旭川中心部から北に25㎞ほどの場所に、のどかな農村がある。陸の孤島 江丹別である。
江丹別へ
江丹別に向かう途中は峠を越えるため、人通りが一切無く、道も無くなるのではないかという不安に駆られるが標識を信じて進んでみてほしい。
やがて広々とした土地に、牧場やそば畑が広がり、北海道を象徴するような景色を楽しむことができるはずだ。
窓を開けると、まず酸素の濃さに驚くだろう。緑の強さ、山の近さに目が眩むだろう。北海道の夏は短いので、その分一気に濃度が高くなるのだと思う。
集落の北端に伊勢ファームという牧場があり、旭川ではかなり有名なブルーチーズ職人が住んでいる。本場フランスで修行を積んだ職人が、地元で採れた牛乳から丁寧に手作りしている、本物のブルーチーズである。全日空の機内食にも採用された本格的なブルーチーズを、破格で手に入れる事ができる。納得のいくもの以外は店には並べない主義で、採算が取れているのか心配になってしまう。夏しか営業していないので、注意してほしい。
中心部
さて集落の中心に戻ると、地元産の野菜や乳製品を使った料理を堪能できる、小さなレストラン、チライがある。たまに営業するパン屋も併設しており、こんな田舎にこんなにオシャレな空間があるものかと驚く事間違いなしである。
レストランの横には地元唯一の学校があり、小学校と中学校がまとめて一つの学校になっている。全校生徒は5〜6人ほど。過疎化と少子化の影響をダブルで受けているようだ。
少し離れた場所に、地元名産の蕎麦粉を使った打ちたてのそばを食べる事ができる蕎麦屋がある。ちなみにこの集落で座って飲食ができるのは、先ほどのレストランと、この蕎麦屋だけである。メニューは少ないが、一切並ばずに昼食を頂くことができる。そば自体はかなり美味しい。部類のそば好きである自分が言うのだから間違いない。ぜひ食べて見てほしい。
周辺には地元唯一の保育園(園児は3名ほど)や唯一の売店(農協)、郵便局に役場といった、生活に必要な施設が集まっている。ガソリンスタンドもあるので、給油は忘れずに。誰もいない事も多いので、もしスタッフがいなければ農協あたりで聞いてみると、電話でスタッフを呼び出してくれる。ごめんごめんと農作業中だったと思われるおじさんが走ってきてくれるので、ちょっと申し訳ない気持ちにもなる。
江丹別若者の郷
給油が終わったら、周りを見渡して、小高い山上に展望台があるのを見つけられるだろうか。江丹別若者の郷と言う名前の、キャンプ場だ。山の上までドライブして、宿泊もできるコテージの横を通り過ぎると、展望台の下まで行く事ができる。
展望台に登ると、集落を一望する事ができる。霧の出た朝は、雲海もみる事ができるので、興味のある人はコテージに泊まって早朝登ってみるとよい。
集落の店は全て夕方5時には閉まってしまうので、日没には帰路に着く。
もし訪れるなら
この集落を訪れるのならぜひ夏をおく勧めしたい。夏が最も美しい季節であると思う事に加え、冬は車の運転が難しいからである。
峠では頻繁にホワイトアウトが起きる上に、途中で頓挫しても助けを求める民家も無い。
訪れるならぜひ夏に。
※画像はイメージです。
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