北海道唯一の日本式城郭「松前城」

かつて日本には2〜3万ものお城があったのですが、北海道には日本式のお城は1つしかなかったのです。
今回は、その北海道唯一の城「松前城」について紹介します!

目次

松前城とは

松前城は北海道の松前郡松前町にある、日本最北の日本式城郭です。
江戸時代末期、海防強化のため江戸幕府に命じられた松前藩が築城し、安政元年(1855年)に完成しました。
そのため、日本最後の城郭となります。

本丸御門は昭和16年(1941年)に旧国宝に指定され、その後の文化財保護法施行後は国の重要文化財となり、本丸表御殿玄関は昭和38年(1983年)に北海道有形文化財に指定されました。

松前城の本名は福山城ですが、当時から備後国(現在の広島県福山市)の福山城と区別するため松前城とも呼ばれています。

松前城の歴史

松前城は当初は城ではなく、前身は慶長11年(1606年)に初代松前藩主・松前慶広が築城した居城「福山館」でした。江戸幕府に海防強化を命じられたため、福山館を拡張し築城しました。
文久2年(1862年)には、戊辰戦争最後の戦争・箱館戦争で、土方歳三らが率いる旧幕府軍に侵攻されたこともあります。

明治8年までに、開拓使の命によって取り壊され、その時に残った三層天守・本丸御門・東塀が昭和16年(1941年)に旧国宝に指定されされました。
しかし、昭和24年(1949年)役場の火災による飛び火で三層天守と東塀が焼失してしまいます。

唯一の遺構は本丸御門のみで、現在の天守は昭和36年(1961年)に鉄筋コンクリートで再建されたものです。
天守内部は松前城資料館として公開されており、様々な松前藩ゆかりの品々や資料が展示されています。

松前城はお花見の人気スポット

こういった歴史的背景だけでも観光したくなる松前城ですが、実はお花見スポットとしても大変人気があります。

松前公園は「さくら名所100選」に選定されていて、約1万本の桜の木があり品種は250品種もあり、例年4月中旬〜5月下旬頃まで、早咲きから遅咲きの桜が次々に時差開花するので長く楽しめます。
また、毎年4月下旬〜5月上旬には「松前さくらまつり」が開催され、多くの人が訪れます。

桜は松前町で生まれた松前育成品種や、松前城北側の龍雲院には松前町三大名木の「夫婦桜」があり、他にもたくさんの珍しい桜を見ることができるのです。

桜のあとは初夏に紫陽花が咲きます。
松前藩屋敷では2020年7月から「浮き紫陽花」が始まりました。
水路に浮かべられた色とりどりの約3000本の紫陽花。初開催からSNSなどで話題となり、瞬く間に松前の新しい人気イベントとなりました。
夜にはライトアップもされ、とても幻想的な風景です。

松前藩屋敷と松前神楽

さて、その浮き紫陽花が開催される松前藩屋敷。こちらは江戸時代幕末期の奉行所や廻船問屋、武家屋敷などの建物が並ぶ、当時の松前の町を再現しているテーマパークです。

建物内も当時の生活を再現し、レンタル衣装を借りることもでき、将軍や姫に扮して、江戸時代にタイムスリップした気分を楽しむこともできます。

本丸広場では、毎年4月29日に「松前神楽公開公演」が開催され、松前神楽は国の重要無形民俗文化財に指定されている松前の郷土芸能。
延宝2年(1674年)に福山城内で初めて鎭釜湯立神楽が奏上され、以来隔年ごとに神楽が行われていたそうです。
その後、神楽式は整えられ、現在では12事の神事と21事の舞楽によって構成されています。

松前藩の社家により格式高く守られてきましたが、ニシン場神楽や疱瘡安全神楽など、松前神楽は庶民にも深く関わりのあるものでした。
このような伝統にもふれることができるスポットなのです。

来年のお花見はぜひ松前で!

私のおすすめは、なんといっても桜です!
松前城と桜の景色も美しく、広い敷地に咲いている桜のボリュームも圧巻で、長い期間桜を楽しめるのもポイントです。

そして、松前公園の北側に位置する松前第二公園には展望台があるので、ぜひ行ってみてほしいです。
展望台までは約1km、歩いて20分ほど散歩し、桜のトンネルをくぐり抜け、坂道を登ると、桜の先の津軽海峡まで見渡すことができますよ。

いかがでしょうか?
松前城、行ってみたくなりますよね!
また、海辺の町なので、海の幸もたくさんおいしいものがありますし、松前の道の駅「北前船 松前」もおすすめ。
海の真ん前で景色も最高、レストランで海鮮料理が楽しめます。

ぜひ北海道旅行の候補地にご検討くださいね!

※画像はイメージです。

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