2019年末に中国・武漢から発生した新型コロナウイルス感染症は見る見る間に世界中に拡大、パンデミック状態となった。
世界中の各都市でロックダウン、外出禁止が施行され、本邦でも数回の緊急事態宣言の発令がされました。
「巣ごもり」「自粛」「三密を避ける」といったキーワードはもはや当たり前のものとなり、マスク着用や手洗い・手指消毒もすっかり定着しましたね。
日本でも感染症拡大が本格化してきてからも1年以上になります。
行政的には給付金や補助の必要性と同時に、医療的には病床・スタッフ・医療物資の確保、治療薬や有効な治療法の情報やワクチンの開発の必要性は感染拡大当初から叫ばれ、現在も続いてきました。
2021年3月で日本の感染者数は45万人を突破、死亡者数は9000人に迫っており、世界では感染者数1億2000万人を突破、死者数は270万人に迫っています。
なかなか先が見えぬ中、今年に入り一途の光が見え始める。新型コロナウイルスワクチンが世界中で開発され、一部の製剤が完成、各国での承認・接種が始まりました。
欧米でのワクチン接種開始から遅れること2ヶ月程度、本邦でも2月17日から医療従事者から接種が始まりました。
この記事では新型コロナウイルスワクチンの概要と日本、そして北海道での摂取状況・予定、そして副作用など体験談を含めて解説します。
新型コロナウイルスワクチンについて
世界中で開発が進められた新型コロナウイルス感染症のワクチンですが、2021年3月時点では日本ではファイザー製のもの、世界的にはアストラゼネカ製、モデルナ製、ジョンソン&ジョンソン製などのワクチンが承認・使用され始めた。
本記事では世界で最初に承認・投与開始が進み筆者自身も投与したファイザー製の新型コロナウイルスワクチンについて解説します。
ファイザー製「コミナティ筋注」
ウイルスのメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンです。新型コロナウイルスに対するワクチンではその他のウイルス疾患で用いられるような弱毒化ウイルスを使用した生ワクチンや不活化ワクチンは時間やウイルスの性質からあまりうまく行かなかったよう。
このファイザー製のmRNAワクチンは新型コロナウイルスがヒトの細胞に侵入するときに必要なタンパク質(スパイクタンパク質)の設計図となるmRNAから作られています。このmRNAが細胞内に入ることにより抗体産生(液性免疫)と細胞免疫応答(ワクチンの種類によっては液性免疫しか誘導されないものもあり、両方誘導されるワクチンのほうが効果的とされる)が誘導され、感染症を予防する。
使用法は筋肉注射にて注入、3週間開けて計2回の接種をします。2回目接種後1週経過時点での有効性は95%と報告されています。1回の投与でも3週間経過時点で90%程度の有効性が見られているようですが定かではないため投与後も適切に感染対策を続ける必要があります。
インフルエンザのワクチンなどと同様、明らかな37.5℃以上の発熱や体調不良があると接種はできません。また世界的にデータが不十分ではないこともあり確立していない部分ではあり、禁忌とまではいえませんが基礎疾患のある人、その他薬剤などでアナフィラキシー歴のある人、妊婦・授乳中の女性などの投与には注意が必要となる可能性があります。
副作用・副反応について
データは日々蓄積され詳細な数値については不明であるものの、報道を見る限り副反応やアナフィラキシーといった副作用の報告は投与された人数の中での割合では多いように感じざるをえません。ただし現時点では回復不能な重症な状態に陥った例や死亡例の報告はありません。
これらの日本国内の報告のうち、アナフィラキシーの中でも比較的軽微な症状(皮疹など)も含め報告されていること、日本の場合医療従事者から投与が開始され、一般人なら無視したであろう接種後の身体の反応でも被投与者が専門家であるため拾い上げられてしまっている可能性などがあり一概には評価できない側面も。
副作用・副反応の懸念はあるものの、いずれにせよ可能な限りこれらのワクチンがより速やかに普及し感染症拡大、人々の活動の停滞を脱却していくことが望まれます。
今後の予定について
今後の日本国内でのワクチン接種予定について、現時点では医療従事者から接種が開始され3月下旬時点で36万人程度に実施されています。
次の予定としては4月12日から6月末までに65歳以上の高齢者、基礎疾患のある人・高齢者施設関係者といった順に接種を進められていく予定。
また5月ころにはファイザー製のワクチンの他、アストラゼネカ製、モデルナ製のワクチンも承認されていく予定です。
最終的には夏以降に、16歳以上の一般の人々への接種が予定されています。(2021年3月現在の状況です)
なかなかもどかしい状況が続きますが、開発から承認までのスピード、全世界的な需要・保存などの管理の問題といった状況を鑑みると比較的善処しているように思われます。
実際の接種方法
ファイザー製を始めとした今回のワクチンの多くは筋肉注射(以下、筋注)にて実施される。
被接種者は当日、体温や体調といった必要事項を(1)のような問診票に記載、提出しチェックする医師からの承認をもらいます。
接種に用いる注射器・針、消毒道具などは(2)などのようなものが用いられる。
(3)〜(6)のような手順で筋肉注射を行います。
この症例の場合は三角筋部に関節や神経の走行に留意して部位の決定(3)、消毒(4)、穿刺(5)、薬剤投与(⑥)を行います。
注射そのものはそこまで痛くありません。接種後の反応としては当日夜ころからの筋肉痛症状を訴える人が筆者の周りには多かった印象です。とある調査によると、接種後に見られる症状として頭痛(22.4%)、疲労(16.5%)、めまい(16.5%)など比較的軽微なものが多く見られるようです。
筆者の場合、当日夜ころからの筋肉痛様な症状、翌日の痛みによる軽い肩の挙上困難感、軽い疲労感と頭痛、薬剤投与部周辺の皮疹が見られました(7)。
とはいっても、翌々日にはほとんど軽快し問題なく日常生活を送ることができ、周囲の関係者においても同様でした。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この1年、新型コロナウイルス感染症に振り回され続けた1年でしたね。いよいよ始まった新型コロナウイルスワクチン接種、人類の反撃開始です。
今後のますますの普及が期待されるところ。また、感染拡大前の日常を取り戻せるよう、各々できる対策をしてこの困難を乗り越えていきましょう。
※アイキャッチと一部の画像はイメージです。
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