北海道で十字ギツネを見つけられたら幸運がやってくる?

北海道といえばキツネのイメージが強いかと思いますが、そのなかでもとくに希少とされている十字ギツネ。
生態や名前の由来、アイヌの関係性、北海道で十字ギツネに出会える可能性のあるスポットをご紹介します。

目次

ウルトラ希少〜北海道の十字ギツネって?

北海道の地に姿をあらわす十字ギツネは「幸運の狐」といわれているほど、とっても希少な動物です。カメラマンやハンターの方でも見つけることが困難といわれる十字ギツネですが、みなさんは、このようなキツネがいることをご存知でしたでしょうか?

北海道を代表する動物といわれて、多くの方がキタキツネを思い浮かべるかと思います。今回ご紹介する十字ギツネは「キタキツネ」の毛色が変化した種といわれているのです。

北海道でしばしばお目にかかるキタキツネの毛色がオレンジ色なのに対して、十字ギツネは全体的に黒い被毛に覆われています。

海外では文字どおり「CROSS FOX(クロスフォックス)」の名で呼ばれています。
名前の由来の通り、十字ギツネの背中には十文字の模様があり、鼻から首にかけてラインが入っていることが特徴です。

キツネにしてはめずらしい模様を持つ十字ギツネですが、その数はキタキツネより少なく、さらに警戒心が強いとされており滅多に見ることはできません。そのため、人間の姿を見つけるとすぐに逃げてしまうため、十字ギツネの生息数は把握されていないのが現状です。

十字ギツネの生態

成獣の体長は約40〜45センチ、体重は約2〜8キログラムですが、地域によって異なるといわれています。食性はキタキツネやギンギツネと同じく雑食です。ネズミなど小型の哺乳類や鳥類、昆虫、魚類、果実などを食べて暮らしています。また、キタキツネと同様にほかの動物の死骸を食べることもあります。

十字ギツネの繁殖期は12月から2月にかけて、出産は3月から4月のあいだにおこなわれます。出産には毎年同じ巣穴が使われ、斜面に穴を掘ってつくることが多いとされ、基本的には通常の北キツネと同じです。

生息地は釧路、根室地方の森林や草原に多く生息していると言われています。

十字ギツネの悲しい歴史

明治時代から昭和初期にかけて、キツネの被毛は頻繁に売買されていました。一般的なキタキツネとは異なり、背中に十字の模様を持つ十字ギツネはめずらしく、それだけに被毛は高値で売買されていたといいます。

さらに、より美しい十文字の模様をつくりだすためにアカギツネとの交配がおこなわれた時期もあったのだとか。

それから時が経ち、だんだんとキツネの被毛は売れなくなります。被毛が売れなくなると養狐場は衰退。繁殖されていた十字ギツネを含めたキツネたちは密かに野へ放たれました。そうして野生となった十字ギツネが現在にいたるまで、たくましく生き抜いてきたのだとされています。

人に危機の到来を告げる神

十字ギツネはアイヌのひとたちから「シトゥンペカムイ」と呼ばれ、崇められてきました。シトゥンペカムイは「人に危機の到来を告げる神」との意味を持ちます。

さらに、北海道の猟師さんのあいだでも十字ギツネに関する伝承があるのをご存知でしょうか?

いまよりずっと前、北海道のある猟師さんが身体の黒いキツネを見つけました。さっそく猟師さんはそのめずらしいキツネのあとを追いはじめました。

キツネとの距離を保ちつつ、樹木に身を隠したりしながらさらに山の奥へ、猟師さんは必死になって黒いキツネを追いかけます。

どれくらい時間が経ったか。

猟師さんは今自分がどこにいるのか、わからなくなってしまっていました。なんと猟師さんはキツネを追いかけるのに夢中なあまり遭難してしまったのです。

この話から、北海道の猟師さんのあいだでは「黒いキツネを追うと命を奪われる」という話が広がっていったのです。この伝承にある黒いキツネとは「十字ギツネ」だったのではないかといわれています。

会えたらラッキー!希少な十字ギツネに会いたい

ぜひ十字ギツネに会ってみたい!

そのように思う方は少なくないと思います。なにしろ、滅多に人前に姿をあらわさないキツネです。一目でいいから見てみたいと願うのは当然のことでしょう。
しかし、残念ながら、いまのところ確実に十字ギツネが出現するスポットというのは確認されていません。

先にも述べたように野生の十字ギツネは警戒心が強く、会える確率は1パーセント以下とすらいわれています。

それでも十字ギツネに会ってみたいんだ!
という方のためにご紹介したいのが北海道北見市にある「北きつね牧場」です。1983年に開園したこの牧場は幅広い種類のキツネが飼育されていることで有名です。

広い敷地のなかを北海道でしか見られないキツネたちが自由に闊歩しています。ぜひ、十字ギツネを探してみてくださいね。

いかがでしたでしょうか?

今回は北海道で暮らす十字ギツネについてのご紹介でした。十字ギツネの生態、分布、歴史を知ることでより十字ギツネに興味を持たれたのではないでしょうか。

あまりの遭遇率の低さに「幻の狐」「幸運の狐」と呼ばれている十字ギツネ。一度でいいから野生の十字ギツネにお目にかかりたいものです。

十字ギツネに出会うことができた幸運な方がいましたら、ぜひコメントでお知らせください!

そして、もうひとつ。そんな幸運なあなたへお願いがあります。野生の十字ギツネを見つけることができても、むやみに近づいて怖がらせたり、餌を与えたりしないようお願いします。
十字ギツネを含むすべてのキツネたちが暮らしやすい北海道の地を、これからも守っていきましょう。

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