夫婦龍の伝説残る当麻鐘乳洞

上川郡、旭川市の北部に隣接する当麻町には鍾乳洞があるのをご存じですか?
当麻鍾乳洞は、当麻駅から車で15分程度の奥まった場所にひっそりとあります。

入った瞬間からひんやりと涼しく、夏の観光スポットとしてもおすすめの場所。学術的にも貴重な鍾乳石の数々がライトアップされ、太古のロマン感じる神秘的な雰囲気の中でちょっとした冒険感覚を味わえる一風変わったスポットです。

目次

当麻鐘乳洞とは?

当麻鍾乳洞は、1957年(昭和32年)、当麻石灰工業株式会社の故・今村勇氏によって石灰岩を採掘中に発見されました。
約1億5千年前のジュラ紀から、気の遠くなるような時間をかけて地下水の溶触作用が作り上げた石灰洞窟。面積は1500平方メートル、全長約135m、高さ7~8mの大きさで、洞窟内は5つに区切られており、狭い通路でつながっています。

洞内は大小無数の鍾乳石で満たされ、特に中が空洞になったパイプ状の「マカロニ鍾乳石」は世界的にも珍しいとされています。
いずれも純度が高く透明感があり、鉱物学的にも価値があることから1961年には北海道天然記念物に指定されました。
現在は観光スポットとして整備されており、洞内には歩道や階段が設けられています。

当麻鐘乳洞に伝わる伝説

ここが「当麻町」と命名される前、このあたり一帯は「トウ・オマ」と呼ばれていたころ、「雲の中から夫婦の龍が現れ、その龍を自分たちの守神にしこの地の発展を願った」という伝説がありました。その龍神たちが休んでいる場所が、この当麻鐘乳洞だと言われています。
発見当時、洞窟の形が2頭の龍が寄り添い横たわるように見えたことから、かつては「蝦夷蟠龍洞」と呼ばれ親しまれていたそうです。

今でもこの鐘乳洞では龍神が休んでいる・・・と考えられていることから、町の所々でこの伝説をモチーフとした2頭の龍の姿が見られます。
町のゆるキャラ「りゅうたくん」も、この言い伝えをもとに誕生したそうですよ。

パワースポット

そんな伝説が残る当麻鍾乳洞は、縁結びのパワースポットとしても有名です。
洞内には龍神社が設置されており、「夫婦龍が休まる場所」という伝説にあやかりたいカップルや良縁に期待する男女に人気があります。

縁結びだけでなく、開運全般でも注目。龍の通り道とも言われる「神昇道」と呼ばれる通路があり、ここを通ると龍の加護を得られると言われています。神昇道の奥の突き当たりには、パワーが強いと言われている金色の仏像が安置されています。
当麻を守る龍の力を随所で感じることができそうですね。

それだけじゃない!実は怖い?

パワースポットとして親しまれる当麻鍾乳洞ですが、実は心霊スポットとして知られる場所でもあります。

2ch掲示板には、
「二つ目の空間に入ったところ、「おぎゃー!おぎゃぁ!」といきなり赤ちゃんの泣き声がして凍りついた。」
との投稿が寄せられています。

ただ、

「昔あそこの洞窟の足場もっと高い位置に作られてたんだよ、赤ちゃん連れた夫婦なんかも来てたんだけど、天井低いからかがんだりすると、おんぶしてる赤ちゃん天井の岩にぶつかるのさ」

とのレスがあることから、他の観光客の赤ちゃんが突然泣き始めた可能性も・・・・
このほかにも、心霊写真が撮れたという話や、足のない女の人を見たという話もあります。

本当に心霊スポットなのか・・・真相は定かではありませんが、パワースポットというだけあって、霊的な力も呼び寄せやすいのかもしれません。
筆者は以前、家族と一緒に入ったことがありますが、あまり混雑していなかったこともあって洞内はとてもひっそりとしていました。
ライトアップされた場所以外はぼんやりと暗く、自動案内放送がかかってはいるものの時おり水がしたたる音が響くので、一人で入るといろいろと怖い想像をしてしまいそうです。

不安に感じる人は、複数人で入ることをおすすめします。

最後に

筆者が訪れたのは7月下旬でしたが、ムワッっとした暑気から逃げるように入った鍾乳洞の涼しさにしばし癒されました。出たときに夏の暑さに引き戻され、すぐに2回目に挑んだほどです。

また、乳白色の鍾乳石がライトに照らされ、神秘的な雰囲気に目を奪われました。
ただ、ここに閉じ込められたら・・・と想像すると、閉所恐怖症でなくても少しぞっとしてしまいます。
「ルートから外れてどこかの穴に入ってしまったら、二度と出てこられないのでは・・・」「この奥に何かいるのでは・・・」といったような恐怖感ももちました。

北海道でもかなりの暑さになる夏、身も心も涼しく感じることができるこのスポット。
旭川市からほど近く、入場料も大人500円(小・中学生300円、小学生未満無料)とお手頃ですので、ぜひ行ってみてはいかかでしょうか。

余談ですが、当麻町道の駅のスイカソフトは想像よりおいしいので、お立ち寄りの際はぜひ試してみてください。

※画像はイメージです。

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