やなせたかしの店 アンパンマンショップふらの店

「なんのために生まれて なにをしていきるのか」
子ども向け番組とは思えない深さを持つアンパンマンのテーマ曲。この歌詞を生み出したのは、作者であるやなせたかしさん自身。2025年春のNHK朝ドラ「あんぱん」はフィクションを交えつつ、その人生をモチーフにした物語がて広く話題を集めました。

そんな「アンパンマン」をテーマにしたショップが富良野にあるのを知った私たちは、夏の終わりに、家族3人で「アンパンマンショップ」へ向かいました。

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なんで富良野に?

ふらのジャム園は、開墾した農場で大量に廃棄されていく規格外の人参を見た、社長夫人である大久保嘉子さんの「もったいない精神」から始まりました。
捨てるくらいなら活かしたいという思いでジャム作りを始めたところ、評判を呼び、1988年に直営店「ジャムおばさんのジャム工房」が開店したのです。

奇しくも同じ1988年、テレビアニメ『それいけ!アンパンマン』の放送が始まり、全国の子どもたちの人気を集めました。おそらく番組を観た大久保さんが登場する「ジャムおじさん」に注目し、「ジャムおばさん」のキャラクターを、原作者であるやなせ氏に描いてもらえないかと考えたのです。

通常なら思いつきの段階で終わるはずのアイデアだったが、大久保さんは迷わず行動しました。地方の小さなジャム店が全国的な作家に直接依頼するという、無謀に見える一歩を踏み出したことで状況が大きく動きだします。

やなせ氏は、温厚で優しいアンパンマン像とは裏腹に、気難しいことで知られた人物としても知られています。実際、彼の過去作には陰影の濃い作品も多く、勧善懲悪から外れた作風も少なくありません。
おそらく自分の作品のキャラクターに対しても思い入れがあるでしょう。本来なら断られる案件なのですが、氏の中には「森の中にアンパンマンの店を作りたい」という構想が以前からあったのです。

大久保さんからの依頼と、富良野の豊かな自然環境がアンパンマンの舞台である“森”と重なる景色。これらが偶然にも重なり、やなせ氏は富良野の環境を自らの作品世界と相性が良いと判断して依頼を受けたのだと思います。

そして2000年、ふらのジャム園の隣に、やなせ氏直営ショップ「やなせたかしの店 アンパンマンショップ ふらの店」がオープンしました。

アンパンマンが沢山

車を降りると黄色くて可愛い外観のお店と、アンパンマンのキャラクターたちの石像がお出迎えしてくれました。
勿論娘は大喜びで、小さな噴水あり、おもちゃで遊べるようになっていたため店に入る前から大はしゃぎで遊んでいました。
しかし大人目線でみると、御影石で作られていて着色せずにそのままの石像なので、すこし複雑な感じがしないでもありません。

お店に入ると、アンパンマンのキャラクターたちが描かれたカラフルなボードや、たくさんのグッズが並ぶ棚が目に飛び込んできます。娘は興奮気味に「バイキンマンいた!」「ドキンちゃんのぬいぐるみもある!」と大喜び。大人の自分でも、どこか懐かしく感じる空間です。
ここでしか買えない限定商品もあるため、ファンにはたまらないラインナップです。妻も「かわいいね」と娘と一緒にぬいぐるみを手に取っていました。

グッズ販売だけでなく、子どもが楽しめる工夫がいくつもあるので、子供たちを飽きさせません。

ギャラリー

2階はギャラリーになっています。

アニメのセル画、おそらく複製原画が沢山が展示してあります。
やなせ氏直筆のご挨拶には、「こどもも楽しめたか心配」のような事が書かれておりますが、娘は興味津々でキャラクターのパネルを眺めたり、何度も「アンパンマンだ!」と指をさしたりして楽しんでいました。

ただし、絵の中にこめられたテーマなどを考えると、こどもが楽しめるたかは疑問で、とくに原画の展示の仕方などは子供向けとは言えないと思いますが、世界観を楽しむことは出来ます。

親子で楽しめる温かい空間

富良野のアンパンマンショップを訪れて、改めてアンパンマンの人気の根強さを実感しました。
娘にとっては夢のような場所で、大好きなキャラクターに囲まれて終始笑顔でした。

親としても、子どもの喜ぶ姿を見ることができ、とても満足感のあるお出かけになりました。
アンパンマン好きのお子さんがいる家庭なら、ぜひ一度訪れてみる価値がある場所だと思います。

※画像はイメージです。

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