4月21日に、函館市から桜開花の便りが届いた。25日には満開となったそうだ。函館の桜開花の平年値は4月30日から5月4日の間だから、平年よりかなり早い。2021年も4月20日開花、23日には満開だというから、かなり早まっている。
筆者は昔、国語の教科書で「函館の桜はゴールデンウィークに満開になる」という話を見たことがある。このため、函館の桜は5月に咲くものだと思っていたが、どうやら近年はそうではないのかもしれない…そう思い、気象庁のホームページでここ数年の北海道の桜開花日を調べることにした。
調べた場所は場所は札幌・函館・室蘭・旭川・稚内。このうち、旭川と稚内はソメイヨシノではなく、エゾヤマザクラだ。
地域 | 2011年 | 2016年 | 2021年 |
札幌 | 5/7 | 4/25 | 4/22 |
室蘭 | 5/6 | 4/25 | 4/27 |
函館 | 5/2 | 4/24 | 4/20 |
旭川 | 5/9 | 5/3 | 4/29 |
稚内 | 5/19 | 5/13 | 5/8 |
このように、ここ10年ほどで10日〜2週間ほど開花日が早くなっている。では、なぜ桜の開花が早まったのだろうか。
独立行政法人水資源機構のホームページに掲載されている「気象キャスターが解説!天気のミカタ 連載第4回『桜開花に寒さも大切』によれば、桜の花はまず前年の夏に次の春に咲く花の「もと」が作られる。冬になると花の「もと」が「休眠」状態となり、成長を止める。そして、真冬の寒さにさらされることにより花の「もと」が目を覚ます。これを「休眠打破」というらしい。
目を覚ましたら、春の暖かさによって花は成長し、つぼみとなって開花する。つまり、冬の十分な寒さと、春先の暖かさが開花日に関わってくるのだ。 ここで、上記5地点の2022年の1-4月の平均気温と、同時期の平年値を比較してみよう。
地域 | 平均気温(2022年) | 平均気温(平年値) | ||||||
|1月 | 2月 | 3月 | |4月 | |1月 | 2月 | 3月 | |4月 | |
札幌 | -3.2 | -2.2 | 2.6 | 9.1 | -3.2 | -2.7 | 1.1 | 7.3 |
函館 | -2.3| | -1.9 | 3.1 | 9.2 | -2.4 | -1.8 | 1.9 | 7.3 |
室蘭 | -1.7 | -1.3 | 2.6 | 7.8 | -1.8 | -1.6 | 1.4 | 6.1 |
旭川 | -7.4 | -5.6 | 0.6 | 7.5 | -7.0| | -6.0 | 1.4 | 5.6 |
稚内 | -4.1 | -3.4 | -1.2 | 6.3 | -4.3 | -4.3 | -0.6 | 4.5 |
平年と比べると1-2月はほぼ平年並みの気温だが、3-4月にかけての気温は平年より高く、冬と春の寒暖差が大きくなっている。結果、桜の開花が早まったのだろう。
新型コロナウイルスの影響で、今年の五稜郭公園の花見は電飾なし、飲酒ならびに宴会不可、食べ歩きも不可と、なかなか例年通りにはいかない花見だったが、来年こそは満開の夜桜の下で、友人や家族、同僚と語らいつつ花を見ながらお酒とおつまみをいただきたいものだ。
参考:気象庁HP
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