豊平区月寒東の太古の森の森林浴

スタート地点は札幌市豊平区月寒東にある八紘学園の売店前からです。

売店前に広がる敷地の奥に大きなポプラ並木が見えます。このポプラ並木は1951年、黒沢明監督の映画「白痴」の一場面で雪のポプラ並木を歩く原節子の映像を見ることが出来ます。この映画は現在でも視聴が可能だと思いますので是非「黒澤明 白痴」で検索してみてください。貴重な映像資料を見ることが出来ます。

500m程のポプラ並木は車の進入禁止ですからのんびりと散歩できます。

ポプラ並木は一旦広い道(北野通り)で分断されています。通りには手押し信号が有りますので横断します。ただ車は少ないのですが突然の手押し信号なので信号を見落とした車が多いと聞いていますから信号が変わっても車が止まるのを確認して横断して下さい。信号を渡ると更に100m程ポプラ並木が続いています。

ぶらぶら歩いているとお出迎えしてくれるのは3匹の猫。右側にある八紘学園・北海道農業専門学校の牛舎に住んでいるようです。上手くすると面白い牛の運動装置を見ることができます。

ポプラ並木の左側は数年前まで開催されていた花菖蒲園の広い丘陵地帯が広がっていますが現在は何も植えては有りません。更に歩いて行くと小さな橋「菖蒲橋」が架かっています。橋の下を流れる川は月寒川の支流のラウネナイ川で札幌ドームの奥にある池から流れ出てこの菖蒲橋の少し下流で月寒川に合流する長さ3.4kmの短い一級河川です。「ラウネナイ」はアイヌ語で深い谷間を流れる川と言う意味が有ります。

この橋を渡って直ぐ右側に自然石で出来た石碑があり石碑の碑面に「あやめばし 崇仁 三笠宮殿下 御命名」と刻まれています。この石は昭和42年に流失した木製橋を永久橋に架け直した際に八紘学園創始者の栗林元二郎氏が建立し、三笠宮崇仁親王殿下が命名し揮毫したものを刻みつけたものです。石碑の周りは草が刈られ手入れが行き届いています。

菖蒲橋を渡ってしばらく奥に進むと、右手の雑木林の道沿いにひっそりと石碑が建てられています。石碑の碑面には筆文字で「弔愛畜之碑」と刻まれています。先日八紘学園からお借りした八紘学園七十年史によると、「学園の開設以来、農作業に貢献してきた馬たちの霊を慰める「馬頭観音碑」である」と書いてありました。そう言えば「白痴」の中でも馬橇が映っていました。建立年は判明ですが昭和四十八年七月に移築建立した碑であると書いてありました。

後は道沿いに歩いて小さな橋を渡り切ってUターン。ラウネナイ川を左に見てしっかり森林浴を楽しみましょう。道はぐるり回って菖蒲橋の手前に辿り着きます。

菖蒲橋に戻る右側の花畑は今年7月8日(金)~7月10日(日)に開催された「第9回北海道フィールドトライアル」の会場です。八紘学園・北海道農業専門学校の園芸課の学生が丹精込めた600種類もの花が咲いていました。来年は第10回記念になりますので是非森林浴を楽しみながら散歩してみてください。

来た時の道を戻って最初のポプラ並木まで約3km。深い森の中を歩く散歩コースは堪能できましたか?

 

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