大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、菅田将暉さん演じる源義経が脚光を浴びました。
義経は衣川で討ち死にしたとされていますが、生きのびて北海道に渡ったという「義経北行伝説」が根強く残っています。
そんな伝説の地の一つ、日高地方を訪ねました。
日高地方には、北海道に渡ったとされる義経伝説の足跡が幾つか残されています。ご紹介したいのは、平取町の「義経神社」と新冠町の「判官館森林公園」です。
平取町の「義経神社」
伝説の地であることをストレートに伝えてくれる「義経神社」は、日高地方の北部にある平取町の市街地にあります。道路沿いに建つ立派な鳥居をくぐり、広々とした境内に入っていくと、あちこちに「義経神社」ののぼり旗が見られます。ご祭神はもちろん源義経公ですが、平取の地に根付いていたアイヌの人々とも関係の深い神社です。
義経神社のサイトによると、「生きのびた義経公が平取にたどり着き、現地のアイヌ人と文化を共有し、ハンガンカムイという英雄になったと伝わる」とされています。神社の創建は、江戸時代末期に近藤重蔵という方が当地を訪れ、アイヌの人に義経公の木造を御神像として贈ったのが起源だそうです。
源平合戦最大の功労者であり、悲運の武将だった義経を顕彰する意味合いもあったのでしょうが、境内には義経ばかりではなく、母親の常盤御前、愛妾の静御前の碑も建てられており、義経とその一族に対する根強い信仰ぶりをうかがわせます。また、境内の一角に義経資料館があり、義経伝説に関連する資料が展示されています。
平取町へは、新千歳空港から車で約1時間です。
新冠町の「判官館森林公園」
平取町から南下し、日高地方の太平洋側の中心部にある新冠町は「サラブレッドのまち」として知られています。廃線となった日高本線新冠駅から新冠川をはさんだ対岸にある巨大な岩壁が「判官館」と呼ばれる岬になっており、日高本線在りし日の頃は鉄道写真の名所でもありました。
九郎判官源義経が、兄の頼朝軍から身を守るために要害としたという伝説にちなみ、判官館と呼ばれるようになったそうです。そびえ立つ岩壁を眼前にすると、とても登れそうにないよう見えますが、遊歩道が整備されており、階段状ですが比較的容易に登れます。岬の頂上付近は湿原が広がっていて、木道を歩いて散策もできます。湿原内では春から秋にかけて、さまざまな花が訪れた人の目を楽しませてくれます。
ここでも、義経とアイヌの人々との交流が伝わっており、義経に恋したアイヌの女性が結ばれぬ恋を嘆いて岬から身を投げたという悲しい話も残っているそうです。アイヌの人々と深く結びついていた義経ですが、やがて頼朝の追手が迫っていることを察し、いずこかへ姿を消してしまったといいます。
新冠町へは、札幌、苫小牧、新千歳空港から長距離バスが出ています。
さいごに
北海道内には、このほかにも「義経北行伝説」の地が随所にあります。
歴史ロマンあふれる義経の足跡を巡る旅をしてみてはいかがでしょうか?
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