ヒグマとの共存を考えてみる

北海道在住の年配者です。人間とヒグマの共存について、私なりに考えてみました。

目次

人とヒグマの関係

まずは近年の人間とヒグマの関係を考えてみます。
北海道のヒグマは90年以降に世界的な自然保護の意識が高まり、ヒグマとの共存を考える政策に路線変更した事もあって、無条件での駆除はできなくなりました。このため、危険動物として積極的にヒグマを射殺していた時代に減少したヒグマの数が最近増加してきています。その影響もあってでしょうか、最近では市街地にも頻繁にヒグマが出没するようになり怪我人もでています。

ヒグマは本来であれば、人間の暮らす領域に近づくことは少なく、林や丈高く繁った叢(くさむら)などを伝って用心深く近づくと言われています。もしも人間の生活領域へヒグマが接近したとして、人間が向かって来ずに逃げるという反応しか示さないと、ヒグマは大胆になってくるそうです。

人とヒグマの領域

ヒグマと共存してきたアイヌの人達は、人間社会に害を与えるようになったヒグマは、悪いヒグマとしてきちんと罰し、人間社会に侵入してこないヒグマとは、良いヒグマとして争いを起こさないようにしてきたということです。
つまり「悪いヒグマは罰し、良いヒグマとは喧嘩をしなさんな」ということです。ここで、「悪いヒグマ」も「ヒグマそのものが悪いのではなく悪い魂がのり移った」と解釈するそうです。

「悪いヒグマ」にしないためには、人間の生活圏とヒグマの移動範囲の間に林や電気柵を設けたりして、両者の境界をきっちり分け、それでもうまくゆかないときは銃で威嚇、最悪の場合は射殺して、教育することが必要だということです。もちろんですが、餌を与えたりすることは最悪の結果を招きます。

人間の方も、ヒグマの領域と考えられる地域に理由なく侵入することを控えるべきでしょう。これからの林業はこのような観点からも、ヒグマの移動と人間の移動とを意識した大きなスケールで森や林の構築がなされると良いと思います。ヒグマの餌となる樹木の実の種類に配慮することも重要で、人間のみが独占する世界は神仏も望まないと思います。

※画像はイメージです。

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