【希少動物】ナキウサギの愛くるしい姿と鳴き声に目が離せない!

ナキウサギは北海道にしか生息していない希少な動物です。
国内で唯一ナキウサギを目にすることが出来る北海道からナキウサギの生態や特徴をご紹介いたします。ウサギとは思えない澄んだ鳴き声や可愛らしい姿をぜひご覧ください!

目次

「ナキウサギ」って何者なの?

ナキウサギの正式名称はエゾナキウサギといいます。実はナキウサギ、日本では北海道でしか出会うことが出来ない珍しい動物なのです。ナキウサギはウサギ目ナキウサギ科ナキウサギ属の「ウサギ」です。体が小さいことや耳が短いことからネズミやハムスターのように見えますが、ナキウサギはその名の通りウサギの仲間です。

ナキウサギの歴史は長く、彼らは1万年前の氷河期にシベリアから北海道へとやって来たと考えられています。そのためナキウサギは「氷河期の生き残り」と称されていることでも有名です。

ナキウサギの生態

ナキウサギは昼行性です。とくに昼から夕方にかけて行動が活発になります。彼らの生息地は標高の高い山などの比較的冷涼な地域です。ナキウサギは岩場などに暮らしています。岩と岩の隙間や、穴などを住処としていることが多いです。理由はオコジョやキツネ、猛禽類などの天敵から身を守るためです。

ナキウサギは寒さに強い動物です。彼らは冬眠をしません。その代わり、冬になる前に葉や木の実などの食料を集めて蓄えておきます。

寒さに強いナキウサギはもちろん、暑い夏に弱いです。ナキウサギの適温は約12度とされています。ナキウサギは夏季になると滅多に巣穴から外に出てきません。そのため登山の多い夏の時期にナキウサギを見ることは珍しく、今日では憧れの存在となっています。

またナキウサギは、よく晴れた風の吹かない昼間に岩場で日光浴をすることがあります。岩の上でごろんと寝そべり過ごすナキウサギはとても気持ちが良さそうですね。

ナキウサギは1度の出産で子どもを約5匹産みます。しかし生存率はあまり高くありません。寿命は4、5年です。

ナキウサギの特徴

ナキウサギはウサギにしては非常に小さな体をしています。体長15センチ程です。ナキウサギの子供の大きさは、なんと五百円玉くらいの大きさしかありません。彼らの耳にも注目してみてください。

ナキウサギをネズミやハムスターと勘違いしてしまうのは、ナキウサギの耳の短さにも由来しているのでしょう。耳が短いのはナキウサギの特徴のひとつです。彼らはどうしてこんなに耳が短いのでしょう?

ナキウサギの耳の短さには理由があります。
岩と岩の隙間に巣をもつナキウサギにとって、長い耳は岩場での生活では邪魔になってしまう可能性があるのです。耳が短くてもナキウサギは遠くの微かな物音にも敏感です。物音がすると彼らは俊敏に逃げていきます。

ナキウサギを目撃した人はナキウサギの逃げる姿を「まるで電光石火のような早さ」や「瞬間移動でもしたのではないか」と形容することがあります。ナキウサギの逃げ足はそれくらい速いのです。

また、ナキウサギのヒゲは暗い岩の中でも難なく行動をするためのセンサーとして活躍しています。ナキウサギの特徴は耳の他にもあります。彼らの最大の特徴は鳴き声です。ナキウサギの名にふさわしく、「よく」「鳴く」「ウサギ」なのです。

ナキウサギの鳴き声に耳を澄まして・・・

ナキウサギは「ぴゅぴゅ」や「ぴゅいーっ」といったよく通る声で鳴きます。透き通るようなナキウサギの声は、聴く者を魅了し続けています。

いかがでしょうか?ナキウサギの可愛らしい声が聴こえてきたかと思います。登山者の中にはナキウサギの声を聞いて「鳥だ」と間違える方が多いそうです。それくらいナキウサギの声は美しいものなのです。

北海道でナキウサギに遭遇!ナキウサギに出遭えるスポット

この章では北海道でナキウサギに出遭えるスポットをご紹介します。その他にもナキウサギの観察方法や注意点なども解説させていただきます。

ナキウサギを探そう

「ナキウサギに会いたい」という方に必見です。北海道でナキウサギを探す際のポイントをお伝えいたします。まず、ナキウサギは北海道でも一部の地域にしか生息していません。

本記事で述べてきた通り、ナキウサギは標高の高い地域に生息していることが多く、また岩場を住処としているため会うのは難しそう…と思われてきました。

しかしナキウサギを探すためのヒントがあります。ナキウサギの鳴き声です。ナキウサギの鳴き声は上記で述べた通り、よく通ります。この声を頼りにナキウサギの生息している岩場を重点的に探すことで遭遇率があがります。

具体的に、どこを探したらいいのでしょうか?
北海道でナキウサギを探すには以下の場所を中心に探索していきます。

  • 「日高山脈」
  • 「夕張山地」
  • 「大雪山」
  • 「北見山」

中でも大雪山国立公園はおすすめのスポットです。

大雪山国立公園ではナキウサギの他にもたくさんの動物に会うことができます。22万6,764ヘクタールを誇る広大な公園は、HPのコピーにもある通り『カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)』と呼ぶのにぴったりな素敵な自然公園です。ナキウサギの目撃情報も多数あります。

ナキウサギを発見!観察する際の注意点

実際にナキウサギに出会えたあなたは興奮してしまうことと思います。ですが上記でも述べました通り、ナキウサギは非常に敏感で音によく反応を示します。しかも逃げ足が速い。そういうナキウサギの特徴をよく理解・把握した上で観察を行います。

ナキウサギを発見したらゆっくり、静かにを心がけて観察しましょう。ナキウサギを観察する際にはいくつかの注意が必要です。

  • 可愛いナキウサギ、ついつい餌をあげたくなりますが餌付けは厳禁です
  • 「ナキウサギ発見!」と叫びたい気持ちをどうか心の中だけに留めてください。大きな声を出したり、騒音を立てないように気を配りましょう
  • ナキウサギを怖がらせてはいけません。あまり近づかないよう適切な距離を保ちます
  • ナキウサギの生息する場所には多くの高山植物があります。高山植物を踏みつけないよう気をつけましょう
  • もちろんですが、ゴミは捨てずに持ち帰りましょう

ナキウサギが絶滅しかけているって本当?ナキウサギ絶滅危機の理由と原因

ナキウサギは2012年に準絶滅危惧種として環境省のレッドリストに登録されました。本章では、貴重なナキウサギの絶滅要因やナキウサギの保護についてお話させていただきます。

ナキウサギの絶滅要因

ナキウサギの絶滅の懸念要因として以下の4つがあげられます。

  • 気候変動
  • 生存率の低さ
  • 温暖化の影響(性質的にナキウサギは高温に弱い)
  • 環境汚染(ナキウサギは排気ガスに弱い)

ナキウサギの保護活動

上記の4つの要因により絶滅を危惧されているナキウサギを保護しようという声が多く寄せられています。ナキウサギを保護するということは希少な種を残すことだけでなく、その他の生態系の保護にも関連しています。

ナキウサギの保護活動の中には、生態を調査・記録し、ナキウサギの生息地を守る活動があります。たとえば、森林伐採やダムの建設に懸念を表明するなどです。さらにナキウサギの生態などを知ってもらうために講演や写真展を開催している団体もあります。

ナキウサギを天然記念物に

ナキウサギ保護活動の一環には、文部科学省や環境省に向けて「ナキウサギを国の天然記念物に指定を」との要請を行うといった活動もあります。

さいごに

私にとってナキウサギは今、出遭いたい。そういう数少ない動物の中のひとつです。
彼らナキウサギの愛くるしい姿に隠された小さいながら懸命に命を繋いでいる姿や、その行動は多くの人に勇気を与えてくれる。そう思っています。

氷河期の生き残りであるナキウサギ。
彼らをこの先も守るために、一人ひとりが自然へ対する意識をもつことが重要だと改めて実感しました。

当然のことですが、絶滅してからでは遅いのです。
北海道は日本国内でも屈指の緑に覆われた土地です。とりわけ広大な自然により形成された貴重な土地であることに間違いありません。北海道が多くの動物たちの「暮らしの場」となっていることはご存知の通りです。

北海道の緑の割合は、日本国土の中で堂々の1位(554ヘクタール)に輝いています。そういう土地を私たち人間が守っていく。動物と人間が共存していくために欠かせないことです。野生動物について。環境について。ナキウサギのような小さな命に耳を澄ませることは大切なことだと思います。

ナキウサギとの出会いを求めて緑豊かな土地、北海道へ出発です!

※画像はイメージです。

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