北海道の戸建住宅には、玄関の部分に温室のような構造物が付いている家がやたら多い。
関東からやってきたばかりの著者は不思議でなりませんでした。
あの正体は何なのか、そしてなぜ必要なのか、謎に迫ります!
温室の正体
単刀直入に、あの構造物の正体は「玄関フード」、正式な名称は「風除室」というものです。
透明なガラスなどで玄関前を囲っているので、見慣れない者からすれば温室にみえるのですが、雪深い地域ではマストな構造といえます。
その役目は単なる装飾ではなく、低温と吹雪によって玄関ドアが凍り付くのを防止、雪が積もってドアが開かなくなるのを防止、雪や風の直接の侵入を防いで室内の温度を下げない効果もある優れモノです。
日常生活の中でも、外から帰ってきた時に玄関フードで雪がついたアウターや靴を脱いだり払ったり、雪かき用のスコップや長靴などを置いたり、お年寄りは漬物を置くスペースとして利用したりと大変便利な場所でもあるのです。
デメリット
しかし、便利なようでデメリットもあります。
・後付の場合に設置費用がかかる、ガラスなので割れる事もあって、修理費用が地味に高い。
・夏は温室みたいに熱がこもって、家を出るときに”もわん”と不快。
・出入りにワンクッション増えて地味に面倒面倒、特に買い物で荷物が多い時に思う。
だいたいこんな事です。
最近では、新築する時に玄関フード同様の構造を持つ、玄関ポーチを設計して、これらのデメリットを解消したうえで、デザイン的にも後付のような違和感がなくスタイリッシュな家も増えてきました。
戸建てだけではない?集合住宅の玄関フード
私は関東から移住してから、道内でも転勤でいろいろな地域に住んでいたことがあります。 転勤先の賃貸物件を探していて気が付いたのが、玄関フードがついている集合住宅が結構あるということです。
アパートや団地でも、一階の入口にドアを付けて「簡易風除室化」している物件が普通なのです。
さらに最近の築浅メゾネットでは、昔ながらの玄関フードではなく、大型ポーチで風雪を防ぐタイプが増えている。
パネル張りの玄関フードより見た目が良く、冬の出入りもしやすいという理由で広がっているらしい。
そして、地域差があることにも気が付きました。
雪が深い内陸部では玄関フードの中に階段があって、高い位置に玄関がある家があったり、逆に道南など雪が少ない地域では、フード自体がなく深めのポーチだけ。
北海道と一括りにしても、玄関まわりの文化は意外と多彩ですね。
なかなか面白い玄関フード
北国ならではの住宅事情は、なかなかおもしろいですよね。
我が家は今後一軒家を建てる予定もないですが、個人的には玄関フードがあるほうが便利でいいなと思います。
大きなポーチで車庫から玄関に入るまで屋根になっている家も便利だし、玄関ドアの前に壁がある家もおしゃれですよね。
北海道にお越しの際には、さまざまなお家の「玄関フード」に注目してみてくださいね!
※画像はイメージです。


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