除雪は北海道民のイニシエーション

北海道札幌市圏内は、大都市でありながら積雪量が多いことは世界的に見ても珍しいようです。
雪が積もる季節は大まかに12月初旬から翌年の3月ぐらいまで、積雪がある度にご近所さん揃って除雪作業を行います。
大変ではありますが意外と楽しいこともあり、住んでみたいと思っている方やこれから何かの事情で移転してくる方、知っておくと苦が楽になるかもしれません。

目次

北海道特有の住宅街の環境

北海道札幌市エリアの住宅事情として、まずは土地の面積が広めに作られていること、屋根には傾斜が付けられ、冬の季節に降り積もる雪で住宅が損傷しないように落雪させることが前提にあります。
そのため住宅街では隣接する他人の敷地に屋根からの落雪被害が起きないように、十分な計算をした設計で建築されています。隣接する住宅は勿論のことですが、道路側にも落雪しないように配慮していること。

カーポートの設置では半透明のアクリル板の屋根では直ぐに割れてしまうので、雪の重さに耐えられる金属屋根を採用していることも特徴です。

除雪車は雪をよけるだけ

温暖な地域にお住いの方の中には、北海道では除雪車が入るので除雪は楽なのでは?と思う方もいますが、除雪車は道路の雪を脇によけていくだけ。

30〜50㎝と纏まった雪が降り積もると深夜に除雪車が入るのですが、朝になると除雪車がよけていった雪で、自宅前にはかなりの高さの雪山が出来ています。そうなると朝からご近所さん総出でママダンプやスコップ、プッシャーを使って自宅前の沿道に積み上げていくのですが、除雪車が置いていく雪は、だいたいが硬くて重たい状態なので一苦労なのです。

除雪作業の思わぬ効果?

除雪は辛いですが、運動不足になりがちな冬の期間、大汗をかいてかなりの体力を消耗するので、まるでスポーツジムのように運動する事になって、体力も付くという意外な側面もあります。

高齢化が進んでいる現在では、お年寄りだけの除雪作業はかなりの時間を要し、困っているご近所さんがいれば、若い世代の方がお手伝いをする文化があります。そうすると作業の中に会話することが多く、休憩の時におやつや飲料を配る方もいて、自然な形で交流が生まれ都会の生活では体験することができないご近所さんとの絆が生まれる事でしょう。

仲良くなると雪のない時期に、道民がよくやる庭でジンギスカンパーティー、通称ジンパに誘われたり楽しい事が沢山ありますよ。

排雪業者の普及

冬の間、除雪をしてくと雪は溜まっていくばかりで、自宅前の外塀の前に積み上げていても直ぐに限界が来てしまい、その雪をどうして処理をするかが問題になってきます。融雪槽という投げ込むと自動的に雪を溶かして処理する装置があるのですが、わりと高価なものなので、裕福なご家庭やマンション等の共同住宅などにしかありません。

大体の場合は、近隣の空き地や近所の公園を雪捨て場として、川があれば川に流していました。川は捨て放題なので貴重な存在として利用されていたのですが、現在では川の氾濫事故が増えていることもあり、札幌圏では禁止されています。

そこで役立つ存在があり排雪業者。シーズン契約を行う方法で契約プランによる違いはありますが、平均すると1シーズン4万円程度で週に1度、バケット車とトラックによって排雪を行ってもらえます。契約者は年々増加しているとされており、塀の前に積んだ雪を全て運んでもらえるので、雪捨て場に困っている方々からの救世主的な存在です。

頑張って冬を乗り切ろう!

最初のうちは見慣れない雪が降れば、なんとなくテンションも上がりがちと思いますが、だんだんとうんざりとして来ることでしょう。そうなったときが、初めて道民の仲間入りです。

冬の雪かきは確かに辛いですが、ご近所の皆さんと共に仲良く協力して冬を乗り切っていきましょう!

 

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