小樽名物・人力車のお兄さん

北海道の超・有名スポット、小樽の古い港に、人力車のお兄さんがいる。私達は、レンタカーで小樽に着くと、早速人力車のお兄さんに声を掛けられた。
「すみません、お客さん。私人力車で小樽をご案内しています。いかがですか?」

良く聞いてみると、普通の観光ツアーでは、案内されない場所にも詳しいという。写真サービスも付いている。ちょっと値段が張るのだが、北海道に詳しくない私達は、お願いする事にした。
「お客さん。お膝に毛布を御掛け致します。」
寒い北海道に不慣れな私達は、非常に助かった。暖かい。対して、人力車を引いているお兄さんは、薄手の洋服である。

お兄さんの観光案内が始まった。たった45分間しかないのに、隣の、約100年前の、ニシン漁で栄えた頃の古い街並みがそのまま残っているエリアに走ってくれた。秋、見事にイチョウが黄色く色づいている。建物に絡まるツタも見事に赤~茶色のグラデーションになっている。古いレンガの色とマッチして素敵だ。「時間が無い時間が無い!」「終わっちゃう終わっちゃう!」と言いながら、私達は、夢中になって写真を撮りまくった。

殆ど人通りが無い運河、昔ニシン漁で儲かったお金を預けに来た銀行の建物、古い倉庫…。小樽でしか見られないロマンチックな風景にうっとりしながら、あっという間に45分過ぎた。私は、出来れば、時間が許せば、座ってじっくりスケッチを描きたかった。きっと秋色の素晴らしい作品になるに違いない。

最後に、私達は、お兄さんと記念撮影をした。そして、この近くで美味しいお寿司屋さんが無いかと聞いた。お兄さんは、個人によって好みが分かれるけれども…と言いながらも、一軒、自分が好きなお店を教えてくれた。私達は、お兄さんにお礼を言った後、そのお店に向かった。

小さな小さな、地味なお店だった。良く気を付けて見ていないと、通り過ぎてしまう程、こじんまりしている店だった。ガラッと戸を引いて入ると、カウンター席に座った。正面のガラスケースには、今まで見た事ない変わった魚が入っていた。
「それはね、お客さん。ハッカクというんですよ。体の断面が八角形をしているので、八角というんですよ。脂がのってて、美味しいですよ。」

私達は、お任せコースを選んだ。次々と出て来る魚たち。ホタテ、アワビ、蟹、イクラ、ウニ。そして一番驚いたのは、な、なんと、ニシンのお寿司!!!生のニシンなんて食べた事無い!!!
「お客さん、ニシンのお寿司は小樽でしか食べられないですよ!!!」
そう言われて、私達は、口に放り込んだ。脂がのってて、柔らかい!生臭くなく、濃厚な旨味がある!素晴らしい!

うちの主人は、『北海道で食べた最も美味しかった物』の3本の指に入る、と言っていました。
正に、『小樽限定グルメ』ですね!!!皆さんも、小樽へ寄られた時は、どうぞ、食べてみて下さい。

jilus(ジリュス)
東京の出版社の仕事の傍ら、全国各地を旅行し、開運をテーマに様々な観光地を紹介する動画を製作し、配信しております。最近では、童話を書き始め、公募展に応募するなど、精力的に文筆家として活動しております。
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