道南の温泉といえば「銀婚湯」がお勧め

日本全国で唯一、太平洋(内浦湾)と日本海両方に接することから二海と名付けられた郡に属する道南の八雲町。
郡名の由来となった海からは離れていますが、風光明媚な山の中・落部川のすぐ横に、おめでたい名前の温泉宿があります。
「日本秘湯を守る会」にも加盟している「銀婚湯」です。

目次

歴史や概要

もともと落部川の中流からお湯は湧き出しており、時代は和人が定住する数百年前の時代から、アイヌ民族の狩人たちが狩猟でかいた汗を流す目的で浸かっていたとも言われる古い起源を持つ温泉です。
また、江戸時代末期の戊辰戦争時には時の蝦夷共和国総裁であった榎本武揚率いる旧幕府軍がこの温泉を湯治に利用し、治癒に非常に良く効いたことで全国的な有名温泉となりました。

しかしその時点では宿もなく、湧き出す温泉の量も決して多くはない小さなもので、多くの人が訪れるには不向きでした。
そんな中、七飯町の川口福太郎という者が温泉の掘削に挑み、多くの湯を噴出させることに成功し、現在の温泉宿につながったと言います。
そしてまさにその当日である1925年5月10日が、時の大正天皇の婚礼から25年(銀婚式)だったことから「銀婚湯」と名付けられました。

現在も温泉の名前にあやかって銀婚式を迎えた熟年夫婦のほか、新婚旅行で訪れる人達も多いスポットとなっています。

おすすめや感想

温泉は内湯と露天風呂を合わせて11箇所ありますが、中でも体験してほしいのは「隠し湯めぐり」です。
これは宿泊客のみが利用可能(1つある足湯は日帰りでも利用可)なエリアで、敷地内や遊歩道の脇に7種類の隠れ露天風呂が散在しており、散策と温泉を楽しみながら時間を過ごせる銀婚湯の名物です。
また、敷地は9万坪という非常に広大なもので、四季折々の風景を楽しめる散策路も魅力です(所要時間は1周1時間ほど)

アクセス

「日本秘湯の会」に加盟していることもありアクセスに難があるように思われますが、函館駅から車で90分ほど、また鉄道では一人の利用でも函館本線の落部駅から送迎(要宿泊)が可能なので、安心して訪れることが可能です。
ただし落部駅は1日6本しかない普通列車のみ停車の駅なので、その点だけは気を付けてください。

※3月以降の方針は未定ですが、2月20日現在新型コロナウイルスの感染状況を鑑みて土日祝日の日帰り入浴は中止となっています

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