現代建築の巨匠 安藤忠雄が手掛けた「頭大仏」

まだ残暑の残る北海道のお彼岸。札幌市南区の山奥に拓かれた丘陵に、真駒内滝野霊園(まこまないたきのれいえん)があります。目的はお墓参りではなく、滝野霊園名物の「頭大仏(あたまだいぶつ)」。

ひっそりと佇む巨大な大仏は観光地としての知名度は低いながらも、日本を代表する建築家・安藤忠雄氏が手掛けた非常に見ごたえのある作品で、世界各国からも頭大仏を求めて多くの人々が訪れる、札幌市内の隠れ名スポットとなっています。

目次

墓参りシーズンは混雑必至!頭大仏までのアクセス

頭大仏までのアクセスは主に二通りです。車で札幌市内から約30分(真駒内駅からは約20分)、もしくは地下鉄南北線・真駒内駅から市内バスが運行しています。本数はそれほど多くなく、時期によっては帰りのバスが15時台で終了しますのでご注意ください。またお盆シーズンには墓参りへ向かう人々で非常に混雑しますので、予定をしっかりと立てた上で訪れましょう。

私が訪れたときはお彼岸の時期ということもあり、バス停には大行列が。大半の方はお墓参りが目的のようでした。お供えものを抱える人々に紛れてバスへ乗り込み、いざ現地へ。おおよそ20分程で滝野霊園へ到着しました。

まず到着して目に飛び込んでくるのが、頭大仏の対角にずらりと並ぶ巨大なモアイ像。
設置された説明書きによるとモアイは「モ」と「アイ」を足して未来に生きる、ストーンヘンジについては墳墓であるらしい。どちらも行きた証と未来への希望を表し、宗教を問わないという事を体現しているようです。
滝野霊園内にはこうしたユニークな像や模型が随所に設置されており、訪れる人々を驚かせます。

高さ13.5mの巨大な頭大仏を仰ぐ

頭大仏への入り口手前には、大きな『水庭』が横たわっています。薄く張られた水と、一切の装飾を省いた極シンプルな直線の織りなす造形。安藤忠雄らしさが一面に広がる唯一無二の世界観です。
大仏へは、この大きな水庭を迂回しながら進みます。時間によって変化する光と影が薄灰色の壁に静かに陰影を落とし、よりいっそう趣のある空間を演出していました。

ウォーターガーデンを抜けると、頭大仏まで約135mの長いアプローチが続きます。蛇腹のような模様をあしらった半円状の天井の造形も楽しみながら、いよいよ目的の頭大仏へ。ぽっかりと開いた天井から差し込む日の光が大仏を照らしており、まるで後光がさすような神秘的でありがたい姿で鎮座していました。大仏の周りを一周すると、なにやら良い事が起こると言われているそうです。しっかりと両手を合わせて拝み、しばしその姿を楽しみました。

モダンシンプルなカフェでコーヒーを一杯

ウォーターガーデンの向かって左側には、お土産屋さんとカフェが併設されています。こちらの建物も、もちろん安藤忠雄氏の設計です。内装もシンプルで、コーヒーを淹れる音が優しく響く、静かでおしゃれな空間に仕立てられていました。

頭大仏グッズはもちろんのこと、札幌市の名産である「札幌軟石」を使ったアロマストーンや、雪の結晶のアクセサリーなどの素敵なセレクト品が並んでおり、思わず手に取り眺めてしまいます。こちらで、私もコーヒーを一杯いただいてきました。また、こちらのカフェで限定販売されているのが、安藤忠雄氏の直筆サイン入り写真集です。ファンであれば垂涎の一品で、私も多分にもれず一冊購入しました。

ベストシーズンは8月!ラベンダーの香りを楽しんで

春夏秋冬、いつ訪れても異なる情景を楽しめる頭大仏ですが、一番おすすめの季節はラベンダーが満開を迎える7月後半~8月前半です。頭大仏を取り囲む丘一面にラベンダーが螺旋を描くように植え付けられており、夏には紫色の壮大な渦を描きます。
芳醇な香りに包まれながらの散策は、いつまでも心に残る思い出のワンシーンとなるでしょう。 

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