札幌、小樽はビール生産が代名詞のひとつ。その南に位置する後志(しりべし)地域は余市のウイスキー工場をはじめ、隣町仁木町のワイン、名産フルーツ各種リカー類、積丹スピリッツの積丹ジンなど、洋酒の生産に彩られている。
今回の記事では、昨年(2011年)3月に稼働開始したニセコ蒸溜所をレポートしていく。
ニセコ蒸溜所とは?
昨年3月に稼働開始したニセコ蒸溜所はウイスキーとジンを生産している。
ニセコエリアのスキー場の麓に位置し、厳格な景観条例の下、山の稜線に完全に隠れている。その大きな三角屋根の建屋の中には、エントランスが「わざとか?」というくらいに低く作られているのが印象的。
ドアを開けると一気に解放的な内装を見せる。左手バーカウンター、その後ろに鎮座するかのように据え付けられた琥珀色の大きな蒸溜器が2つ。
カウンターがあるエリアは主に物販。
ジンの試飲や、経営母体の新潟の酒蔵の日本酒やビールを味わうことが出来る。ウイスキーは熟成中の為まだ販売していないが、海外の数十万~7桁代のウイスキーも鍵付き棚に置かれており、一見の価値有り。酒類の他に、ちょっとしたフードや新潟で生産された工芸品を購入することが出来る。
製造エリアの見学も可能
製造エリアも予約をすれば解説付きで見学することができて、余市蒸溜所のツアーよりもウイスキー蒸溜器が間近に迫るのだ。
ウイスキー製造の設備が多く並ぶ中、ジン製造の比較的小型の蒸溜器が1つ。それでも高さ3m程度あり、人それぞれだが、こっちの方が格好よく見える。
馴染みのない人からすると、作る酒の区別によって設備がこんなにも変わるのかという発見があった。作業者が実際作業している中に入っていくので、リアリティーがある。蒸溜という工程は蒸気を使うので、作業の日に訪れるととにかく暑い。
金属と反応しているような焦げ様の香ばしい匂い、芋のような匂い、ジンに使っているという様々な木の実、植物の匂いが混在していた。
1つの空間で終始するので、歩き疲れは少ない。
別棟の貯蔵庫
蒸溜所のツアーの後は別棟の貯蔵庫、ここも梁が剥き出しの三角屋根。空調設備ないので、とても寒かったが、夏はとても暑そうである。
暖色の照明はウイスキーの色を意識しているかのよう。天井近くまで3段あるいは4段ほどと高く積まれた樽は100以上。色や大きさ、木の種類が違った、多様な樽を見られる。樽は焦がして使うそうで、その焦げ由来の気持ちバニラの香りが漂っていて、リラックスできる空間だった。
ツアーが終われば試飲、熟成前の無色のウイスキー原酒も試飲出来る。
他にもある
ニセコを拠点とした地ビールも2社あり、どちらも飲み比べも出来る。車の運転の必要が無ければ、酒好きにはいい場所である。
ニセコはアウトドアやスポーツ、キャンプなどの家族で過ごすイメージが強いものの、大人だけで大人満喫できそうな、数少ない施設だと思った。
※画像はイメージです。
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