前年の10月に中型二輪車免許を取得して、雪が溶け出した春にバイクを買いました。
4月の下旬、冬の間に揃えておいたキャンプツーリング装備を一式積み込み、初めてのツーリングキャンプへ出発したのです。
ツーリングキャンプ
ツーリングキャンプというやつは、テントに着替え、調理道具まで全部バイクに積んで、好きな時に走り、好きな場所で寝るという旅のスタイルです。不自由さごと楽しむところに魅力があり、そのワイルドさにずっと憧れていました。
行く先はブログで見た奥尻島のツーリングキャンプ記事が胸に刺さって、「ここに行かない理由がない」と思ったから。それと、道南は雪解けが早くて、比較的に暖かいだろうと言う理由で選もあります。
最初のトラブル
最初の宿泊地、長万部のキャンプ場に向かう途中に雨が降ってきました。
ところが雨の事はまったく考えてなかったので、レインウェアを買っていなかったので、到着する頃には、ずぶ濡れです。運よく雨が上がって晴れ間も見えていたので、まず持ってきた荷物を乾かす作業から始めました。
慣れない手つきでまごまごしながらテントを貼っていると、隣でくつろいでいるキャンパーの人が見るに見かねて手伝ってくれたのです。なんとかなったと思いながら、シュラフを広げてみるとなんだか湿っぽい。ちょっとこの状態で寝るのは無理。
恥ずかしいと思いながら、せっかく貼ったテントを畳んで、近辺の温泉旅館に宿泊しました。
いよいよ憧れのキャンプ場へ
翌日、朝早くから江差まで走り、ギリギリで午前中のフェリーに間に合い、いよいよ今回のメインとなる奥尻島へ。
すこし船酔いしながら到着すると自然溢れていた、いや思った以上にのどかな光景が広がっていました。
そして向かった先は、ブロブで観た憧れのは「奥尻島ウニマルキャンプ場」です。
ウニのモニュメントがあるのが目印で、さっそくバイクを置いて記念写真。
「ついにやった!」と感動の瞬間でした。
昨日聞いたアドバイスを思い返しつつ悪戦苦闘して、ようやくテントは形になり、シュラフも乾いています。
完璧だろと調子に乗りながら炊事場へ向かったら、「飲料水としてのご利用は控えてください」とデカデカ書かれていて固まります。
じゃあ何を飲めば良いんだよ、と途方に暮れて立ち尽くしていたら、別のキャンパーが普通に水を汲み始めるのです。
「これ飲んで平気なんですか?」と聞くと、向こうは唖然とした顔で、「沸かして飲めば問題ないよ」とあっさり返してきました。
キャンプも初めてなので勉強になります。
そして
食事を終える頃には日が沈み、周囲はすっかり真っ暗になっていました。
ゆっくりコーヒーを淹れる余裕などなく、強い風が吹き抜ける中、離れた場所に点々とキャンパーの明かりが見えるだけ。時おり笑い声が聞こえるものの、私は完全にひとりでした。話しかけてみたい気持ちはあるのに、コミュ障ゆえに一歩が踏み出せません。
そのうえ予想をはるかに超える寒さで、身体がどんどん冷えていきます。次にキャンプをするなら改善すべき点ばかりが頭に浮かび、結論として「しばらくキャンプはいいかな」と思い始めていました。
眠れない夜をどうにかやり過ごし、翌朝はふらつく足取りで島を一周しました。
最初こそ「きれいだ」「自然がすごい」と感じていたものの、所詮、見慣れた北海道で、思ったほどの新鮮味はありません。
島の一周も2〜3時間で終わってしまい、帰りのフェリーまでの余った時間はほとんどターミナルのベンチで眠って過ごしました。
自分には向いていないのかもしれない。
そんな気持ちを抱えたまま、憔悴しながら奥尻島を後にしました。
※画像はイメージです。


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