ロマンたっぷりのコロポックル伝説!芽室町に伝わる悲劇とは?!

アイヌの伝承にたびたび登場する不思議な小人「コロポックル」。
アイヌ語で「蕗の葉の下に住む人」という意味を持ち、その正体はアイヌ以前の先住民とも、交流のあった他民族とも言われ、その正体は謎に包まれています。

北海道各地でその存在と逸話が語り継がれていますが、中でも芽室(めむろ)町は今でもコロポックル伝説が色濃く残る地だと知っていますか?

芽室に残るコロポックル伝承はアイヌとの争いの地!?

北海道十勝平野に位置する、雄大な景観が魅力の芽室町!
芽室町を訪れると、銅像、マンホール、施設の名前など、街の至る所でコロポックルのモチーフに出会うことができます。
それもそのはず、芽室町はコロポックルの伝承がたくさん残っている土地なのです。

コロポックルの伝承と聞くと、なんとなくファンタジックで微笑ましい印象を受けますが・・・・。
ここ芽室に伝わる伝承は、アイヌとコロポックルの戦いの物語。

有名なものに、「ポネオタプコプの伝説」があります。
ポネとは骨、タプコプとはコブのように盛り上がった小山という意味で、これは芽室町の丸山を指すと言われています。
つまり、ここがアイヌとコロポックルの戦場跡なのですね。

以下、芽室町郷土読本より引用です。

はてしない草原と密林が続く十勝原野には、まだ一筋の道もなく昼夜問わず野獣の泣き叫ぶ中、十勝川支流美生川を登り魚影を追う一団がいた。それはコロポックル族であった。
—(中略)—
コロポックル族の生活は「雨が降ったり、日照りが強いとフキの下で休み、腹が減ると狩をし、満腹になると寝る」など平和で優雅な暮らしをしていた。

ある日、大変恐ろしい話しが伝わってきた。それは身の丈6尺(約182cm)あまりある眼光鋭く、頭髪の多い猛虎かと思われる異民族が攻め登ってくるということであった。コロポックル族は、丸山の断崖を砦として異民族の襲撃を防ぐことにした。サケを追って美生川を登ってきた異民族は、コロポックル族の「安住の地を守る強固な砦」に向かって激しい攻撃を加えた。
—(中略)—
猛獣の吠える上伏古の原野を突破した異民族は、なだらかな砦の背面に回り、怒涛のように押し攻め砦を奪い取ってしまった。その後、安住の地〜丸山からコロポックル族の姿は消えてしまった。

お分かりでしょうか?この身の丈6尺の異民族というのが、すなわちアイヌのことなのでは?と言われているのです。
平和に暮らしていたコロポックルたちが突然の襲撃を受け、安住の地を追われてしまった・・・・説によっては、追い出されるどころか全滅してしまったと締めくくられているものもあり、おとぎ話というにはなんともシビアなお話です。

アイヌ?それとも他民族?伝承に残る謎の襲撃者

先の伝承を読んで、アイヌとコロポックルの殺伐とした関係にびっくりした方もいるかもしれません。
そもそもコロポックルの正体も謎ですが、このお話に登場する「異民族」というのも本当のところは何者なのか?という疑問が湧いてきますね。

この伝承に描かれた「異民族」というのは、身の丈6尺(約182cm)の非常に大きな人間です。当時のアイヌにしても、やや体格が良すぎるようにも思えますが小人のコロポックルからしたら、それはもう恐ろしい存在だったことでしょう。

髪がもじゃもじゃの、猛虎のように眼光鋭い大柄な民族・・・もしかしたら、アイヌの他に知られざる民族がかつてこの地にいたのかもしれません。あるいは、口承の中でアイヌ自身をまるで理不尽な侵略者のように描くことで、自然に対する横暴なふるまいを戒める意味があったのかもしれませんね。

町で見られるコロポックルたち

いろいろなコロポックル伝承が残る芽室には、様々なかたちでコロポックルの姿が残っています。
「蕗の葉の下に住む」に相応しい愛らしい子どもの姿から、ひげを生やした謎めいた老人の姿まで。
総じて言えることは、皆小柄な姿であること、そして楽しげな様子であるということです。

戦いの伝承が残る芽室に、このように生き生きとした姿でコロポックルたちがあらわされているのは何だか感慨深いですね。一姿を消してしまったコロポックルたちに再び戻ってきてほしいという願いなのか・・・。
あるいは、コロポックルは実は戻ってきていて、気が付かれないようにひっとりと平和にこの地で暮らしているのかもしれません。

ロマンに浸る、芽室旅

伝承を知ったうえで巡る芽室は、また違った味わいがあります。
オススメは絶品の味、バター醤油とコーンが香るご当地グルメ「コーン炒飯」!

ゆったりと景観を楽しみながら散策すれば、草陰に潜む小さな影に、もしかしたら出会えるかもしれません。