列車で行ける廃線見物 札沼線 北海道医療大学駅

2020年に札沼線の北海道医療大学~新十津川区間が廃線となった。
札沼線は自分の生活圏と若干重なっており、新十津川へも1回乗ってみた事はある。
気にはなったものの、外出自粛時期で廃線に関わるイベントを見届ける事は出来なかった。
そして翌年、少々落ち着いた4月に、どうなっているのか廃線見物をする事にした。

旅行者なら見落とす札沼線

札沼線は札幌から西へ進む路線である。
分岐をする桑園駅には快速が停車しない為、小樽に行こうとする旅行者にとっては、存在すら認識されないだろう。
これが琴似からの分岐なら、また違った未来があったのかも知れない。

さて列車に乗り込み、桑園から北へと進む。
それなりに住宅の並ぶ札幌市北区の市街を抜け、石狩に入ると、広々とした農地と住宅の混在した風景になる。
山が近くて和風建築なら日本風田園風景だが、近代建築で真っ平らな農地は、いかにも北海道だ。

少し進むうち、残雪がちらほら目に付き始めた。
札幌市街では暖かくなって来たと思っていたのだが、やはり北区より向こうは温度も積雪も2段階違う。
着る物の選択をミスしたかな、と思いつつも、終点の北海道医療大学駅に到着した。

雪の中の廃線

医療大学直結の駅前は、連絡通路内にセイコーマートとバスターミナルがある他は、農地ばかりが広がる。
早速廃線になった線路を見に行こう。

思ったよりは暖かく路面に雪はないが、土の上はやはりかなり雪が残っている。駐車場の一角が排雪場になっていて、高い雪山もある。
線路脇の家をぐるりとまわって幹線道路に繋がる道が、かつての線路を横切っていた。
融けかけの雪に「立入禁止 JR北海道」の文字が付いたバリケードが埋もれている。札幌方面にも新十津川方面にもあるが。
……線路が埋まって見えなかった。そりゃそうだ。

とりあえずひとまわりしたが、大体雪原の中に道路が通っている状態で、廃線の寸断感はあるものの、写真を撮っても今ひとつ何だか分からない状態だった。

夏草や

2ヶ月後、改めてリベンジで行ってみたところ、雪はすっかりなくなって、錆色の線路が緑の草の間に延びていた。
踏切の痕跡は、路面に貼り直されたアスファルトだけだ。

線路はいずれは撤去されるのか、放置されるのかは分からないが、この数年は「廃線」として景色に定着していく過渡期ではないかな、とも思う。ちなみに雪原に見えていたものは、水田だった。丁度田植えも終わり、育ち始めの稲ですっかり緑色になっていた。

おわりに

緑の中の廃線や廃墟はもの悲しくもあるが、何かしらワクワクするものでもある。
錆が自然に存在する本来の鉄の姿と考えると、案外当たり前の感覚なのかも知れない。

小樽の例からも分かる通り、保存された廃線はどうしても小綺麗な加工品になってしまうし、かといって保存しなければいずれ朽ち果てるか撤去される。
生の状態の廃線を気軽に見られるタイミングは、逃さずに押さえたいものである。

※一部の画像がイメージです。