この記事をご覧になっている方の中には「いつか北海道に住みたい」「いつか北海道に戻りたい」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。北海道に生まれ育ち、東京で十数年過ごしたのち北海道へ移住した筆者の体験談をもとに「北海道に住むのって実際どう?」という疑問にお答えしたいと思います。
目次
北海道に戻った理由
もともと「いつか北海道に戻りたい」という考えがありましたが、実際に戻ってきたのは2021年、コロナ禍のさなかに勤めていた会社がテレワーク解禁となったことがきっかけでした。
戻りたかった理由は「満員電車での通勤」と「年々高くなる気温」です。
特に夏の気温に関しては、寒冷地の出身者でなくてもどんどん堪えがたいレベルになってきたと思います。私は夏場や通勤中に体調を崩すことも多くなっていたため都会での暮らしに限界を感じ、移住を決断しました。
北海道暮らしのQ&A
ここからは実際北海道に移住して感じたこと、気になったことをQ&A形式でご紹介します。
夏は本当に過ごしやすい?
北海道も気温が上がっていて、本州と大差ないような地域もありますが、それでも息苦しくなるような不快な暑さはなく比較的過ごしやすいと言えます。私が住んでいる道東方面では、熱中症対策は必要ですが、夏期間でも屋外でランニングなどのアクティビティができるほどです。
やっぱり冬は大変?
冬が大変なのはイメージ通りですが、面積が広い北海道では地域ごとに冬の特色も変わります。
太平洋側の道東では、雪が降る時期も遅いうえに降雪量も多くはありません。その代わり気温が低く、凍結に注意しなければならない地域です。日本海側の札幌は積雪の多い地域ですが、まちの除雪機能がしっかりしています。
同じ北海道でも、地域によって何が大変になるかは異なります。ただ、いずれにしても家の周りの除雪作業や雪道を歩く・運転することは避けられません。
家賃や生活コストは安いの?
立地やスペックにもよりますが、多くの物件で物置や駐車場を含んだ賃料になっていますので広いうえに安く感じられる方は多いのではないでしょうか。私は都内に住んでいた時の半額程度で、ネット料込みの新築アパートに入居することができました。
生活コストについては、地域やスーパーによって差が出やすいと感じます。車の維持費や交通費が発生することを考えると特別安いとは言えないかもしれません。
車は絶対必要?
車社会であり、その他の交通は正直不便です。どの地域でも車はマストと言えるでしょう。
しかし、首都圏で就職した方などは車の免許を持っていない方も多いのではないでしょうか。私も移住してから免許を取った人間ですが、運転に慣れることができず、徒歩と公共交通機関を使って暮らしています。
暮らせなくはないのですが、時間の制約がありコストも高くなるため、北海道で暮らすなら運転やドライブ好きの方が向いていると感じました。
光熱費は高い?
北海道の冬場は、灯油や電気を使ったストーブが必須のためその分光熱費がかかります。冬だけでなく、最近の北海道は夏もエアコンが必須なほど気温が高いので、通年で光熱費がかかることを覚えておきましょう。私の自宅はオール電化だったので昨今の電気代の値上げにはかなり痛手を負いました。北海道の移住を検討する際は使うエネルギーの種類も考慮することを強くおすすめします。
通販や物流について不便はある?
買い物など通販の利用については、首都圏よりも1〜3日届くのが遅いと考えておきましょう。海を渡る関係上、品物によっては1週間近くかかるケースもあります。北海道で通販を使う時は時間に余裕を持つことが必要です。まれに「北海道送料別」の商品もあるので注意してください。
食べ物が美味しいとよく聞くけど?
北海道の醍醐味とも言えますね。味のクオリティの高さはもちろん、手に入りやすいうえに比較的安く食べられます。野菜や魚介類、北海道米やジンギスカンなど珠玉の北海道グルメが近場のスーパーやコンビニでも揃うのが嬉しい点です。
仕事や転職についてはどう?
仕事の幅が少なく、転職が難しいことは覚悟しなければなりません。
築いたキャリアやスキルが生かせる仕事に出会えるかはタイミングや運も関わってくるうえに、母数も多くはありません。また給与も一般的に首都圏より低いことも否めません。
フリーランスの場合でも同業の人脈を築くことが困難ですので、スキルアップのためには自分から積極的に動いていく姿勢が大事になると感じています。
娯楽が少ないって本当?
地域にもよりますが、娯楽やイベントは首都圏より少ないです。デートスポットもすぐに尽きてしまいがちです。とはいえゲームやサブスク動画サービスなどのインドア趣味があれば場所を問わず楽しめますし、北海道ならではのドライブやアクティビティが好きな方はさほど問題にならないでしょう。
よそ者に厳しい、近所付き合いが面倒と聞いたけど?
北海道だけではなく、地方への移住では「よそ者に厳しい」「村八分にされる」「近所付き合いが面倒」などのマイナス面を心配される方もいるのではと思います。
地域によるところもあるかもしれませんが、15万人を超える地方都市では同じアパートの住人について詳しく知ることはないですし、都市部と変わらないと感じています。
まちを歩けば知り合いに会うような、もっと田舎の自治体でも暮らした経験もありますが、よそ者として排除されたことはなく、知人の移住者たちの間でそのような目に遭ったという話は聞きません。
地域に愛着とリスペクトさえ持っていれば歓迎してくれる方がほとんどですので、イメージやネットの情報だけを鵜呑みにせず、実際その地域に移住された方に話を聞くことをおすすめします。
実際に移住してみて
どこで住むにしても、メリット・デメリットはつきものです。
私は冬の大変さなどさまざまな不便を差し引いても、暮らしやすい北海道に引っ越して後悔はなく、良かったと感じています。夏場の体調不良はなくなりましたし、心に余裕ができたことで新しいスキルの取得にも挑戦しています。
この記事を読んでくださった方にも「やっぱり北海道っていいな」「いつか住んでみたいな」と思っていただけたら嬉しいです。
※画像はイメージです。
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