北海道歌志内市では、毎年2月の第1日曜日に「歌志内なまはげ祭り」が行われます。
なまはげと言えば東北地方の秋田県男鹿半島の行事が有名ですが、歌志内市でも独自にアレンジをした「歌志内なまはげ祭り」が開催されます。
北海道でなまはげ?
なぜ「北海道でなまはげ?」と思った人も多いと思いますので、軽く説明します。
炭鉱で栄えた歌志内市は東北出身の炭鉱夫が多く、地域活性化を図るために「なまはげ」を始めたそうです。
そして歌志内独自の「なまはげ」物語をつくり、お祭りを盛り上げています。
昔、北海道がまだ「蝦夷」と呼ばれていた頃、「なまはげ」が秋田から海を越えて船で渡って来て、山の奥に住みついた。
普段はめったに里に降りてこない「なまはげ」達でしたが、ある大雪の降った寒い冬に里に下りて来たことがありました。
その頃住んでいたアイヌの人々は「なまはげ」も寒いのだろうと、火を焚いて食べ物を用意しました。
「なまはげ」達は喜んで山に帰りましたが、その年は不思議と子供達が病気一つせずに健やかに育った。
年に一度のお仕置き?
この「なまはげ祭り」の日にちが近づいてくると、子供たちはソワソワし始めます。なぜなら、お祭り会場で親たちが「なまはげ」に今年の子供たちがどう過ごしたかを報告するからです。
大概の子供の親は子供が悪い事をしたことを「なまはげ」に報告するので、子供は家を出る段階から行きたくないと駄々をこねるほどです。
私は秋田県の「なまはげ」をリアルに見た事はありませんが、歌志内市の「なまはげ」は生で見た事があります。
ほとんど違いはなく、そのもののオドロオドロしい雰囲気で、大人すらすこし怖く感じ、子供はほぼ一撃で泣きます。
小学校の高学年の子も泣く時があるようです。
なまはげの登場
お祭り当日、会場では子供たちはわりと余裕で楽しく雪遊びをしたり、大人は無料の甘酒やお汁粉を堪能して「なまはげ」を待ちます。
日も落ちだんだん暗くなってくると、いよいよ「なまはげ」の登場です。
「なまはげ」は片手にたいまつを持ち、「泣く子はいねぇが―」、「いじめっ子はいねーか」、「親の言うこと聞かねぇ悪ガキは山さ連れてくぞ」と叫びながら山から下ってきますが、太鼓が鳴り照明が当たりとても神秘的な感じがします。ちなみに、この段階で子供は号泣です。
そして一度特設会場に鬼たちは整列し「なまはげダンス」なるものを披露した後、子供たちの元へ向かいます。
子供たちは「ちゃんという事聞いていた」と泣きながら訴えますが、親は「いう事聞いてなかった」となまはげに告げ口をすると、「言うこと聞きます、ごめんなさい」と号泣。
最後になまはげに抱っこしてもらい無病息災などを願います。
会場では泣く子や逃げ回る子で、さらににぎやかになります。
一通り子供を抱っこし終わるとなまはげからのモチ撒きが始まるのですが、さっきまで泣いていた子供もなまはげに「こっちに投げてー」というほど元気になっています。
特設会場の他に市内の企業や家庭、学校等にも訪問し「商売繁盛」「家内安全」を祈願してくれます。
この辺りは元祖と同じですね。
最後に
2022年もコロナの影響で開催はされませんでしたが、来年こそは開催されてほしいものです。
泣き叫んで許しを請う我が子の姿は、可哀想というよりはすこし笑えたります。
お祭りを体験した子どもたちは、しばらくの間「なまはげ」効果で素直になりますよ。小さいお子様のいる皆さんには特にお勧めのお祭りです。
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