硫黄山(アトサヌプリ)

北海道斜里郡斜里町にある硫黄山(アイヌ語名「アトサヌプリ」=裸の山)は、今も噴煙を上げ続けるダイナミックな活火山です。
山の名の通り、植生が少なく地肌がむき出しの姿は大地の脈動を感じさせます。
地面のあちこちから熱気が噴き出し、硫黄の独特の匂いが周辺に立ち込める日本最大のカルデラ大地。
山肌からは噴煙が立ち昇り、近づくと熱気が伝わり、温泉の蒸気を浴びているかのように熱い。

山麓には、北海道固有種「エゾイソツツジ」が初夏に純白の花を咲かせ、噴煙立ちのぼる荒々しい山肌との対比が見事な風景を作り出します。

目次

歴史

硫黄山が人々に知られるようになったのは明治初期のことです。
1870年代から本格的に硫黄の採掘が始まり、やがて「川湯硫黄山鉱業所」として整備されました。当時、硫黄は火薬やマッチ、医薬品、肥料などに使われる貴重な資源であり、国内有数の産地として周辺地域が栄えました。

しかし、戦後になると化学工業の発展により人工的に硫黄を生成できるようになり、天然硫黄の価値は急速に低下。1970年、約100年続いた採掘の歴史に幕が下ろされました。

閉山後、川湯温泉の源泉として多くの湯宿を支えています。

観光

2023年9月、硫黄山(アトサヌプリ)のふもとに、総工費約 82 百万円(税別)、一部は環境省の補助金を利用したプロジェクトの一環で、滞在型観光拠点 「硫黄山MOKMOK ベース」 がリニューアルオープンしました。
この施設には、硫黄山の歴史や自然を展示する学習空間 「硫黄山ミュージアム」、軽食やスイーツを楽しめる 「MOKMOK Café & マルシェ」、おみやげや特産品を揃えた土産売場が併設されています。

劇場型の大ガラス窓「MOKMOKシアター」や、くつろぎと景観を重視した「MOKMOKテラス」といった空間演出も施されており、噴気を眺めながらゆったり過ごすことができます。

「MOKMOK Café & マルシェ」では、川湯温泉源泉蒸し卵(温泉蒸し玉子) が名物として販売されています。
「硫黄山温玉ソフト」や「MOKMOKソフト」などのユニークなスイーツも提供されています。

横綱大鵬の出身地にちなんだ「大鵬せんべい」は、地元の製菓さんが40年以上焼き続けているせんべいでお土産にぴったりです。

面白かった?

平均評価: 0 / 5. 投票数: 0

投票がありません、最初の評価をしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

\ コメントくださ〜い /

コメントする

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)

CAPTCHA

目次