北海道には県な無い!特有の行政区分「総合振興局」「振興局」とは

とにかく広くて市町村の数も多い北海道。道政を円滑に進めるため、2010年4月から総合振興局、振興局が設置されました。
行政区分の他に地域分けにも利用され、ネットやテレビや雑誌にもたびたび登場する振興局区分をおさらい、確認してみましょう。

目次

総合振興局・振興局とは?を詳しく

総合振興局・振興局とは北海道庁の出先機関です。
広くて市町村の数も多い北海道の行政を円滑に進めるために設置されています。
また、道庁(札幌市)まで足を運ばないといけない手続きをできるかぎり居住地の近くで済ませることができるように、と北海道民の利便性も考えられています。
総合振興局・振興局は北海道民にとって道政の窓口なんですね。

2010年3月までは、総合振興局・振興局ではなく、“支庁”という名称が使用されていました。
しかし、『北海道総合振興局及び振興局の設置に関する条例』が施行されたことで“総合振興局”、“振興局”という名称が使用されるようになりました。

支庁制度は歴史が長く、1872年(明治5年)に明治政府が「北海道開拓使」の出先機関として、5つの支庁を設置したのが始まりです。
その後、1897年に19支庁が設置され、さらに1910年には北海道内の交通事情が改善されたために14支庁に統合されます。
この14支庁体制が今の総合振興局・振興局体制の大元となっています。

さて、支庁から総合振興局・振興局へと名称が変更になりましたが、中身はなにが変わったのでしょうか。
答えは特に大きな変更はなし。
理由については、「〇支庁改革のドタバタ」で後ほど見ていきましょう。

総合振興局と振興局一覧

現在、北海道には9つの総合振興局と5つの振興局があります。

総合振興局
総合振興局(旧:空知支庁)
総合振興局(旧:渡島支庁)
総合振興局(旧:後志支庁)
総合振興局(旧:胆振支庁)
上川総合振興局(旧:上川支庁)
釧路総合振興局(旧:釧路支庁)
宗谷総合振興局(旧:宗谷支庁)
オホーツク総合振興局(旧:網走支庁)
十勝総合振興局(旧:十勝支庁)

振興局
日高振興局(旧:日高支庁)
石狩振興局(旧:石狩支庁)
振興局(旧:檜山支庁)
振興局(旧:留萌支庁)
根室振興局(旧:根室支庁)

北海道外の方には聞きなじみのない、読みにくい名称もありますね。
オホーツク総合振興局だけが、支庁時代から名称が変更となりました。

総合振興局と振興局はなにが違うの?

大きな違いは、総合振興局が定められた振興局管内の広域行政を担うことができると条例で定められている点。
総合振興局と振興局の関係は次のように定められています。

渡島総合振興局→檜山振興局
胆振総合振興局→日高振興局
空知総合振興局→石狩振興局
上川総合振興局→留萌振興局
釧路総合振興局→根室振興局

支庁改革のドタバタ

支庁制度から総合振興局・振興局制度へと移行した支庁改革。
やはりというべきか、色々なドタバタが起こりました。

振興局の猛反発

支庁改革は当初、14支庁の枠組みを8つに変更し、行政のスリム化を目指していました。
しかし、議論は一向にまとまらず、知事交代や6支庁案提出などの紆余曲折を経て、14の支庁を9つの総合振興局と5つの振興局に分ける案が出てきます。

14支庁時代と区分は変えずに、「総合振興局が定められた振興局管内の広域行政を担う」ことでコストカットを目指したのです。
しかし、今までフラットな立場でやってきたにも関わらず、振興局となる支庁はまるで格下げのような扱いを受けるこの案。
提供される行政サービスの低下やそれに伴う人口減少、地域経済の衰退などを理由に、5振興局候補のうち、檜山支庁、日高支庁、留萌支庁、根室支庁が猛反発しました。

加えて、再編する際に必要な公職選挙法の改正が先送りとなったため、総合振興局・振興局へと名称は変更となるものの、どちらも同格の支庁として存続することになりました。そのため、総合振興局は決められた振興局の広域行政を担うことができるというルールは紙の上で定めれているだけの状態となっています。

1つだけ名前が変わった総合振興局

旧網走支庁だけが「オホーツク総合振興局」に名称が変更となりました。
当初は名称の変更予定はなかったものの、網走支庁管内町村長会から、「オホーツク」の名称に変更するよう要望書が提出されました。

この改変当時、網走支庁管内は「オホーツクビール」、「オホーツク紋別空港」など「オホーツク」の名称を使ってブランド化に成功していて、このオホーツクを前面にだしたかったようです。
一部網走市民からの不満はあったものの、要望書どおり網走支庁はオホーツク総合振興局に名称変更となりました。

所管が移動した町

支庁から総合振興局・振興局への移行と共に、2つの町の所管が変わりました。
空知支庁管内と留萌支庁管内です。
幌加内町は、空知支庁から上川総合振興局へと移動となりました。
旭川市や名寄市、士別市との関りが深いことから移動となったようです。
幌延町は、留萌支庁から宗谷総合振興局へと移動となりました。
こちらも宗谷総合振興局管内の市町との結びつきが強かったため移動となりました。
当時、この変更を知らない町民もいたようで多少の混乱はあったようです。

自分の町の総合振興局・振興局を確認してみよう

行政手続きなどでお世話になる総合振興局や振興局。
行ったことがない方や北海道への移住を検討している方、まずはご自身の町や移住希望先の総合振興局や振興局を調べてみては?

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