とにかく広くて市町村の数も多い北海道にはエリア分けの仕方が多数あります。
その中の1つが行政区分である総合振興局・振興局によるエリア分けです。
今回は北海道内に14ある総合振興局、振興局の中から総合振興局の基本情報や魅力を紹介していきます。

目次

空知総合振興局エリアの基本情報

空知総合振興局エリアの総面積は約5,79?、人口は274,775人(2022年4月30日 住民基本台帳)となっています。
空知総合振興局エリアは明治12年、幌内炭鉱 (三笠市)が開鉱したことをきっかけに発展したエリアです。
最盛期にはエリア内で100以上の炭鉱が稼働していたそうです。

しかし 昭和30年代に日本のエネルギーの主役が石炭から石油に移行したのをきっかけに多くの炭鉱が閉鎖。
この頃からエリアの人口も大きく落ち込み始め、現在でこそ減少幅は緩やかになったものの、人口減少に歯止めがかからない状況が続いています。
一方、現在では閉鎖された炭鉱や関連施設、その当時の文化が「北海道遺産」や「近代化産業遺産」に登録され、観光に生かす取り組みが始まっています。

空知総合振興局の市町村

空知総合振興局エリアには10市、14町、計24のまちがあります。
抱えるまちの数も多く、面積も広いことから、エリア内はさらに「北空知・中空知・南空知」の3つに区分けされています。
3つの区分ごとに管内の24のまちと各市町の特徴を紹介します。

空知総合振興局管内のまち

北空知

  • 深川市…空知総合振興局管内の交通の要衝。米作と共に最近はソバの生産に力を入れる
  • 妹背牛町…役場そばに純天然温泉が湧く日帰り入浴施設「妹背牛温泉ペペル」がある
  • 秩父別町…“ちちぶべつ”ではない。開基百年記念塔は国内最大級のスウィング・ベル
  • 北竜町…ひまわりのまちとも呼ばれ、ひまわりの作付面積は日本最大規模
  • 沼田町…雪中米や雪中貯蔵酒など雪と共存したものづくりに力を入れる

中空知

  • 芦別市…キャッチフレーズは「星の降る里、芦別」。星空観測スポットが数多くある
  • 赤平市…石炭採掘時に出た捨石(ボタ)が積みあがってできた山の階段の段数が日本一
  • 滝川市…中空知の中心都市。グライダーによるまちおこしに力を入れる
  • 砂川市…市内にはスイーツの店が多く、「砂川スイートロード」としてPRしている
  • 歌志内市…かつては石炭産業で栄えた。日本一人口の少ない市(令和2年国勢調査)
  • 奈井江町…札幌と旭川のちょうど間にある。福祉政策に力をいれる
  • 上砂川町…北海道一面積の小さいまち
  • 浦臼町…気候と土壌を生かしたワイン用ぶどうを生産。ワインが特産品
  • 新十津川町…北海道有数の米どころ
  • 雨竜町…北海道の尾瀬とも呼ばれるラムサール条約登録湿地、雨竜沼湿原がある

南空知

  • 夕張市…全国唯一の財政再生団体。炭鉱観光に力を入れ、夕張メロンも有名
  • 岩見沢市…北海道を代表するブランド米「ななつぼし」の生まれ故郷
  • 美唄市…鶏の内蔵肉全てを1本の串に刺し、玉葱をはさむ?「美唄焼き鳥」がある
  • 三笠市…全国でも珍しい食物調理科のみの市立高校があり、高校生レストランが有名
  • 南幌町…札幌のベッドタウン。昔は「みなみほろちょう」と読んでいた
  • 由仁町…観光スポットでもある日本最大級の英国風ガーデン「ゆにガーデン」がある
  • 長沼町…北海道で唯一どぶろく特区の認定を受けている
  • 栗山町…国蝶オオムラサキの日本北東限地域
  • 月形町…明治14年、樺戸集治監の設置により誕生したまち

空知総合振興局エリアの魅力

空知総合振興局エリアの魅力は北海道・日本を支えてきた歴史です。
日本の産業近代化を支えた「石炭」。なかでも空知総合振興局エリアは石炭資源開発の中心地でした。

石炭産業関連の施設や文化は今も残っており、学びの観光地として高いポテンシャルを持っています。
また、全道一の作付けを誇る稲作を中心に、豊かな水資源と広大な土地を活用した農業を展開。
稲作以外にも小麦や大豆、野菜・花きなど栽培にも力を入れています。

観光においては北海道の大自然と共に歴史も堪能したい方、農業に興味がって北海道への移住を目指す方にとっては魅力的なエリアと言えるでしょう。

“人口の少ない市”上位を独占する空知総合振興局エリア

令和2年国勢調査によると、日本の「市」の人口ランキングのワースト10は次のようになっています。
(北海道の市のみ人数も記載します。)

1位 北海道歌志内市 2,866人
2位 北海道夕張市 6,900人
3位 北海道三笠市 7,840人
4位 北海道赤平市 9,385人
5位 高知県室戸市
6位 高知県土佐清水市
7位 北海道芦別市 12,178人
8位 石川県珠洲市
9位 鹿児島県垂水市
10位 鹿児島県西之表市

ワースト10のうち北海道の市が5つを占めている上に、上位4市は北海道。
しかもこの北海道の市はすべて空知総合振興局エリアのまちなのです。

人口という面から考えると「市」が「人口5万人以上」を条件とするのに対し、「町」は都道府県ごとの条例によって異なるものの「人口5千人~8千人以上」を条件とすることが多くなっています。
この条件に照らし合わせると「市」というより「町」、「町」というより「村」では?とも考えられますね。
住民サービスの権限を都道府県から譲渡される、「市」という箔が付くなど、「市」であるメリットは考え方によって色々ありますが、「町」よりも経費がかかるといったデメリットもあります。

現段階で「市」の条件を満たさなくなってしまったまちが、市制において今後どのような判断をするのかは気になるところです。

歴史と農業で躍動する空知総合振興局エリア

炭鉱業の中心地として北海道をはじめ、近代日本の発展をも支えた空知総合振興局エリア。
今では北海道一の米どころとして日本の農業を支えています。
重厚な歴史を堪能したい、農業に興味のある方にはまさにうってつけのエリアです。
観光・移住で興味のある方はぜひチェックしてみてください。

※画像はイメージです。

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