マイナス15度で白鳥と混浴?道東の秘湯「コタン温泉露天風呂」

バイクで北海道を旅していると、数え切れないほどの絶景に遭遇する。
だが温泉をベースに回る私は断言する!
「北海道の本気は、全てが白く閉ざされてからだ」と。
考えるな!感じろ!という訳で、冬の道東へ向かった。

目次

向かった先は秘湯中の秘湯

屈斜路湖(くっしゃろこ)のほとりにある野湯「コタン温泉露天風呂」。
ライダーやチャリダー(自転車旅行者)の間では有名なスポットで、この秘湯こそが冬に至高の体験をできる場所なのだ。

それは何故かと問うならば、最大の特徴であるロケーション。
通常の露天風呂と言えば塀で囲まれていたりするものだが、ここは違う。
屈斜路湖の水面と湯船の高さがほぼ同じ。湯船と湖を隔てているのは、岩の囲いとわずかな岸がある程度で、湖と温泉の境界線がない「ゼロ距離」の衝撃。

さらにいえば、真ん中にある大きな岩でおおまかに男女が仕切られているだけで、実質、混浴。
水着着用やタオル巻きが推奨されているが、水着はどうかと思う。

脱衣所とは言えない簡易的な小屋で服を脱ぎ、湯船に浸かる。
視界は巨大な屈斜路湖は分厚い氷に覆われ、真っ白い世界と遠くに見える山々だけ。
人工的な建物は見えず、聞こえるのは風と湯が湧き出る音だけ。

現代人が忘れている、自分が自然の一部である事を強烈に思い出させてくれる。
これこそが、野湯の醍醐味。

試される勇気!極寒と灼熱の往復

冬の北海道で露天風呂に入ると聞いて、「寒くないか」と思うだろう。
ズバリ正直に言えば、死ぬほど寒い。
外気温はマイナス10度を下回ることも珍しくない、服を脱ぎ、湯船まで歩く数メートルが、人生で一番長く感じる。
肌は冷気で痛くなる、その試練を乗り越えてお湯にドボンと浸かった瞬間、全身を駆け巡る「極楽」の感覚は言葉では表現しきれない。
お湯は少し熱めに管理されていることが多く、冷え切った体の芯までジンジンと熱が染み渡るのだ。

頭はキンキンに冷えた外気に晒され、体はポカポカ。この「頭寒足熱」の状態が、サウナで言うところの「ととのう」状態を無限に持続させてくれる。
ちなみに髪の毛が濡れたまま外に出ていると、髪が凍ってパリパリになる。

白鳥と混浴

そして、凍りついた風景を演出する「白鳥」がいる。
屈斜路湖は冬に結氷するのだが、温泉が湧き出ているこのコタンの湯周辺、砂湯と呼ばれるエリアだけは水温が高く、凍らない。そのため、シベリアから渡ってきたオオハクチョウたちが、暖を求めて集まってくる。
その距離感たるや、まさに混浴。

湯船に浸かっているすぐ目の前、手を伸ばせば届きそうな距離を、優雅に白鳥が泳いでいく。
湯気の中で羽を休める白鳥たちの姿は神々しく、時間を忘れて見入ってしまうほどだ。

時折、彼らが大きな鳴き声を上げながら頭上スレスレを滑空して着水するシーンに出くわすことがあり、その迫力たるや、VR映像など比ではない。
野生動物の息遣いを感じながら温泉に浸かる。これは動物園や水族館では決して味わえない、コタン温泉露天風呂ならではのプリミティブな体験。

愛で守られる聖地

特筆すべきは、利用料が「無料」。
「タダほど高いものはない」と思うだろうが心配はいらない、清掃協力金として寸志を入れる箱があるので、払える金額を入れるのだ。地元の有志が定期的に清掃と温度管理をしてくれているらしく、清潔で適温な温泉が保たれている事に感謝を忘れるな。
そして「この場所を大切にしよう」という気持ちをもって、ゴミを持ち帰り、大騒ぎせず、湯船を汚さない、当たり前のマナーを守るのだ。

日々の仕事のストレスや悩み事が湯気とともに空へ消えていく、他では絶対に味わえない「命の洗濯」ができるこの温泉は、地元有志と利用者の愛によって守られているのだ。

※画像はイメージです。

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