北海道の日本海側は、かつて鰊漁場として栄えた街が多く、増毛町も250年以上前から、ニシンの街として発展してきました。
駅前には旅館や食堂が立ち並び、商家や豪商の蔵なども軒を並べました。
その歴史を感じさせてくれる通りが、駅前から続く「ふるさと歴史通り」です。
往時の繁栄を偲ばせる増毛駅と駅前の様子
まずは増毛駅から。
増毛駅は、留萌本線・留萌~増毛感が廃線になった2016年に廃駅となりましたが、他の多くの駅の様に解体・撤去とはならず、観光施設として改修工事が行われ、100年前の姿に復活しました。
古い郵便ポストもポイント高いですね。
駅の向かいにあるのは、1933年に建てられた木造三階建ての旅館「富田屋旅館」です。
駅前旅館として賑わいましたが、1970年代後半に営業を終了。
その後2018年まで一般住宅として使われましたが、老朽化が進んだため、町が歴史的建物として管理・保存に尽力しているとの事。
町では、維持管理の為の支援金の呼びかけを行っています。
そのお隣にあるのが、名前も素敵な「風待食堂」です。
元は雑貨屋でしたが、映画「駅 STATION」のロケで使われた後に、観光案内所として生まれ変わったのだそうです。
中には無料のユニークなデザインの観光案内マップも置かれていますよ。
「歴史通り」の名にふさわしい風情タップリの街並み
駅前から通りに出てみましょう。
さっきの風待食堂の正面側と、隣接する山形屋旅館の建物です。
山形屋旅館は、新鮮な海の幸を提供してくれる現役旅館として活躍中です。
山形屋旅館の斜め向いにあるのが、増毛舘のレトロな建物。
ここも「ぼちぼちいこか増毛舘」と言う名前の現役の旅館で大阪出身のご主人さんが、日本海の海の幸でもてなしてくれます。
café海猿舎(うみざるや)も併設しています。
ここから西へ少し歩くと、物凄く豪奢な建物が現れます。
いや~、デカい!!
こちらは、100年前の姿をそのまま残した、旧商家丸一本間家の店舗と蔵部分。
呉服商から鰊漁の網元、海運、酒造と事業を展開し栄えた商家だったんですねぇ。
有料ですが、建物の内部の見学が出来ます。
入り口から中を覗くと、奥行きが物凄っ!!
国指定重要文化財にもなっている貴重な建造物です。
まだまだ重厚な建物が
この本間家の横の通りを入って行くとあるのが千石蔵。
元々は増毛港に在ったものを、港拡幅工事の際にここに移転。
こちらも築100年を超える歴史的建造物で、今は鰊文化を伝える展示場になっています。
ふるさと歴史通りの終点に控えているのが、のん兵衛さんならご存知、國稀酒造。
正に時代を100年以上ひとっ飛びした感じの風情のある建物ですね。
実際に建てられてからは100年を超えている、道内一古い造り酒屋です。
中の作りも、リフォームされている部分もありますが、基本は昔のままなのだそうです。
中には売店、利き酒コーナーがあり、見学も可能になっていますよ。
さて、最後におまけでもうひとつ。
歴史通りからは少し離れますが、こちらは増毛町役場の隣りにある増毛厳島神社です。
この神社の始まりは270年ほど前。
運上屋の氏神として弁財天を祀ったのが起源で、その後、増毛郡総鎮守となっています。
小高くなった丘の上から、増毛の街を見守っていると言った感じでしょうか。
増毛の町を訪れた際には、車から降りて、ゆっくり歴史散歩をしてみてはいかがすか?
増毛町 ふるさと歴史通り
旧JR増毛駅前から國稀酒造まで続く、100年以上前に建てられた木造、石造りの建造物が立ち並ぶ通り。
ボランティアガイドさんの説明を聞きながら散策する事も出来ます。
◆観光ガイド申込み方法及び申込先
※電話、FAX、メールで申込みください。
増毛町観光協会事務局(土日祝日を除く)8:45~17:15
TEL:0164-53-3332
FAX:0164-53-2348
メール:kanko@town.mashike.hokkaido.jp
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