「鳴き砂」で有名なイタンキ浜は、アイヌの伝説が残る不思議なスポット!

声ある砂浜、イタンキ浜を知っていますか?
この美しい浜には、神秘的な伝説が残っています。

イタンキ浜とは?とっても稀有な「鳴き砂」の浜

室蘭市、チキウ岬(地球岬)の北東に位置するイタンキ浜は、日本の渚百選にも選ばれた美しい砂浜です。さらにただ美しいだけでなく、珍しい特徴や伝説に恵まれた、非常に謂れのある場所でもあります。

イタンキ浜では「鳴き砂」という、様々な条件がそろった環境でのみ認められる不思議な現象が起こります。砂浜の上を歩くと、キュッキュッと音がするのです。この鳴き砂がある海岸は、北海道には3か所しかないとされています。その仕組みには諸説ありますが、イタンキ浜の砂は石英の結晶体が多く含まれていることから、砂同士が擦れることで音が鳴るとも考えられています。
イタンキ浜はもともとアイヌたちの間で「ハウ・アン・オタ(声ある砂浜)」と呼ばれていました。その昔から、この砂浜で不思議な音がすることは知られていたのでしょう。

イタンキ浜に残るアイヌの伝説

「鳴き砂」や美しい渚を求めて訪れる人の多いイタンキ浜ですが、悲しいアイヌの伝説も伝わっています。
砂浜の名前である「イタンキ」は、アイヌ語でお椀のこと。

その由来は「浜から見える岬がお椀のように見えたから」「入り江がお椀のような形だから」「浜に生息する貝が吐き出す卵塊がお椀のようだから」など様々な説があります。
さらに「イタンキ(お椀)」にまつわる、次のような悲しい伝説が残されています。

昔、大変な不漁に見舞われ、飢えに苦しめられていた日高のアイヌたちが、獲物を求めて旅をしていました。ここ室蘭に辿り着いた時、沖にクジラの死体を見つけ、大喜びで岸に流れ着くのを待ちました。しかし、いくら待って近くによって来ることはありませんでした。それもそのはず、クジラと見えたものは実は岩だったのです。
人々は流木を燃やして暖をとりながら何日も待ち続けました。そのうち流木がなくなって、ついには自分たちのお椀(イタンキ)も燃やしてしまいました。しかし、岩が動くはずもなく、結局彼らはクジラを夢見ながら死んでしまいました。

この岩はそのまま鯨岩と呼ばれており、今でもイタンキ浜から望むことができます。

イタンキ浜の奇妙な出来事

伝説とは別に、イタンキ浜では背筋が冷たくなるような不気味な出来事も起こっています。
1972年のこと。イタンキ浜にかかる道路工事の最中に、大量の白骨化した遺体が偶然発掘されたのです。その数はなんと115体にものぼります。詳しい身元は不明ですが、恐らくは戦時中の悲惨な状況のもと亡くなられた方々のものだろうと考えられています。

また、かつてのイタンキ浜は、夏になれば海水浴客でにぎわいを見せる人気スポットでしたが、水難事故が多発したため海水浴場は廃止されてしまいました。離岸流が発生しやすいため、沖へ沖へとどんどん流されて帰れなくなってしまうと言われています。現在も遊泳は禁止されています。

悲しい事故の名残からか、イタンキ浜は心霊スポットとしての面も併せ持っています。

じっくり味わいたい、美しくも切ない砂浜

鳴き砂、イタンキ伝説、水難事故……どこか哀切を感じずにはいられない砂浜ですが、昔から不思議な魅力のある地として、人々を惹きつけてやまないスポットだと言えます。
街の喧騒から離れてひとり、鳴き砂を踏みしめながら感傷にひたりたいときには、是非訪れてみてください。

※画像はイメージです。

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