何度も立ち止まって写真を撮ってしまいました。これもまたいい道草です。
入り口を通ると現れた景色に思わず呆然としてしまいました。花畑の規模の壮大さとあまりの整然具合にこれは絵なんじゃないかと感じたのです。走っていきたい気持ちを抑えてまずはゆっくり一周、戻ってきて通っていない場所を見つけ再び花畑の中へ。
夢中になって巡っているとあっというまに出発しなければならない時間になってしまいました。後ろ髪を引かれつつ帰りは行きとは別のルートで鼻歌まじりに駅へ向かいます。
いよいよ帰路へ・・・のはずが
そろそろ美馬牛駅から富良野駅を経由し札幌へ帰宅しようと17:00頃発のノロッコ号に飛び乗りました。ところが、乗るべき電車はノロッコ号ではない次の電車だったようで思いがけず反対方面の美瑛駅に着くことに。
さらに、富良野駅に向かう電車まで後1時間半程待たなければいけないようです。
待合室でおとなしく待っているのも良いですが、ハプニングも旅のうち!ということで新たな発見を探して駅周辺を散策することにしました。これこそ、電車旅の隠れざる魅力なのではないかと思います。
少し歩くと高い塔のようなものが見えてきました。調べてみると美瑛町役場に併設された「四季の塔」という展望台で、無料で景色を楽しむことが出来るみたいです。これは登るしかないと思いエレベーターで一気に地上33m地点へ。実を言うと内心そこまで期待はしていなかったのですがこれがまた絶景で驚きました。近所にこんな綺麗に自分の町を一望できる場所があったら毎日通ってしまいそうです。
予想外の景色に出会った後、18:21発JR富良野線 富良野行に乗車し富良野駅へ戻りました。なんと、美瑛に間違えて行ってしまったために富良野から札幌への電車はなんと終電に・・・。この電車に乗り遅れたら家に帰れないというプレッシャーで若干不安にもなりましたが23:20頃無事札幌に到着することが出来ました。
まとめ
今回の「夏の北海道大満喫」日帰り電車一人旅はハプニングも含めて我ながらかなり充実したものになりました。
総移動時間(電車に乗っていた時間のみ):約8時間37分
総運賃:¥7510 → つまり、本切符利用で¥4970お得に旅が出来たことになります。
今回紹介した「一日散歩きっぷ」だけではなく函館方面や道北方面で使える乗り放題切符や道内全てで利用可能なフリーパスといった電車旅をリーズナブルに楽しめるサービスがまだまだ沢山あります。
ドライブで観光もいいですが、運転が出来ない方は勿論出来る方もゆっくり流れていく時間を背に思いがけない出会いや体験を求めて電車旅はいかがでしょうか。
北海道に来て早1年。もっと北海道を知って撮影したいと思っています。
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