足寄町には他ではまず見られない、ここだけの自然公園があります。
その名も「ラワンブキ鑑賞圃場」。
いったいどんな場所なのか、紹介していきたいと思います。
ラワンブキと足寄
まずは、ラワンブキってどんな植物なのか、なんで足寄なのかを説明します。
ラワンブキは北海道足寄町螺湾地区に自生するフキの一種、通常のフキよりも茎や葉が大きいことで知られています。
見た目から、ジブリ作品『となりのトトロ』を連想する人もいるかもしれませんが、トトロが傘代わりにしていたのはサトイモの葉であり、ラワンブキとはまったく別の植物です。
わかりやすいところで、アイヌの「コロボックル」が身を隠す葉として語られ、北海道を象徴する植物のひとつのような存在です。
なぜ巨大化したのかは、超自然的で不思議なパワーが関わっている訳ではありません。残念です。
ラワンブキは寒冷地に適応する中で葉の面積を広げ、光合成効率を高める傾向があると考えられ、単なる奇形や偶然の産物ではなく、環境に適応した結果として巨大化したと推測されています。
それに足寄町は北海道内陸部に位置しているので、夏は短く日照が強く、限られた成長期に効率的に光を取り込む必要があるため、葉が大きくなる。それに螺湾川周辺の土壌は湿潤で栄養が豊富なため、根が深く張りやすく群落全体の規模を支えるのに適しています。
地下茎で繁殖するため密集した状態で群生します。ラワンブキは生存戦略として光を確保するために茎を太く高く伸ばし、結果として葉や茎がより巨大化したと言われています。
螺湾地区の地形的条件と人間の手があまり入らなかった歴史も大きく関わって、群生が自然のまま残る稀有な場所となったのでしょう。
ラワンブキ鑑賞圃場
ラワンブキ鑑賞圃場とは、自然に群生するラワンブキを、一般の人々が安全に観察や体験できるよう整備した場所のことを指します。
そもそも「圃場(ほじょう)」とは、農作物を栽培するための土地、つまり畑や田んぼを意味する農業用語。
しかしここでは、ラワンブキを「育てるため」ではなく「見せるため」に設けられた観賞用エリアです。
私が訪問した時期は5月下旬で、その頃のラワンブキは自分の腰ぐらいのものが多かった。
6月〜7月の見頃の頃になると、3mぐらいまで育つラワンブキもあるとのことです。
それでも観光客も皆さんは写真を撮って楽しんでいました。
毎年、6月下旬にはラワンブキのお祭りもあるそうなので、その日に出かけてみるのも良さそうです。
詳しくは足寄町のホームページをチェックしてみてください。
食べても美味しく栄養満点
ラワンブキは見て楽しむだけではありません。
道の駅で聞いた話によれば、ラワンぶきは一般的な山ブキと比べてアクが少なく、肉厚で瑞々しく、食べやすい。
さらにカルシウムやマグネシウムといったミネラル、そして食物繊維も比較的多く含まれており、健康志向の食材としても注目されているらしいのです。
地元では、天ぷら、煮物、きんぴら、炒め物、漬物など多彩な調理法があり、特に旬のものを天ぷらにして食べるのが美味しいとかいう話も。
私は道の駅の食堂で「足寄弁当」というものをいただいたのですが、付け合せで入っていたラワンブキの煮付けの味が染みていて、とても美味しかった。
他にもラワンブキソフトクリームもあったので食べてみたのですが、すこし渋みが強いかな?
スイーツには向かないんじゃないかな?と思います。
行ってみう!ラワンブキ鑑賞圃場
圃場へは足寄町中心部から車で約30分、国道241号線沿いの案内看板を頼りに向かってください。
公共交通は限られるため、レンタカーか自家用車での訪問が現実的です。
見頃の頃にお子様がいれば、一緒に行くのがお勧めで、大きなワランブキに驚くこと間違いなしです。
壮大に広がる圃場で、ぜひ自然を堪能してください。
写真を撮るのもよし、食べて楽しむのもよしです。


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