およそ札幌の10倍、10000km2を超える広大な土地をもつ十勝。十勝は帯広市を中心として1市16町2村からなり、あまり境界がある意識はなく「十勝」という大きい枠組みで捉えられる事が多い。
十勝の農業・酪農は全国的な知名度を誇る。その質もさることながら膨大な量の食材、加工食品が生産され、十勝の食料自給率はなんと1240%もあるとされます。漫画「鋼の錬金術師」で有名になった荒川弘氏の出身地も十勝の幕別町であり、アニメ化もされた漫画「銀の匙」は十勝を舞台にしています。
十勝の食材として、小麦、牛乳、チーズなどの乳製品が有名で、これらを出し惜しみなく使用したスイーツも十勝グルメとして外せません。一方、十勝牛や豚肉、それらを用いた加工肉・農作物も有名です。
特に十勝の養豚産業は明治自体末頃から始まり、豚肉は親しまれていました。十勝の豚肉料理で代表的なものといえば、そう「豚丼」。
豚丼は昭和初期の帯広のとある食堂で農家や開拓者のスタミナ料理として鰻の代用品として手に入りやすかった豚肉を使用し考案されたものとされます。
厚切りの豚肉を鰻の蒲焼きのタレ風の砂糖醤油で味付けした豚肉をご飯に乗せて鰻重さながら山椒をかけて食べる帯広の豚丼を食べたことのある方もいるのではないでしょうか?
現在では豚丼は帯広市民の間では馴染みの家庭料理といった位置づけとなっています。スーパーには豚丼のタレが複数種類並んでいます。
帯広は札幌からはJRや高速道路を使っても3時間程度かかってしまい、札幌圏の人々からするとなかなかハードルが高いものです。
しかし、コロナ禍において全国的・全世界的なワクチン普及までは道外や海外への旅行は限定的となってしまうこともあり、感染の勢いが収まってくれば道内旅行をまず検討している方も多いのではないでしょうか(実際、GO TO全盛の時期には道民割プランも全道各観光地で提供されていましたね)。
温泉やレジャー、スイーツを含めたグルメも充実した十勝旅行は、道民にとってよい選択肢となることでしょう。
そこで本記事ではコロナ禍明けに行きたい十勝旅行、帯広の豚丼のお店にテーマを絞って紹介!
帯広市民にとっては家庭料理ですが、地元民からも評判の高いお店5選をお届けします。
十勝豚丼いっぴん 本店
JR帯広駅からは車で20分ほど、西帯広のエリアのお店です。住所としては帯広市西21条南3丁目5番地。メガドンキホーテが目印。
実はこの帯広本店以外は札幌に5店舗の支店があり、札幌市民にも最も親しまれているお店です。
特にステラプレイス センター6階のステラプレイス店は札幌駅で買い物や映画を観に行った際に見かけたり食べたりしたことのある人も多いことでしょう。
いずれも北海道の株式会社「ソラチ」が出店しています。ソラチは創業60年以上の北海道の老舗で、焼肉やジンギスカンのタレでもおなじみです。
いっぴんの豚丼のタレは低温熟成により深い味わいに仕上げられており、炭火焼きの香ばしさをよく引き出してくれます。豚肉はロースを使用し、備長炭の炭火で焼いて仕上げるため余分な脂身は落とされており、タレとの相性もいいです。
ぶた丼のとん田
帯広の中心街からはやや東側、帯広駅からは車で10分ほどのお店。
住所としては帯広市東10条南17丁目2番地。
こちらのお店はなんといっても地元帯広市民からの支持が熱いお店。
お昼時には常に行列ができており(コロナ対応で席数を少なくしているこのともありますが)、待ち時間は必至です。コロナ対応もバッチリで入店時に検温と手指消毒をします。
店内の壁には訪れた有名人のサイン色紙がズラリ。写真では女子スピードスケートの高木美帆選手のサイン色紙がわかりますね。高木選手は十勝が地元で、帯広市の東側隣町の幕別町の出身です。
メニューはロースぶた丼、バラぶた丼、ヒレぶた丼の3種類が主。
基本のロースぶた丼(合わせる調味料は山椒がおすすめ)、脂身の旨味・肉の旨味がしっかり味わえるバラぶた丼(合わせる調味料はニンニク一味がおすすめ)、脂身の苦手な方でも楽しめるヒレぶた丼(合わせる調味料は胡椒がおすすめ)といった特徴があります。
1杯で2種類のお肉が味わえるロース・バラ盛り合わせのメニューもあり。
またバラについてはオニオンのせといったオプションもあり、味はバラが好きでも脂身が多いと感じる方にはおすすめです。
どのお肉も店で1枚1枚手切りされ、自家製タレで丁寧に仕上げられています。
「我々はぶた丼ではなく、手間暇を売っている」という創業者の思いを引き継いでいるのだとか。
ぶたいち 帯広本店
帯広駅から西に車で10分程度、帯広を東西につなぐ白樺通から少し南に入ったところにあります。
住所としては西8条南11丁目1-2。以前には白樺通沿いにもう一店舗ありましたがテナント契約満了のため閉店。
現在は帯広の隣町音更と東京の人形町店を含めた合計3店舗あります。
地元の食肉加工卸会社の直営店のためお肉のこだわりが特に光る。
他の店舗と同様、ロース、バラの豚丼やそれらのミックス丼、ヒレ豚丼もあり、脂身が苦手な方でも楽しめます。また、厳選肉を使った特上ロース豚丼は質・量共に大満足の逸品です。
ぶたいちでは定番の山椒による味変の他、だし汁による豚丼茶漬けもできます。鰹と昆布から抽出されたお出汁と薬味を合わせ、豚丼の脂身と旨味が溶け出したお茶漬けは新感覚ですがなかなかいい相性。
記事の本旨とはずれるので割愛しますが、音更店、人形町店の場合ラーメンの提供もあります。
このラーメンが豚丼屋さんのラーメンながらなかなか美味しい。魚介豚骨系のスープと母体の肉屋さん厳選のチャーシュー・ホルモンが入ったラーメン(ホルモンが入ったモル麺は旭川のB級グルメですが)は豚丼とのセットは大満足のボリューム。
豚丼のかしわ
帯広駅から西に車で10分程度、帯広を東西につなぐ白樺通沿いのお店。以前にはスープカレー屋さんがあった場所です。近くには帯広競馬場、帯広厚生病院があり目印になります。
住所としては帯広市西12条南9丁目10-3。
もともとは同じ十勝の更別町にあったお店。店内はモノトーン基調のシックでおしゃれなカフェとも思わせる内装がはじめに驚く。
コの字状のカウンターと複数人で座れるテーブル席に別れています。
メニューはロース、バラ、ミックスの3種類。炭火の香りが特徴的です。
豚肉は赤みに脂が差し込むかみこみ豚を使用、3種類のタレを使い分けながら強火が特徴の音更産の炭火でじっくり仕上げられています。工程の仕上げで使用される香り付けのタレによって、香り豊かな一品に仕上がっています。
豚丼のぶたはげ 帯広本店
帯広駅構内のお店のため旅行者でも立ち寄りやすい店舗。また駅の駐車場も30分無料のため他の駅に入っているお土産を買うついでに、車であっても立ち寄りやすい店舗です。
帯広駅を目指せばよいですが、一応住所としては帯広市西2条南12丁目9 JR帯広駅エスタ帯広西館。
帯広の豚丼誕生初期からある「帯広はげ天」(昭和9年創業)の姉妹店。はげ天本店そのものは帯広中心街の屋台街のすぐ近くにあります。こちらのお店は豚丼もさることながら天ぷらも非常に美味しいためおすすめ。
豚丼のぶたはげは、はげ天秘伝の味を引き継いで豚丼専門店として開店されました。
創業以降60数年引き継がれる手作りの豚丼のタレがなんといっても味の決め手。豚肉も道産にこだわり、駅構内ではありますが、しっかりと850度の網焼きにすることで香ばしさをしっかりと感じることができます。
また、ぶたはげは札幌圏においても、北広島市の三井アウトレットパーク内のフードコートにも「豚丼のぶたはげ 札幌北広島店」があり買い物ついでに立ち寄ることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
十勝は今回紹介した豚丼他にスイーツ、温泉、ばんえい競馬といった観光資源が豊富です。
また今回は紹介しませんでしたが十勝スイーツ・グルメが楽しめるカフェやレストランもたくさんあります。コロナ禍でなかなか出歩くことはできない中、ワクチン摂取開始のニュースなど少しずつ光が見えてきました。まずは道内旅行として、十勝を訪れてみてはいかがでしょうか?
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