かつて音威子府駅で宗谷本線と別れて、オホーツク海側の浜頓別を経由し、再び内陸側に入って南稚内で再び宗谷本線に繋がる鉄路がありました。
それは「天北線」と言う路線で、赤字ローカル線として廃止になったのが1989年の事。
それから30年以上経った路線の跡を巡ってみました。

目次

消えた集落もある山間部を進みます

スタートは、道内一人口の少ない自治体・音威子府村の音威子府駅。
天北線の廃止後に駅舎は建て替えられて、現在は宗谷本線の駅とバス停留所を兼ねた交通ターミナルとして利用されています。
黒い蕎麦が食べられる駅として、全国的にも有名ですね。

線路はオホーツク海側を目指し、山間部を進みます。
遺構らしきものが見えない上音威子府駅を過ぎて、小頓別へ向かいました。
小頓別の駅跡には、「小頓別駅」の駅名板がつけられたバスターミナルがありました。

ところで、小頓別へ向かう線路は、天北トンネルをくぐり、天北栄仮乗降場を経由するのですが、今は無人の野になっている天北栄仮乗降場があった栄地区には、かつては集落がありました。
しかし電気が引かれず、あまりに不便だった為か、1965年以降は人口がゼロになっています。
道も無いようなところなので、今でも路盤跡がハッキリと遺っているのかも知れませんね。

小頓別の次は上頓別駅です。
上頓別駅はしばらくの間駅舎やホームが遺されていましたが、その後更地になり、駅跡近くには獣魂碑が建てられていました。酪農家が家畜の慰霊の為に建てたものでしょうか。

恵野駅は遺構はありませんでしたが、駅跡近くに鉄の橋桁が遺されていました。
廃線から30年以上経っているのに、たいしたもんだわ~。

遺構が続々と♪

敏音知駅跡は今は道の駅になっていますが、併設されたキャンプ場の近くに・・・

石碑と、駅名標型の案内板が、廃線後に作られたホームの上に設置されていました。
更に、本物の線路と踏切までありました。う~ん、雰囲気出てるぅ~♪

続く周麿駅は原野となっていましたが、松音知駅はご覧の通りバッチリ遺っています。
今は立ち入り禁止となっていますが、駅舎の向こう側にはホームと線路もあるのだそうですよ。

次の上駒駅は原野になっていましたが、中頓別駅はバスターミナルとして活躍中。
建物の横には気動車が置かれ、二階には天北線の資料室があります。

続く寿駅は何も残っていませんでした。
しかし次の新弥生駅は、なんとホームが遺されていました!!
周辺には民家はなく、林の中にポツンと、と言う感じで、異様な雰囲気でした。

下頓別駅は、駅舎こそ無かったものの、ホームが遺され、レプリカではありますが、駅名標が設置されていました。

再び山間部に入って一気に北上!!

何も無くなってしまった常盤駅を過ぎて浜頓別へ。
浜頓別の駅跡に建てられたバスターミナルがあった場所は、町の数年前の市街地整備事業で、今は図書館となっています。

バスターミナルの2階にあった鉄道記念館はどこへ行ったのかなぁ・・・
という事で、浜頓別は駅跡ならぬ、道の駅の外観をパチリ。

線路はこの後しばらくサイクリングロードに転用され北頓別仮乗降場→山軽→安別→飛行場前→浅茅野→猿払、そして交通公園となった芦野と続いて、今はバスターミナルに建て直された鬼志別駅へ。

このバスターミナルも、館内に天北線資料室があり、周辺の駅の駅名標や、各駅の切符、駅で使われていた備品などが展示されています。

駅跡に「望郷」と掘られた石碑が建っている小石駅を過ぎて、次の曲渕駅です。
駅跡には、駅名標型の看板が設置されていました。
この写真を撮った場所は、道々豊富猿払線に転用されている路盤跡上です。

続く沼川駅は、駅跡が天北線記念公園の様になっていました。
左の木製看板を見ると、天北線が1961年までは北見線と呼ばれていた事が分かります。
天北線は、昔の地理的区分での天塩国と北見国を結ぶ路線だったので、その線名になりました。

かつてこの場所にあった駅舎の写真も展示されていましたよ。

次の樺岡駅は、以前はバス停の向かいに駅名標が残っていたんですが、撤去されたようです。
更に、続く恵北→声問→宇遠内は空き地になってしまいました。

さぁ、天北線の終点は南稚内駅です。
南稚内駅は、2008年に撮影した雪深い季節の写真をアップ!!
この頃はまだ駅前の植え込みのところに時計がありました。

ついでなので天北線がここで接続する宗谷本線の終点まで行っちゃいましょうか。

ご覧の様に、ここが最北端の駅・稚内です。
天北線遺構巡りの旅、ここまでお付き合いありがとうございました。

天北線

道北の音威子府駅と南稚内駅を浜頓別経由で結んだ鉄道路線。
1922年に全通。1989年5月1日に全線廃止となりバス路線に転換。

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