北海道も本格的な冬の到来を迎えて、毎年のことながら「寒いのいやだー」「雪かきしんどいー」と言いつつ耐え忍ぶ冬・・・。
寒い冬には、何か温か〜いものが食べたくなりますね♪
そんなときには、アイヌの伝統料理「オハウ」はいかがでしょうか?
厳しい北海道の冬を知り尽くしたアイヌ民族の、優しい味の温かい鍋で身も心も温まってみませんか?
オハウとは?
「オハウ」とは、北海道農政事務所のHPによると、
アイヌ民族の言葉で「汁」という意味で、山菜、野菜、鳥獣肉、魚肉などを似て、脂や塩で味付けした汁物です。一般的に実の多い汁物で、具材が魚ならチェプオハウ、肉だとカムオハウとなります。
とあります。
その中でも、北海道の冬の味覚として今でも代表的な「鮭」を使ったオハウはアイヌの人々にとっても冬を越すための大切な料理の一つでした。
アイヌの人々にとって鮭は「カムイチェプ」=「神の魚」であり、とても神聖で大切なもの。そのため毎年、その年の最初にとれた鮭は集落の皆で分け合って食べるという習慣もあったそうです。
カムイ(神)の宿る自然を畏れ敬い、その自然からの恵みを少しも無駄にせず、感謝して頂くアイヌの人々。冬の到来を告げる鮭をみんなで食べることで、無事に冬を越す力を得ていたのかも知れませんね。
アイヌ民族の伝統の料理であり、北海道の郷土料理である三平汁や石狩鍋の起源(諸説あり)とも言われているチェプオハウ、早速、作ってみることにしました♪
チェプオハウ
オハウの具材に特に決まりはありません。
強いて言えば、そのときに手に入るものを、食べられる分だけ、でもたっぷりと♪が決まりでしょうか。
今回私が用意したのはこれだけ。
塩鮭(煮込むと煮崩れが気になるので生鮭ではなく塩鮭にしました。生鮭を使う場合は少し塩を振るといいかもしれません。)、ジャガイモ、大根、人参、白菜、シイタケ、長ネギ、だし昆布(顆粒のだしを使っても作れますが、昆布や鰹節、干し椎茸などで出汁を取った方が◎!だと思います!)、塩
あとは、一般的な鍋料理の作り方と同様に、鍋に適量の水を入れ、だし昆布でしっかりと出汁を取る。
鍋に出汁を取っている間に、鮭は一口大に切る。
根菜類は乱切りに。
あえて少しゴロゴロと乱切りにすることで、オハウっぽく、また野菜の甘みも味わえます。
白菜は一口大、長ネギは斜め切りにして、煮えにくい根菜類から鍋に入れていきます。
野菜に火が通ったら、だし昆布を取り出し、食べやすく細切りにして鍋に戻します。
出汁を取ったあとの昆布も、ちゃんと頂きますよ♪
最後に塩で味を整え、完成です。
実際のアイヌの人々のオハウでは、出汁には獣骨や小魚の焼干しを使ったり、仕上げに動物性脂肪、魚油、ギョウジャニンニクなどを加えていたようですが、今回は手に入らなかったので断念。
今度手に入ったときに挑戦してみます。
さて、お味は??
出来上がったチェプオハウ。
早速今晩の夕食になりました♪
一口食べてみると、とても優しい味。
味付けは塩だけなのですが、野菜の甘みと鮭のコク、キノコの香りが、さっぱりとした味付けだからこそ、より感じられます。
ちょっとだけ大きめの具材を頬張り、ゆっくりと汁をすすると、体の中からじんわり暖かくなってきました。
オハウを食べてみた感想
かなり簡単に作ってしまって、とても本当の「オハウ」とは言えないものだったけれど、
その時に手に入るものを何でも入れて、素材の味を味わう「オハウ」。
その素朴で優しくなんだか懐かしいような味わいは、我が家の定番になりそうです♪
その後、豚肉とたくさんのキノコがあったので、豚肉の「カムオハウ」も作りました♪
参考:
北海道農政事務所HP アイヌ伝統料理 https://www.maff.go.jp/hokkaido/suishin/shokuiku/20181120_ainudent.html
マルコメ株式会社HP「発酵美食─日本のおいしい文化を語らうWebマガジン─」https://www.marukome.co.jp/marukome_omiso/hakkoubishoku/20170417/7660/
Wikipediaアイヌ料理 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%8C%E6%96%99%E7%90%86
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