10月頃から稚内の日出時刻は午前5時半を過ぎ、日々時刻が遅くなり下旬には午前6時近くになります。
この程度になると、上る朝陽や、朝陽が上る前の空の変化を愉しむことがやり易くなります。
稚内は北海道の最北端にあって西が日本海、北が宗谷海峡、東がオホーツク海と3方向が海に開けた、海岸に拡がっている街です。
「海に沈む夕陽」も「海から上る朝陽」も視ることが出来ます。何か「地球の息吹」というようなことを意識してしまう場合も在ります。
稚内港は1920年代以降、樺太との連絡航路が発着するようになったことを受けて整備された経過を有しています。1930年代に築かれた「屋蓋式防波堤」を再建した「稚内港北防波堤ドーム」が、そういう稚内港の歴史を現在に伝えています。これは埠頭に被る浪や強風から、連絡船に乗る人達がやって来る時に利用する列車や鉄路を護るため、柱廊構造の上にアーチ型の一部という型の屋根を設えたというものです。
当時は新しい工法であった、コンクリートのアート型橋梁を築くノウハウが応用されたのだといいます。
この「稚内港北防波堤ドーム」の「背中」、延長が427mに及ぶという屋根が海側から視えます。その屋根が視える海岸部は散策も可能になっています。
そこから視えるのは東寄りな空です。
稚内の街に滞在して朝を迎えたなら、早朝に海側を眺めるべきでしょう。
稚内の街と面している湾の側や、オホーツク海の方向であれば「東寄り」が視えますから、天候が好ければ空が明るい筈です。
場合によって、少し雲が多いこともありますが、ハッキリと雨天でもない限りは「雲と光の共演」が視られる場合も在るので、それはそれで好いものです。10月の、殊に半ばを過ぎると、稚内では「やや肌寒い早朝」となりますから、少し暖かい上着でも引掛けて、短い散策に出てみましょう。
毎日変わってはいますが、日出時刻の40分前位から空の様子を伺うと、日出前の朝陽の光が空に干渉して面白い様子が視られます。
こういうような空の感じについては、「全く同じ様子」は在り得ない筈ですから、御覧頂く機会が設けられたなら、それは「あなただけのモノ」となる筈です。
「1日が始まる麗しい光景」に触れて、「北の始発」になる稚内から何処かを目指して出発するというのが好いと思います。
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