当時18歳、高校を卒業してすぐのこと。
周りの友達のほとんどは大学に進学し、真面目に大学生をやっていた頃。わたしは家庭の事情で社会人になって、暇を持て余していました。
その頃の私
同じ高校だった友達とは連絡を取ることもなくなり、SNSで知り合った友人とドライブなどをする日々。
高校生の頃は親が厳しくてあまり出歩けなかった分、自由の身になった途端、日常では味わえない変わったこととして、行ったこと無いところに行くのが毎日の楽しみでありました。
当時、飲食店に勤めていたので、出歩けるのは深夜1時ごろから。
いつものように仕事が終わって、すすきの駅まで友人が4人乗りの軽自動車で迎えに来てくれ、いつものようにドライブが始まりました。
その日の運転席はAくん、助手席にAくんの彼女、後ろの席には初めて会う、高身長の顔立ちの整ったBくんという男の子。
隣に座った初めて会うBくんの顔立ちに見とれているとき、ギャルっぽいイメージでノリがいいAくんの彼女が、
「雪も溶けたし、心霊スポット行かない?」
Aくんの彼女はニタニタしながら、満面の笑みでみんなにそう提案すると、Aくんも速攻「いいね!」と返し、隣に座るBくんも「まあ、いいけど(笑)」。
なんとなく、「いいよ」と言わないといけない雰囲気で、仕方なく心霊スポットに行くことになりました。
始めての心霊スポット
非日常的なことが好きだといっても、心霊スポットに行くなんて人生で初めて。
心霊番組なども普段から見るし、行くべきでは無いとわかっていても、内心ちょっと楽しみなドキドキを感じている私がいました。
行くさきは、すすきの駅から車で30〜40分くらいの心霊スポットとして有名な滝。
そこは観光地としても有名で、昼間に行けば、景色も良く、滝を見下ろしながら写真を撮ることができるスポットです。
夜道で空いているのもあり、すぐに到着し、まだ寒かったのもあり、その日止まっていた車は私たちだけ。
私たちは車から降りて、まだ少し肌寒い中くらい夜道を滝へと向かい、Aくんとその彼女は手を繋いで歩き、その後ろをわたしとBくんがゆっくりついていきます。
トイレに行きたい
すこし怖がりながらも進む中、Aくんの彼女が突然「トイレに行きたい」と言い出します。
近くにあったトイレは、見るからにちょっと不気味でしたが、仕方なくそこで用を済ますことにしました。
Aくんの彼女は怖いから私に「着いてきて?」と。
女の子は私しかいないので仕方なく行くと、私達より先に12歳くらいの女の子がトイレに入ってきました。
女の子を待待っているお母さんは感じの良い人で、ニコニコと笑顔で話かけてくれます。
女の子が用を済ませてトイレから出てきた後も
「寒いのでお互い気をつけましょうね」
と一言声をかけてくれて、今は深夜で、ここが心霊スポットなのを忘れるくらいでした。
しばらくすると、トイレの中からAくんの彼女が「気持ち悪い?生理きちゃったかも」と話しかけてきます。
たまたま持っていた痛み止めを彼女に渡し、ちょっと離れた場所にいるAくんに事情をはなし、その日は心霊スポットを回るのをやめて帰宅する事にしました。
そういえば
帰り道の車の中でと、私はAくんの彼女に「そいえばさっきの親子二人、こんな時間に何してたんだろう?」と聞くと、
「は?いつの話それw親子なんていなくなかった?」
と言い出しました。
「え?トイレの中でわたし話してたじゃん。」と言うと、
Aくんの彼女は真っ青な顔をして
「それやばいやつじゃね?」
家に着いたのは深夜4時、まだ外も真っ暗で疲れているはずでしたが、全く寝ることができません。
じつのところ隣に座ったBくんと心霊スポットにいく事で、少し近づけたらと下心もありましたが・・・。
こんな体験しなければよかった、そう後悔しながら眠りにつくと人生初の金縛り。
目を開けると隣には、トイレの中で会った親子二人が泣きながらこっちを見て、
「こっちに来ちゃダメ。あのトイレより先に行ってはダメだよ。」
そう言ったあとに消え、金縛りからも開放されました。
後日談
その後、気になって調べてみると、スポットへ行った割合最近、遊んでいるうちに子供が足を滑らせ滝壺に落っこち、それを助けようとしたお母さんも水流に飲み込まれ亡くなってしまった事件があったようです。
それ以外にも同様に遊んでいるときに亡くなった方や、自ら命を断つ人も多くいるんだとか。
2度と軽い気持ちで心霊スポットには行かないと誓った日でもありました。
※画像はイメージです。
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