2016年10月、南富良野町にある「金山ダム」を訪れた際のお話になります。
この年猛威を振るった台風10号ですが、この台風の影響でダム上流で堤防が一部決壊するものの、下流域(富良野町)全体の被害を最小限に食い止めたダムとして、その年のダムアワード2016で全国のダムの中で大賞を受賞したダムです。
台風が過ぎ去ったばかりのころに大賞受賞を記念訪問した際のエピソードになります。
このことは当時の道内のニュースなどでも大きく取り上げられていました。
北海道でダム巡りをしませんか?
ここ近年は例年には見られない「異常気象」とも呼ばれる状況が多くみられるようになりましたね。
昔では考えられないような大型の台風が来たりすることも増えたように感じます。
そういったこともあってか、近年は「インフラツアー」と呼ばれる変わったツアーが全国各地で開催されているようです。インフラツアーとは、国民の生活を支える重要な機能を備えた、産業や生活の基盤となるインフラ施設そのものを観光の目的地としたツアーのことを指します。
台風の季節になると全国で台風の大雨の影響による洪水や河川の氾濫、土砂崩れなどの被害が多く報告されますが、その被害を未然に食い止めてくれる大きな役割を果たすのが「ダム」です。このダムを巡るインフラツアーなるものもあるようですが、北海道のダムでも台風による下流域の被害を最小限に食い止めたとして2016年にダムアワード大賞を受賞したダムがあります。それは南富良野町にある「金山ダム」です。
普段行かないからこそ・・ダムに行こう!
道民の間では「台風は北海道には来ない」これが通説でした。ニュースで本州の台風の映像が出ていても、どこか他人ごとに捉えてしまう道民もいたのではないでしょうか。しかし、近年は北海道でも台風が猛威を振るうようになり、その台風がもたらす大雨などの影響で道内でも大きな被害が出ることもしばしばあります。2016年の台風10号も例外ではありません。
金山ダムは昭和42年に完成した比較的古いダムで、近年のダムには見られない「中空重力式コンクリートダム」と呼ばれるダムです。これはダムの内部にあえて空洞を作ることによってコンクリート材料を節約することのできるダムで、古いダムにはまれにみられる構造ですが、道内のダムではほとんど見られない珍しいダムです。そしてこのダムは台風10号の影響でダム上流で堤防が一部決壊するものの、下流域(富良野町)全体の被害を最小限に食い止めたダムとして、その年のダムアワード2016で全国のダムの中で大賞を受賞しました。
台風10号が過ぎ去って少ししたころ、私はこの大賞受賞記念として札幌から車を走らせ、金山ダムを訪問しました。
ダムを訪問した感想
到着するや否や目の前に広がる茶色く濁ったダム湖とあふれんばかりの大木の山。大雨や風の影響で折れた山の木々がダム湖に流れ込んできたのでしょう。管理所の前にはダム湖にあふれた大木を集積した山がありました。これを見るだけでもいかに大きな被害だったのかが容易に想像できます。
災害から私たちの暮らしを守ってくれるダムは、なかなか訪れる機会がないかと思いますが、実は自然の中にあって観光スポットになっているダムも多いものです。台風一過の金山ダムは落ち着きを取り戻し、色とりどりの紅葉で美しく染まっていました。
北海道のダムは本州のダムとは異なり広大な土地に作られているので、横に広く、どっしりとした堤体であるものも多いため、自然の中に突如と現れる巨大なコンクリートの人口建造物に圧倒される方も少なくないのではないでしょうか。
反対に本州のダムは比較的狭い面積において山を切り開いて作るダムも多く、急な傾斜(堤体の高さ)に圧倒されることでしょう!
北海道の有名な観光スポットはもちろんですが、この一風変わった’セルフ’インフラツアーで北海道のダムに観光に来てみることをぜひおすすめしたいと思います!
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