北海道虻田郡ニセコ町。
「日本なのに海外みたいな町」として語られることが多いが、実際にどんな土地なのかは意外と知られていない。
かつてこの町で暮らしていた経験を踏まえ、ニセコ町の特徴を整理して紹介する。
自然と共存する通年型リゾート
ニセコ地域は、国立公園・国定公園に指定されるエリアを含む、自然環境に恵まれた土地だ。
四季によって景色は大きく変わり、それぞれが観光資源として機能している。
夏は登山やカヌー、ラフティングといったアウトドアアクティビティが盛んで、体験型観光を目的とした来訪者が多い。
冬になると、国内外からスキーヤーやスノーボーダーが集まる。雪質の評価が高く、大規模なスキー場が集積するウインタースポーツエリアとして知られている。
町内および周辺には多様な泉質の温泉が点在し、リゾートホテルから個人経営のペンションまで宿泊施設も幅広い。
農業の町でもある
ニセコ町はリゾートの印象が強いが、農業も重要な基幹産業である。
約200戸の農家が、およそ2,000ヘクタールの農地を活用し、年間で30億円弱の農業生産額をあげている。
内陸性気候による昼夜の寒暖差や、地形・圃場条件の多様さを背景に、作物の種類は幅広い。
主要作物は馬鈴薯、水稲、メロン、アスパラガス、トマト、ゆり根などで、特に馬鈴薯・メロン・アスパラガスは品質や味の面で評価が高い。
町では、クリーン農業の推進や直売体制の整備、観光との連携による付加価値向上など、農業を軸とした地域活性化にも力を入れている。
観光と農業が分断されていない点が、ニセコ町の大きな特徴と言える。
「相互扶助」が語り継がれる
ニセコ町の文化的背景として欠かせない存在が有島武郎である。
羊蹄山の裾野に広がる有島地区は、大正期の文豪・有島武郎が、父の農場を小作人に無償で解放した地として知られている。
彼の遺した「相互扶助」の思想は、現在もニセコの歴史や価値観を語る際の重要なキーワード。
昭和52年には、有島武郎生誕100年を記念して有島記念館が建設され、現在も地域文化の発信拠点として多くの人が訪れている。
アクセスと人の流れ
ニセコ町は、札幌市および新千歳空港から車でおよそ2時間の場所に位置し、決して近いとは言えない。
山々に囲まれた地形のため、冬は雪に覆われ、夏はラフティングや登山といった自然体験が身近になる。
外国人観光客からの人気も高く、長期滞在者が多いのも特徴で、年間の観光客数は約170万人とされている。
日本全体で人口減少が進む中、ニセコ町は北海道内では比較的安定した人口推移を見せており、移住や定住の受け皿としても注目されてきた地域である。
ニセコ町という例外的な存在
実際に暮らしてみると、リゾート地でありながら、以外に泥臭い生活の匂いが消えていないことに気づく。
ただ、近年ではマナーの悪い外国人も多いように感じる。
日本にいながらどこか海外に来たような空気を感じられのは意味的に良いとは思えなしが、ニセコ町が特別視される理由なのかもしれない。
※画像はイメージです。


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