少々記憶があいまいですが、私は幼稚園生だったと思います。
道東に引っ越し数年経った頃のことです。
水抜き
北海道は、言わずと知れた酷寒の地。その為、たとえ室内でも夜間には水道管の水が凍って破裂したりしないように、水道管の中の水を無くす「水抜き」をする必要があります。
やり方は北海道の家には必ずある「水抜き栓(水道の元栓)」を閉め、蛇口を開け残っている水を出し切り、最後に蛇口を閉めて完了です。
もちろん母はその事を知っていたし、その夜もきちんと水抜きをして寝ていたと思うのですが・・・。
今思い返すと、関東生まれの関東暮らしだった母は、北海道の冬に慣れなかったと思います。
ある朝
ある日の朝、起きるとのどが渇いていたので、台所の蛇口をひねって、コップに水を入れようとしました。
けれど、蛇口をひねってもひねっても、水は出ません。
父や母、兄弟に聞いてみると、「水道管が凍った」。
それからどうやって生活したかは覚えていませが、水を完全に使えなくなったという記憶はなく、台所だけではなく洗面所もあったので、そちらを使って何とかしたのだと思います。
「このまま水道管が凍ったままだったらどうしよう?」
幼いころの私はそう考えていたのですが、ずっと家にいるわけにもいかず幼稚園に行きました。
どうなったの?
そして幼稚園が終わり帰宅して、母に水道管がどうなったか聞きました。
「ああ、台所下に入れるでしょう?あの後、そこに潜って見える範囲の水道管に向けて、何時間もドライヤーを当て続けてみたの。そしたら、だんだん水が出るようになって、今はすっかり元通りよ」と、あっけらかんと言われました。
私はほっとした半面、少しだけ拍子抜けしたと思います。
ちなみにですが、隣に住んでいたおばさんに後から聞いた話だと、お湯を沸かして水道管にかけた方が早いそうです。
それ以来、寝る前に水抜きを欠かさずするように家族全員で気をつけるようになったのと、寝ているときでもストーブを低い温度でつけっぱなしにされるようになりました。
灯油代が気になるところですが、致し方ないのかもしれません。
大人になってから改めて水道管の修理費などを調べてみると、結構な額を取られることを知り、あの時母がドライヤーを当てて直すことができてよかったとも思いました。
※画像はイメージです。
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