アイヌの文化と出会う旅、ウポポイ訪問記

ある秋の日、家族旅行で北海道を訪れました。
私はずっと気になっていた、ウポポイ(民族共生象徴空間)へ行きたいと話すと、夫と娘は「宿でゆっくりしたい」と言い出したのです。
要するに博物館だの文化施設だのには興味ゼロで、温泉に浸かって溶けたいだけらしい。

ですが、正直うるさいのを連れて行くより、その方が助かります。
二人は宿でグダグダしていれば良いというわけで、私はひとり、ウポポイ(民族共生象徴空間)へ向かった。

家族旅行中にひとり行動?
余計な気遣いもなく、自分のペースで展示を追って、考えを巡らせる。
結果的にこれは大正解であり、大ラッキーである。

目次

ひとりで訪れたからこそ感じた、静かな感動

ウポポイに訪れると、まずそのスケールの大きさに圧倒されました。
広大な敷地には、美しく整備された建物と自然が共存、その反面、作られすぎた違和感を感じるのです。
だいたいこういった地方の博物館は、どこか手作りで牧歌的な部分が多く、そこに学芸員情熱を感じます。
ここは確かに圧倒されますが、この「圧倒」は文化の圧ではない。国家予算の圧なのでは?と感じてしまいました。

そんな事を思いつつ、この施設のメインであります、国立アイヌ民族博物館へ向かいます。
館内は1階がロビーやシアターとなり、2階が展示室になっています。
アイヌ民族の衣装や道具、暮らしぶりを伝える資料が展示されているのですが、思ったより内容が薄いというのが本音です。

本物なのか?レプリカなのか?もしかすると見落としたかもしれませんが、そういった記載はなかったように思えます。
衣装や道具、生活資料は丁寧に並べられ、説明も過不足なく整っているですが、違和感を感じたのは、展示に時間と場所の概念がないのです。
たとえば「ゴールデンカムイ」を読んでいるだけでも、アイヌにはいくつもの部族があり、時代ごとに変化したりといった事が書かれていますが、ここは「アイヌ」だけ。

それに、アイヌの文化の根底的もの、禁忌や信仰と結びつきなどの後ろ暗いような部分の解説があまりなく、展示はすべてが理解しやすく、不快にならないように調整されているように思えました。
よく整理された教材に変換されているのかな?

その辺りを知りたかった事もあって、すこしがっかりな内容です。
でも、2階の大きな窓から見渡す、ポロト湖の風景は素晴らしいものでした。

声とメロディーに心を奪われて

歌や踊りなどの伝統芸能を体験できる「ショー」も開催されています。
興味があったアイヌの歌を聴く機会に恵まれ、これは、本当に自然と共にあった音楽で、原初的で素朴なもの=懐かしいという雑な感情投影なのででしょうか?
その独特なメロディーや声の響きに強く惹きつけられながら、そこで思ったのは「これ、本当?」という素朴な疑問でした。

アイヌは文字を持ちません。その代わり叙事詩(ユーカラ)や歌、アイヌ文様などで表現して伝承されてきました。
博物館で思った事も重なり、そういった考えになったのです。
だからといって、これはどのアイヌからなどの説明を求める事はできませんので、モヤモヤしていました。

ポロト湖のほとりで過ごす、静かな時間

聞き終わった後はポロト湖のほとりをのんびり散策。
湖畔にはベンチがあり、湖の向こうに見える森や空の色を眺めながら心を落ち着けたあと、アイヌの住居「チセ」を見学します。
実際に中に入ってみて最初の思ったのは、床がフローリング。
ある程度の近代建築な建物になるのは仕方ないと思うのですが、もう少し工夫しようよ?と叫びそうでした。

チセの中でアイヌの話を聞くことができたのはとても貴重な経験でしたが、なんとも釈然としません。

アイヌ文化を大切に残すこと

ウポポイを訪れて強く感じたのは、観光用博物施設なのでこんなものかな?です。
アイヌ文化を大切に残すことの重要さは理解しているので、見た目だけではなく、そのものを伝えられる施設だったらなあ⋯です。

少なくとも、もう一度訪れてみたいとは思いませんが、話の種に一度は訪れてみると良いかもしれません。
お子様とならば、ちょうどよい自然公園な感覚で楽しめると思います。

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