「知床博物館」は斜里町の町立博物館。
この博物館のおすすめポイントを紹介していきます。
斜里町立知床博物館とは
「知床博物館」は1978年に開館した歴史のある・・・というよりは、建物の作りから若干の古さを感じる町営の博物館で独特な雰囲気があり、地方博物館がお好きな方にはたまらない物があること間違いなしです。
1993年に併設された姉妹町友好都市交流記念館、野外観察園の鳥類保護舎、高山植物園とかなりボリュームがあり、全て回ると半日はかかるでしょう。
展示の内容は、知床半島の生い立ちから始まる自然史、人々の歴史と民俗、知床の自然や動物と、おおよそ定番の展示ですが、展示量や個性的な展示で予想以上にオイシイ思いをしました。
1階のポイント
知床へのいざないと称した、祖先たちが初めてみたであろう荒々しい岸壁、巣食う鳥たちのジオラマからスタート。
こういう演出をする博物館が時々ありますが、小さい子どもとか結構な確率でトラウマになったりします。
抜けていくと歴史や民俗資料の展示となり、遺跡の紹介と近隣から出土した壁一面の土器。ふと、まともな防寒もできなかったのに北の最果てに近い土地にも、人の営みがあったのだと関心します。
遺跡のパネル展示やアイヌの資料を観ながら進んで民俗コーナーへ進んでいくと鉄道歴史コーナー。
斜里駅のジオラマやグッズが展示され、鉄ちゃん喚起の越川駅の駅名標が。これを観るだけに訪れるヲタもいるという話があります。
当時の生活コーナーの展示はありますが、物品が置かれているだけでマネキンを置いた再現はなく、あまり力はいれていないようです。昭和の家電品の展示もありますが、手回し脱水機のついた洗濯機やブラウン管モノクロテレビや掃除機ぐらいでそれほど珍しい物やツボをついた物がなくてやや残念です。
補足ですが、この近辺には炭鉱がなく関した展示はありません。
2階のポイント
ちょっと中途半端な螺旋階段で2階にあがると、鹿の剥製ちゃんとミンククジラの骨格標本がお出迎えする「野生生物コーナー」へ。
ここでは知床の自然、動物の資料が展示されているのですが、剥製をつかった原寸ジオラマ展示がメインでかなりの迫力があります。
「生き物たちのつながり」、をテーマにした展示がいくつかあり、ワシに狩られる小動物(なんだったかは失念)、ヒグマに食べられかけているエゾシカなど、かなりリアルなグロ剥製の展示が印象的です。
弱肉強食の自然の摂理は解るのですが、小さいお子さんのトラウマ案件でしょう。
流氷の動物や森の仲間達(仮)コーナーの柔らかめな展示で心を和ませてください。
標本室も覗けるのですが、標本の量が他の博物館を圧倒するような多さが驚きです。
姉妹町友好都市交流記念館
パンフレットでは渡り廊下をつかって行けるようになっているのですが、訪問時はなにかの事情で通行できませんでした。博物館を一度出てから隣の建物へ。入館料は別途かかりません。
ここでは姉妹町の沖縄県竹富町、友好都市の青森県弘前市の自然や文化を紹介しています。
沖縄の家を実寸で再現した家、屋根にはシーサーも乗っていたのが印象的。そしてなぜか「ニライ・カナイの世界観」についてとそれぞれの来訪神の面の展示に心奪われました。
他にもあり、沖縄のこういったベクトルからの紹介はめずらしいですね。
あとは毎年7月に開催される「知床ねぶた」が保管展示されています。
野外観察園
建物を出てすこし行った先に、「野外観察園」として、「鳥類保護舎」と「高山植物園」があります。
「鳥類保護舎」は事故でケガをしたエゾシカや鳥類などが保護されています。
通常の動物園より少し狭いかなと感じるオリの中には、数羽のオジロワシやオオワシが飼育されていました。
生きた鳥たちを直に観察できますが、数が少ないのでちょっとさみしい。
そのすぐそばにある「高山植物園」は、山道をイメージしたような岩がゴロゴロした遊歩道に高山植物が植わっているのですが、くわしい植物の説明板が無かったのでどれが何なんのか解りません。
たぶん詳しい方はたのしめるのでしょう。
総評
町立なので斜里町の資料がメインのように思いましたが、知床の自然史や人類史の資料が充実しています。
ただし動物の剥製が多く、展示も凝っていたので、こちらの方に力を入れているように感じました。
姉妹町の沖縄県竹富町、友好都市の青森県弘前市の展示に関しても、思ったより充実していて、やや偏りを感じつつも新しい発見があり興味深い。
野外展示は若干の物足りなさを感じつつ、総評としては満足感の高い博物館でした。
とくに動物剥製のジオラマにインパクトがあり、B級スポットとしてもポイントが高いです。
記事には書きませんでしたが、天体観測ドームも併設され、星に関する観察イベントが定期的に開催されるそうです。
イベントや講座なども開催されているので、近所であれば通ってみても面白いでしょう。
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