キタキツネだけじゃない!北海道のアイドル「エゾタヌキ」から目が離せない!

北海道で人気を集めているのはキタキツネだけではありません。今回、ご紹介いたしますのは自然豊かな北海道に棲むエゾタヌキ。エゾタヌキの生態、基本情報はもちろん、面白おかしいエゾタヌキの小話やエゾタヌキに会うことが叶うおすすめスポットをご紹介していきます。

目次

エゾタヌキを知り尽す

 タヌキといえば、昔から現代に至るまであらゆる作品にキャラクターとして登場しています。揺るぎない人気を博していますエゾタヌキ。しかし臆病な性格からか、人目に触れることは少ない動物です。そのため、明かされていない部分も少なくありません。本章では、そんな謎に満ちたエゾタヌキの生態、活動に迫ります。

エゾタヌキって何者?

エゾタヌキは北海道の固有種です。固有種とは、その地方だけに生息している生物種を指します。日本には北海道の「エゾタヌキ」のほかに「ホンドタヌキ」といった種類のタヌキがいます。

エゾタヌキとホンドタヌキの違い

それでは実際にエゾタヌキとホンドタヌキの違いについて見ていきましょう。

※ 画像をお願いいたします(エゾタヌキとホンドタヌキの画像があれば幸いです)。

いかがでしょうか?だいぶ似ていますよね。エゾタヌキとホンドタヌキの違いを下記にまとめてみました。

  • エゾタヌキはホンドタヌキと比べてからだが大きい
  • エゾタヌキの冬毛はホンドタヌキと比べてふっくらしている
  • エゾタヌキはホンドタヌキと比べて毛が長い
  • エゾタヌキはホンドタヌキに比べて毛の色が淡い

ほかにも、目のまわりに黒いふち模様があるのもエゾタヌキの特徴です。

エゾタヌキがイヌの仲間って本当?

とつぜんですが、あなたは以下のタヌキとアライグマを見分けることができますでしょうか?

※ 画像をお願いいたします(タヌキとアライグマの画像があれば幸いです)。

なかなかむずかしいですよね。じつはタヌキは「イヌ」の仲間で、アライグマはアライグマ科に属していてタヌキの仲間ではありません。

タヌキとアライグマは頻繁に見間違われてしまうほどそっくりさんなのです。タヌキとアライグマの違いは以下の通りです。

  • 顔(鼻の筋に沿った模様がないのがタヌキ)
  • しっぽ(タヌキには縞模様がない)
  • 足のうら(タヌキの肉球はイヌに似ている。アライグマはヒトの手みたいに指が長い)

エゾタヌキの特徴

からだの大きさは約50〜60センチ、しっぽの長さは20センチ前後、体重は個体によってバラつきがあり、約4〜8キログラムです。

エゾタヌキは手足が短いため、穴を掘ることに適しています。しかし、めったに自分で穴を掘ることはありません。木の根もとや、岩のあいだなどを巣にして暮らしています。ふだん活動している範囲内に複数の巣をもっているのが特徴です。キツネが放棄した巣などを利用することもあります。
また、木に登るのは得意ですが、登った木から降りるのは苦手です。

エゾタヌキは基本的に夜行性で、昼間は巣の中で過ごしています。しかし、エサに困っているタヌキは昼間でも活動をすることが知られています。
視力は良いほうではないですが、夜行性のため、暗所では目が利きます嗅覚はするどく聴力は犬と同じくらいといわれています。

エゾタヌキは冬眠をしません。そのため、秋になるとたくさんの餌を食べます。これによって皮下に脂肪を蓄え、北海道のきびしい冬を越すのです。冬越し前のエゾタヌキの体重は夏の体重と比べて15にものぼります。

エゾタヌキのごはん

エゾタヌキは雑食性です。果実や木の実などの植物性のものから、昆虫やカエル、ネズミなどの動物性のもの、さらに魚類などを食べて暮らしています。

分布

エゾタヌキはタヌキの亜種です。日本では北海道にのみ分布、生息しています。樹木が密集している森林や川、沼がある地域での生息が確認されています。

寿命

エゾタヌキの寿命は飼育下で約10野生化で68といわれています。

タヌキはこんなにもおもしろい動物!

本章では、いかにタヌキが謎に満ちていておもしろい動物なのかをご紹介していきます。

謎すぎる エゾタヌキの天敵事情

本来、野生のタヌキの天敵は主にキツネとされています。ひと昔前まではオオカミこそがタヌキの天敵でした。しかし2023年の現在、オオカミはすでに絶滅してしまっています。

そういうわけですので、エゾタヌキの天敵はキツネのほかにヒグマのみです。しかしどういうわけか、かれらエゾタヌキは国内最大の獣であるヒグマに捕食されないという報告があげられています。
しかも、なぜだかクマの巣の近くに巣をつくっているとの例も確認されています。

どうやらエゾタヌキはクマに捕食されないらしい」との情報は、アイヌのひと達にも伝わっており、叙事詩においてエゾタヌキは「クマのお世話係」として描かれています。

タヌキは幻の生物

日本においてのタヌキはいよいよ有名で、ありとあらゆる作品に登場しては人の心を魅了しています。しかし、その生息域は東アジアやロシアの一部分に限られているのです。

日本人にとっては身近な動物であるタヌキですが、じつは世界的にみたら、幻の生物だったのです。これは驚きですよね。ちなみにタヌキは英語で「raccon dog」と書きます。直訳しますとアライグマイヌ。アライグマに似たイヌ科の動物ということでこのような名がついたのでしょうか。

イヌ科なのに狩りができない?

先ほどから絶えず肉食目「イヌ科」の動物としてご紹介してきましたタヌキですが、じつはエゾタヌキも含めたすべてのタヌキはほとんど狩りをしません。かれらタヌキはイヌ科でありながら、狩りがそれほどうまくないのです。

なにしろ、タヌキは素早く動くことが苦手な動物です。また、イヌのように強い力をもっているわけでもありません。そのため、タヌキは地面に落ちている木の実や昆虫を探して山の中を歩き回って餌を探しているのです。

想像しただけでも地道な作業です。しかしそうした努力が実を結び、タヌキたちは絶滅することなく、今もこうして生き延びているのです。

タヌキの意外なコミュニケーション

みなさんは「タメフン」という言葉をご存知でしょうか?

タメフンとは「糞」を「ためる」といった意味です。エゾタヌキにはタメフンをする習性があります。タメフンをおこなう場所ではエゾタヌキたちによって情報交換がおこなわれています。つまり、共同のトイレがタヌキたちにとってコミュニケーションの場となっているわけです。

ある動物園では、タヌキのお部屋を掃除する際にこのタメフンを少量程度残すそうです。

タヌキの特技は〇〇

ズバリ、エゾタヌキの特技は死んだフリです。動物が天敵から逃れるために反射的に死んだフリをおこなう状態のことを「擬死」といいます。

擬死をおこなう動物はタヌキだけではありませんが、もともと臆病な性格もあり、タヌキが擬死をおこなうことは割と多いです。たとえば大きな音がした時などに死んだフリをします。

北海道でエゾタヌキに会う

ここまでエゾタヌキの魅力についてお伝えしてきました。タヌキという動物はどうしようもなく可愛らしく、謎に満ちた動物です。そんなエゾタヌキに会えるオススメのスポットを3つ、ご紹介いたします。

旭山動物園

旭山動物園は、動物本来の動きを見て、知ることができる「行動展示」で有名な動物園です。そんな旭山動物園内にある『北海道 小動物コーナー』にてエゾタヌキと出会うことができます。昼間は巣穴の中にいることが多いエゾタヌキ。そのため、旭山動物園では「穴の中の様子」を観察できる工夫がされています。

おびひろ動物園

北海道、帯広市にある動物園です。こちらでは数頭のエゾタヌキを飼育・展示しています。飼育員さんが発信している『エゾタヌキ日誌』では飼育されているエゾタヌキの日常生活が記されていて、眺めているだけで楽しい気分になります。個性豊かなエゾタヌキたちのかわいらしい写真が満載です。じっさいに足を運んでみたくなる動物園です。

北キツネ牧場

北キツネ牧場の最大の特徴は柵なしにエゾタヌキに接近、触れあえるということです。キツネと一緒に遊んでいることもあり、キツネとセットで写真映えも抜群!間近でエゾタヌキに会えるおすすめの施設です。

さいごに

いやはや。これほどにも愛くるしい動物がほかにおりますでしょうか、というくらい筆者の心はエゾタヌキに惚れこんでおります。
言うまでもなくエゾタヌキの容姿は可憐です。しかし、それ以上に性格が魅力的です。

「タヌキはこんなにもおもしろい動物!」の章でもご紹介させていただきましたが、タヌキはイヌ科でありながら、狩りが苦手であったり、そうかと思ったら天敵であるはずのクマに襲われないという事実があったりとその形態は謎に満ちています。

狩りが下手だという事実を受け入れ、そうして一日中歩きまわって餌を探すといった努力家のタヌキ。そんなタヌキたちのあり方をみているとなんだか元気が出てきます。

タヌキたちのように何事もコツコツと積み重ねていくことが大切なのかもしれませんね。
タヌキもがんばっているのだから、自分もがんばろう。
負けてはいられない、と勇気すらもらいます。

なにかと不安なこのご時世だからこそ、エゾタヌキに会って癒され、かれらの行動から学びや刺激を受ける。そうすることで何かあたらしい発見があるかもしれません。

本日もさいごまでおつき合いくださいましてありがとうございました。 

※画像はイメージです。

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