高速道路などの大規模インフラの維持には、劣化するコンクリートの補修に莫大な費用が必要であるといわれています。
苫小牧市の會澤高圧コンクリートが、バイオ技術を用いた自己治癒コンクリート材の量産を開始が記事を見かけたので紹介したいと思います。
自己治癒コンクリート材
オランダのデルフト工科大学と共同研究の結果、自己治癒コンクリート材の開発に成功したということで、この大学は土木工学分野および建築分野で世界第2位にランキングされている程の技術力をもっています。この新技術の開発の中心になったのは大学のヨンカース准教授のグループで、量産化技術の開発を會澤高圧コンクリートが受け持ちました。
ひび割れなどをコンクリート自身が自動的に修復してしまう機能で、アルカリに強いバクテリアとそのバクテリアの餌となるポリ乳酸をカプセル化したものとをコンクリート製造時に配合し、ひび割れが生じた際に、餌を食べて炭酸カルシウムを排出するバクテリアの代謝機能を使ってひび割れを埋めるという仕組みのようです。
この技術は、Basilisk HA自己治癒コンクリートとして、国土交通省の新技術情報提供システムに登録されました。
バイオの技術を応用した液体タイプの補修材やモルタル系補修材も開発されているようで、これをコンクリートの割れ目に注入して使用すれば、早く大規模インフラに適用されるようになるかもしれません。
感想
素人として真っ先に頭に浮かんだのは、生きものであるバクテリアを相手に、このような筋書きが何十年にもわたって確保されうることを確認するための努力は大変なものであろうということです。
おそらくは、少し短い補修スパンでも許容される製品に先ず適用され、実績を積み重ねて大規模インフラにも適用されてゆくという経緯を経るのではないかと思います。
いずれにしても、このような技術が開発されたことは、素晴らしいと思います。會澤高圧コンクリートの今後のご健闘を祈ります。
※画像はイメージです。
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