日本犬といえば北海道犬!国民的アイドル"白いお父さん"をご紹介!

誰もがご存知、人気テレビCMに出演している大人気の犬種のご紹介です。国民的アイドル犬と言っても過言ではない、北海道犬について、詳しく解説いたします!
本記事を読むことで、北海道犬の基本情報やルーツ、飼い方、かかりやすい病気などを知ることができます。

目次

国民的アイドル「北海道犬」を知ってますか?

突然ですが、皆さんは北海道犬をご存知でしょうか?

日本において、古くから獣猟犬・家庭犬として人間と暮らしてきた在来犬種を日本犬といいます。それら日本犬に含まれているのが、今回ご紹介します「北海道犬」です。
北海道犬は、筋肉質な体をしていて、三角の耳がピンと立った、顔立ちの凛々しい日本犬です。ソフトバンクのCMに出演している、国民的アイドル犬「白戸家のお父さん」役でお馴染みの犬こそが、「北海道犬」なのです。

ちなみにソフトバンクのCMにおいて北海道犬(カイくん)は、キャラクター部門で堂々の一位に輝いた実績を持っています(CM総合研究所の2007年度CMタレント好感度調査より)。

アイヌ犬の名で親しまれる猟犬

主に北海道を中心に飼育されてきた、北海道犬。彼らは長い間、アイヌ獣猟犬として活躍していました。北海道犬は、熊などの大型動物を狩る獣猟犬として、北海道の先住民族であるアイヌの人々が飼育してきた犬でもあります。そのため「アイヌ犬」の愛称で親しまれています。2021年現在は、北海道犬は獣猟犬だけでなく、家庭犬としても飼育されています。

天然記念物として指定される

北海道において歴史の長い、北海道犬は昭和12年・1937年に天然記念物として指定されました。「北海道犬」の他にも「秋田犬」「甲斐犬」「紀州犬」「四国犬」「柴犬」など計6種の日本犬が天然記念物に指定されています。(公益財団法人/ 日本犬保存会 )

北海道犬のルーツを辿る

北海道犬の起源についてのお話です。

時は今から1万年ほど前、縄文時代までさかのぼります。縄文時代の初期、東北地方から北海道へ移動する際に、人々と共にやってきた中型の獣猟犬であるマタギ犬が、北海道犬のルーツだと言われています。アイヌの人はマタギ犬のことを、「セタ」と呼んでいました。当時からヒグマやエゾシカなどの狩りをする立派な獣猟犬でした。

北海道犬とアイヌ犬の違いは?

北海道犬とアイヌ犬は同じ意味を持ち、違いはありません。呼び方が異なっているだけで、どちらも日本犬の一種に変わりありません。1937年に北海道犬が天然記念物に指定されたことを、きっかけに「アイヌ犬」から北海道の地名が犬種名となり、「北海道犬」に変更されました。

北海道犬のあれこれ

ここでは北海道犬の体型や、体質を解説していきます。

MidoriCC BY 3.0ウィキメディア・コモンズ経由

北海道犬の体型や体質は?

北海道は中型の犬で、体高約45〜52センチ、体重は最大30キロです。メスの方がやや小さく、平均体重は約15キロと、オスに比べて小柄な傾向にあります。

大自然の北海道で育った北海道犬の胸部は発達しており、全体的に見ても、体つきがしっかりしています。巨大なヒグマなどを相手にしてきた獣猟犬は、力が強く、筋肉質なからだをしています。また、北海道という環境で育ったため、寒さに強く頑丈です。反面、暑さには弱いので夏場などは注意が必要です。

北海道犬の寿命は何年?

他の、中型の日本犬と同様に、北海道犬の寿命は約13〜15年です。

北海道の毛色について知りたい!

「北海道犬といえば白色!」とお思いの方も多いようですが、白以外の毛色バリエーションも豊富です。

  • 黒褐色
  • 胡麻

などがあります。

Magdalena NiemiecCC BY-SA 3.0ウィキメディア・コモンズ経由

北海道犬の性格は〇〇で、初心者向きではない?

獣猟犬として飼育されてきた観点から推測される、北海道犬の性格は、

  • 勇敢
  • 闘争心が強い
  • 堂々としている
  • 落ち着いている
  • 警戒心が強い
  • 飼い主に忠実

等があげられます。
(※北海道犬の性格には個体差があります。また、育った環境の影響を受けることが多いとも言われています)

北海道犬の性格は、ヒグマなど、比較的大きな動物を獲物として狩っていたことが影響していると言われています。北海道犬の性格には野生的本能のような勇敢さが備わっていると考えられます。

飼い主には誠実な北海道犬ですが、飼い主以外の人を警戒し、牙を向けてしまうことがあります。しかし、こうした傾向は子犬のうちから、人や他の犬に慣れさせることでいくらか緩和が可能です。

だたし、初心者での飼育は難しいかもしれません。環境にもよりますが、室内飼いが不向きな犬種のため、マンションなどでの飼育はおすすめできません。いずれにしても、充分な広さを確保できるスペースが必要です。北海道犬は散歩やしつけ、お手入れの視点から見ても、初心者向きとは言い難い犬種です。

北海道犬はブリーダーからしか入手できない?

2021年現在では、北海道犬はブリーダーでなくペットショップでも迎え入れることが可能です。ペットショップで購入する際に注意したいのは、それらが全て純血種の北海道犬か否かの判断が難しいということです。ペットショップといっても、北海道犬はどこにでもいる犬種ではありません。ペットショップで北海道犬を探すのは困難だと思われます。信頼のできる、北海道犬専門のブリーダーからお迎えされると安心です。

北海道犬の飼い方

日本犬の中でも、柴犬などは近年「室内飼い」をされる飼い主さんが増えています。
では、北海道犬はどうなのでしょうか?室内で飼育は可能なのでしょうか?
本章では、北海道犬の散歩やしつけのこと、具体的なケアのことをお話していきます。

運動量が多いけど、室内飼いはできるの?

北海道犬は、日本犬の中でも運動量の多い犬種です。
生まれ育った環境にも寄りますが、基本的には北海道という地で育っているため、運動量はかなり多く、飼育するにも広さが必要です。

北海道のケアについて

北海道犬はダブルコートの毛質をしています。
そのため、抜け毛はとても多いです。とくに、毛の抜け変わる換毛期である「春」や「秋」のお手入れには力を入れたいところです。北海道犬のケアは、日々のブラッシングが基本となります。ブラッシングは一見簡単そうに見えますが、意外にも体力を消耗します。飼い主だけでなく、北海道犬もストレスを感じてしまうことがあります。

ストレス軽減の対策として、以下の5点に気をつけると良いでしょう。

  1. 子犬の頃からブラッシングに慣れてもらう=ブラッシングを習慣化する
  2. 力を込め過ぎないで、優しく梳かす
  3. 毛の縺れがあっても無理に引っ張らない
  4. ブラッシングの時間を決めておき、できるだけ、短い時間でブラッシングする
  5. ブラッシング=いいこと(気持ちが良い、ご褒美がもらえる等)の認識を与える

こまめにブラッシングをおこなうことが大切です。

抜け毛をブラッシングで取り除くことで、皮膚病の予防にも繋がります。しかし、やり過ぎは禁物です。皮膚炎の原因になってしまいます。一日に1〜2度ほどのブラッシングで充分です。北海道犬の毛質に合ったブラシを選ぶと効果的です。スリッカーブラシは子犬にも使用可能なので、おすすめです。

北海道犬の散歩について

獣猟犬である北海道犬の運動量は多く、1日の平均散歩時間は約2時間です。かなりの時間と体力を要します。散歩不足になってくると、北海道犬に多大なストレスを与えることになります。散歩は毎日欠かさず行くようにしましょう。
(ちなみに小型犬であるトイ・プードルの1日の平均散歩時間は、15〜30分程度です)

北海道犬はしつけやすい?

北海道犬のしつけは、「子犬の時期」が重要です。
子犬の頃からしつけるのは可哀想、という飼い主さんもいらっしゃいます。しかし、犬のしつけは学習能力の長けた子犬の時期が最適です。北海道犬は、飼い主に従順・忠実な賢い犬種です。しかし、しつけが行き届いていないと、大変なことになってしまうのも事実です。

他の犬や、飼い主以外の人を傷つけてしまわないように、しつけをする必要があります。

北海道犬は力が非常に強く、野生の本能を持つ犬種です。それらをうまくコントロールするには、子犬の頃からしつけを始めることが大切です。

北海道犬の子犬は、ころころしていて、まるで雪だるまの妖精みたいに可憐です。ですが、可愛いからといって甘く見てはいけません。中途半端なしつけは一番危険です。成犬に育った時、飼い主が手をつけられなくなるという悲惨な状況は少なくありません。

誰も手がつけられなくなった結果「保健所行き」ということになり兼ねません。
重要なのは子犬の時期です。

厳しい言い方に聞こえるかもしれませんが、北海道犬に主導権を与えてはいけません。
あくまで飼い主がリーダーです。

しつけの方法

北海道犬も他の犬種と同様に、「おすわり」「伏せ」「待て」「来い」や、散歩の際に飼い主の隣を歩かせるなど、簡易的なしつけから始めればOKです。
しつけの指示に北海道犬が従い、成功させた場合には思う存分褒めちぎってください。褒めてあげることで愛犬は喜びます。

しつけは簡単に成功するとは限りません。
"根気強く、何度でもやる"を念頭に置いて、挑むようにします。

北海道犬の、かかりやすい病気とは?

犬種によって、かかりやすい病気が存在します。
北海道犬の場合ですと、以下の5つの病気に気をつける必要があると言えるでしょう。

  1. 白内障(加齢・遺伝性以外にも、糖尿病などの合併症で発症します)
  2. 皮膚疾患(日本犬には、皮膚疾患が多いといわれています)
  3. 熱中症(北海道犬の出身柄、暑さに弱く、夏場は特に注意が必要です)
  4. 変性性髄膜炎(遺伝性疾患)
  5. コリーアイ(遺伝性疾患)

血縁の近い犬種での交配が行われていた北海道犬では、遺伝性疾患が多いとされています。北海道犬は、病気にかかりにくい丈夫な犬種であるとされていますが、発症しやすい疾患は存在します。皮膚病など、ケアで予防できる疾患もあれば、遺伝による疾患もあります。いずれも人間と同じく、早期発見が重要です。獣医師による定期健診や、遺伝子検査の活用をおすすめします。

まとめ

雪にうもれる北海道犬の一枚の写真をデスクにかかげ、本記事を書かせていただきました。北海道というと、やはり白色の動物が多い気がします。白うさぎに、白きつね、冬オコジョなどなど。純白に憧れてしまう筆者ですが、今回ご紹介しました北海道犬も例外ではありません。見た目の可愛さだけでなく、その内面的な魅力を知ることで、より魅了されました。

本記事で、北海道犬の魅力を余すことなくお伝えできたらと思い、執筆させて頂きました。実際に書いている中で、再認識した部分に加え、新たな発見があり、わくわくしながら書かせていただきました。

以前、関東圏にて動物病院で勤務していたことがあるのですが、その病院には柴犬の受診はあっても北海道犬をお目にかかることはありませんでした。また、二年ほどペットショップで勤務させて頂きましたが、そこでも北海道犬に巡り会うことは無く、貴重な犬種であるとの認識が高まりました。

本記事を読んで、少しでも北海道犬について興味を持っていただけましたら幸いにございます。

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