釧路へ旅行

極寒の季節、真っ只中の2月末、釧路に住んでいる友人に会いにいくため、私は関西空港から釧路まで初めての北海道に旅立ちました。

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夕日のハイボールに酔いしれて

到着した瞬間に感じる冷たい空気と雪で真っ白に染まった街並みは北海道そのものを表しているようで、未踏の地にたどり着いた興奮でマイナス3度の寒さを完全に忘れるほどです。
友人が駅まで出迎えてくれて、まず最初に向かったのが駅近くにある居酒屋でした。
店内は温かくて北国独特の雰囲気に包まれ、窓の外から見える釧路の夕陽がとても綺麗に映えています。
その景色を見ただけでも酔いそうなほど、美しい景観だったことを覚えています。

おすすめの「夕日ハイボール」を頼むと、琥珀色に輝くグラスが運ばれてきました。
口に含んでみると、ウイスキーの香りと爽やかなソーダが絶妙にマッチした心地よい味が口の中に一瞬で広がります。

まさに釧路の夕日を思わせるようなハイボールで、お酒の強い私でも、たった1杯でほろ酔い気分になってしまったのです。

未踏の地へ踏み出す

翌朝、友人が運転する助手席に座り、思い出話や「人よりも牛の方が多い町」なんて話を笑いながら聞きながら、友人の地元でもある中標津に向かいます。
広大な森の中に一本道が続き、まるで大阪では考えられないほどの信号の間隔、広さと交通量の少なさに、ずっと窓の外を見ているだけでも、心が躍り出すほど楽しい時間でした。

釧路を出て1時間ほど経過した頃、突然目の前に野生のシカの群れが現れたのです。普段の生活では滅多にみることのない野生動物との遭遇に、私は思わず声をあげてしまいました。
すると運転する友人は「普通のことだよ」と、全く気にとめ、表情ひとつ変えることなく運転を続けており、「さすがだな」と感心してしまいます。
シカ達も特に驚く様子もなく、「何を騒いでいるんだ」と言わんばかりの冷静な目でこちらを見つめてきました。
その穏やかな様子に、北海道の自然で生き抜いてきた力強さを感じ、忘れられないひとときとなりました。

旅の終わり

朝、ホテルの窓を覗くと川の水が凍っていて流れが止まっているように感じ、このまま時間が止まってしまえばいいのにと思う私の気持ちと重なり、なんだか寂しい気分になりました。
陽がさしキラキラと光る水面は美しく、寂しい感情を吹き飛ばしてくれます。
友人が与えてくれたこの北海道での体験は一生忘れられないものになりました。

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