北海道には189基のダムがあり、その数は日本一です。その数あるダムの中でも、訪れた人が思わず息を飲んでしまうほどの美しい風景と、日本離れした雄大な自然の虜になってしまうという「雨竜第一ダム」について紹介したいと思います。
雨竜第一ダムとは
北海道雨竜郡幌加内町・一級河川石狩川水系の雨竜川上流部に建設された雨竜第一ダムは、北海道電力株式会社が管理する発電専用ダムです。堤高は45.5メートルあり重力式コンクリートダムです。建設したのは苫小牧に製紙工場を建設した王子製紙で、工業電力確保のため千歳川の電源開発を行っていましたが大正末期に雨竜川の電源開発を始めました。
ダムよりも人造湖の朱鞠内湖(しゅまりないこ)の方が有名で、この朱鞠内湖はダム湖の面積が日本で最も広い人造湖です。
雨竜第二ダムとは
雨竜第二ダムは高さ35.7メートルの重力式コンクリートダムでこちらも発電用ダムです。このダムが形成する宇津内湖には発電用の取水口がなく、いわば補助的な貯水池の役割です。
雨竜第一ダムの鞍部ダムである雨竜土堰堤と雨竜第一ダム・第二ダムは配水管でつながっています。これらダム湖の水はトンネルを通して石狩川から北海道第二の大河・天塩川に流れ、天塩川沿いにある雨竜発電所で発電されます。
雨竜第一ダムの歴史
雨竜第一ダムは16年の歳月をかけて建設され完成したのは昭和18年。建設中は戦時下ということもあり悲しい歴史をもつダムでもあります。
この地域は日本で最も極寒で冬はマイナス40℃の豪雪地帯。囚人が強制労働を強いられ、わずかな食料と凍傷を負いながら、劣悪な環境で建設作業に従事しました。正確な状況は不明ですが建設に従事した労働者は延べ600万人と言われ、多数の労働者が犠牲になりました。多くの死者が出たのは、雨竜川をせき止める堰提と宇津内湖から第一ダムに水を引き込む工事と言われています。
湖畔に程近い光顕寺の本堂に「朱鞠内旧光顕寺・笹の墓標展示館」として当時の犠牲者の位牌や遺品が展示されています。
雨竜第一ダム観光おすすめスポット
ダムより有名な朱鞠内湖は、人造湖ながら入江が多いことが特徴です。大小13の島があり人造湖とは思えない変化に富んだ景観です。湖畔には美しい白樺の林があり、凪の湖面にはその景観が映し出されなんとも美しい光景です。
湖畔にはキャンプ場がありアウトドアが楽しめます。湖には幻の魚・イトウをはじめサクラマス・アメマス・ワカサギが生息しており、日本屈指の釣りスポットでもあります。また、北海道ならではの釣りとして極寒の冬には湖面が氷結してワカサギのアイスフィッシングを楽しむことができます!
おわりに
いかがでしょうか?この美しいダム湖に、とても悲しい歴史や犠牲者がいたとは思いもよりませんでした。しかし歴史を知り、あらためて感謝の気持ちを込めて雨竜第一ダム・第二ダム・朱鞠内湖・宇津内湖を見てみたいと思いました!
みなさんも、この壮大で美しい風景を見にぜひ訪れてくださいね!
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