ヤ〜レン ソ〜ランソ〜ラン〜でおなじみのソーラン節。
実は北海道発祥の民謡で、ニシン漁の時に唄われていたことを、みなさんご存じですか?
そういえば、この「ソーラン」とは何なのでしょうね?!
今回は、「ソーラン節」がどうして生まれたのか、その歴史と謎に迫ります!
そもそもソーラン節って?
ソーラン節は、北海道・後志(しりべし)地方、日本海沿岸地域の民謡です。
かつて江戸時代から昭和初期まで、この地域ではニシン漁が盛んに行われていました。ソーラン節は、ニシン漁の際に唄われた「鰊場作業唄」の一節、「沖揚げ音頭」が独自に変化したものです。
沖揚げとは、獲ったニシンを陸へ運搬するため、小さい船に引き上げをする作業です。その作業時の掛け声が「ヤーレンソーランソーラン」「ドッコイショードッコイショ」。
囃子詞の「ソーラン」にちなんで「ソーラン節」と呼ばれるようになりました。
発祥地の積丹郡余市町豊浜には、昭和36年に建立された「ソーラン節発祥之地記念碑」があります。
この記念碑には、安正2年に鰊建網漁法が枠網沖揚げに合わせて唄われる民謡として「ソーラン節この地に生る」と記されています。
ソーラン節は2つある?!
ソーラン節には「本家ソーラン節」と「南中ソーラン節」と呼ばれるものがあります。
本家ソーラン節は、いわゆるオーソドックスな民謡です。昭和10年に、札幌の民謡家・今井篁山(いまい こうざん)によって伴奏がつけられ、多くの民謡歌手により歌われています。
南中ソーラン節とは、民謡歌手の伊藤多喜雄氏によって、本家ソーラン節をロック調にアレンジしたもので、なぜ「南中」がつくかというと稚内市立稚内南中学校が発祥だから。
学校内の風紀を正すため、ロック調のソーラン節で全校生徒が演舞したそうです。その際に伊藤多喜雄氏が、このアレンジ曲を贈ったそうです。
その後、1999年に放送されたTBSのドラマ「3年B組金八先生 第5シリーズ」 のエピソードの1つで、南中ソーラン節を生徒達が踊り、それがきっかけで「南中ソーラン節」が全国に広く知られるようになりました。
今では運動会や体育祭などで、よく踊られているようですが、金八先生で知った方も少なくないのではないでしょうか?
ソーラン節に隠された秘密?!
ところで、当たり前のように「ソーラン節」と言っていましたが、「ソーラン」とは一体どのような意味なのでしょうか?
沖揚げの作業をする時に唄ったものなので、その掛け声の「ソーレ」や「ソォーラ」などが変化し「ソーラン」になったという説があるのですが、それとは別に「ソーラン」は「ヘブライ語」だという、驚きの説があるのです!
ヘブライ語とは古代イスラエル民族やユダヤ人が使った言葉で、「ソーラン」はヘブライ語で「1人で歌う者」という意味。
「ヤーレン=神に喜び歌う」「チョイ=行進する」「ドコイショ=神の力で押しのける」。
日本語では不思議な言葉に聞こえる囃子詞はヘブライ語で解釈できることから、このような説があります。
なぜヘブライ語が北海道で?!といえば、日本人のルーツはユダヤ人・・・「日ユ同祖論」という話があり、ヘブライ語にルーツのある唄が言い伝えられてきている。という可能性もあるかもしれません。
「日ユ同祖論」に関してはテーマから外れてしまいますので、気になる方はリンクを張っておきますので、ご自身で調べてみてくださいね。
ソーラン節の豆知識
さて、ソーラン節には、現在では約10種の踊りの形があると言われています。
どの踊りでも、両手で「引き揚げる」動作や波を表す踊りなど、本家ソーラン節から受け継がれています。
最近、北海道で夏の一大イベントとなった「YOSAKOIソーラン」。これは高知県の「よさこい祭り」と北海道の「ソーラン節」を融合させて誕生したお祭りで、普通のソーラン節とは少し違っています。
YOSAKOIソーランと、本家や南中ソーラン節との大きな違いは、鳴子を持って踊ることで、YOSAKOIソーランで使用される曲は、すべてソーラン節ではなく、ソーラン節のフレーズが入っていればよいことになっていますので、アレンジが多いという訳なのです。
ソーラン節はロマン
いかがでしょうか?
ソーラン節はただの民謡かと思ったら、思いのほかロマンのある唄でしたね。
また、本家からさまざまに派生し、それぞれに受け継がれている民謡も珍しいのではないでしょうか。
関東出身の私は幼い頃にスーパーのお魚売場でいつも流れていて、民謡を習っていたわけでもないのに、なぜか子供の頃からソーラン節が大好きでした(笑)
今回、歌詞を見てみたらスラスラと唄えて、不思議です・・・もしかしたら、前世でニシン漁をしていたのかも?!
これからソーラン節の唄や踊りを見聞きする機会がありましたら、そのルーツや唄や踊りの意味を思い出して、ソーラン節のロマンに想いを馳せてみてくださいね!
※画像はイメージです。
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