日本の最北端の稚内市。
晴れていればロシアのサハリン島が見えるという宗谷岬や、ノシャップ寒流水族館、市内を一望できる稚内公園など、一度は行っておきたい場所があります。
しかし元市民の私がお勧めしたのは、市民にしかほとんど知られていない御当地グルメ「米軍バーガー」です。
米軍と米軍バーガー
「米軍バーガー」の名前の由来は、宗谷岬の西側にあるノシャップ岬に由来します。この岬には球体のレーダーが置かれた自衛隊基地がありますが、戦後すぐの1945年から1972年の沖縄返還まで、ここは旧陸軍の施設を米軍が接収し、ソ連との国境をにらむ前線基地として機能していました。
この米軍基地のレストランで料理人として腕を振るったのが、後にJR稚内駅前に「デノーズ」を開いた神谷賛之助さん。米軍で培った調理の技術や豪快なアメリカンスタイルをもとに、基地撤退後に自身のお店で看板メニューとして考案したのが、この「米軍バーガー」でした。
こうして誕生したバーガーは、ボリューム満点の味わいだけでなく、戦後の稚内と米軍基地の歴史を今に伝える一品となっているようです。
米軍バーガーの特徴
米軍バーガーの特徴はまず大きいことで、バーガーは皿に載って出てきてナイフとフォークが添えられておりステーキを食べる要領でナイフとフォークを使って食べます。
パンの中にはハンバーガー、レタス、トマト、マヨネーズ系のサラダドレッシングのようなペーストが入っていて、なんちゃらバーガーとは全く違って、豪快でシンプル。
それぞれの材料は特に珍しいものではないのですが、新鮮さやバンズやドレッシングとの相性が絶妙なのか、ここでしか食べられない味です。
これだけで驚くのはまだ早いです。
このお店には「スラッピージョー」という、ラスボス的存在のハンバーガーが提供されています。
「スラッピージョー」は、はアメリカの伝統的なハンバーガーで、米軍の兵隊たちにとって母の味だとか。
大きなハンバーガーを鉄板の上で焼き、ミートソースとチーズをかける・・・初見なんだかわかりません。
ハンバーガーとよりは、オムライスのような見た目です。
おそるおそるナイフを入れると、中からジューシーな肉汁と共にハンバーガーが顔を出し、ここで初めてハンバーガーなのだと。
味としては、とろけるチーズとミートソースが引き立ち、ピザバーガーを食べているようです。
いずれにせよ、直径18センチもありますのでこれ一つでも、普通に食べ切れるかどうかという量なのでご注意ください。
最後に
残念な事に創始者の神谷賛之助さんが2024年にお亡くなりになり、いまは娘さんが引き継いでいます。
しかし、ご高齢の方なので・・・・。
お店は稚内の駅から歩いて行ける距離にありますので、気になった方は早めに食べに行くのがよろしいかと思います。
※画像はイメージです。
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